「スフィア」10周年記念全国ツアー“A10tion!”ファイナル公演レポート｜ファンへの感謝と決意「みんなのことが私たちの何よりの誇り」

最終日・朗読劇には堀江由衣×宮野真守！

中盤は、ツアーで演じ続けてきた“時空の旅”の朗読劇で盛り上がりました。“時空の旅”とは、スフィアとしてターニングポイントになった過去に音雨航空という特別な飛行機で向かう物語のこと。

この日はファイナルとあって、機長も登場。その声の主は宮野真守さんで、驚きと喜びの声が広がりました（後のMCで“ベテラン声優アイドルユニット”と最初に発言したのは宮野さんだと明らかになりました）。

最後の旅先はスフィアの生まれた日・2009年2月15日。そこにたどりつくまでの紆余曲折をスフィアの4人が語っていきます。

朗読劇の“劇中歌”として、当時の衣装を着た4人が歌ったのはデビューシングル「Future Stream」。キラキラとした歌声、胸に響く切なくも愛おしい音が、当時の初々しい想いと決意を感じさせるかのよう。エモーショナルなステージに、ファンからは歓声と拍手が上がりました。

朗読劇における意外な顛末も明らかとなり、明るいムードとなったところで、両極端な雰囲気を持ったソロ曲２曲を披露。まずは豊崎さんが、安藤裕子さんが描いたミディアムナンバー「一千年の散歩中」をシンプルなバンドサウンドと共に優しく届けます。

続いては高垣さんがTVアニメ『戦姫絶唱シンフォギアＸＶ』EDテーマ「Lasting Song」を激しくパフォーム。

再び衣装を変えた4人がピアノの優しい旋律に導かれ「best friends」を歌唱。活動10周年を迎えてから最初のシングルとなったこのバラードを、大切な“あなた”に向かって歌うように、丁寧に紡いでいきます。

優しい光から一転、燃えるような赤が照らされるなか「Absolute Pride」を気高く歌うと、影山ヒロノブ氏が手掛けた「鋼のVictress」で＜運命をもぎ取れ 捨ててしまえ＞と力強くメッセージ。ミリタリー系の黒の衣装がよく似合う、前のめりなステージングを見せたスフィアでした。

次の曲は、今回のツアーの定番となったルーレットコーナー。ルーレットで披露する曲を決めていきます。ルーレット上にある「スフィアスペシャル」（スフィアメンバーに対するご褒美）という細い枠は、「来年（イギリスに留学する寿さんに会いに行くために）遥、彩陽、愛生でイギリスに旅行に行く！」ということで気合いの入る4人。

マネージメントチーフから許可が下りたものの「（負担が大きいから）当たらないといいな」とも言われたと漏らす一方「私、一度でいいからビジネス乗ってみたい！」と目を輝かせる戸松さん（笑）。

この日矢を放つのは高垣さん。ギリギリまで近づいて、狙って矢を放つと……なんと、見事イギリス旅行に命中！　「みんなでイギリスにいくぞーーー！」「不正などない！」「ミラクルが起きた」と、心の底から喜ぶ4人に大きな拍手が送られていました。

再度ルーレットをまわし、命中したのは「キミが太陽」（！）。明るい歌声で“ありがとう”の気持ちを、一人ひとりに届けたのでした。

一呼吸おいて「まだまだいけますかー！」と叫んだ高垣さん。アップテンポの勢いあるナンバー「HIGH POWERED」「GO AHEAD!!」でクライマックスを駆け抜け、「Future Is Now!」を大合唱。

キラキラとした光が舞うなか＜過去と現在も＞＜抱きしめてるよ 君と＞と、まっすぐにファンを歌う4人の姿に「Future Stream」のドラマが重なります。この10年の旅路とこれからへの想いを改めて感じさせるかのようでした。