『キラッとプリ☆チャン』シリーズ構成:兵頭一歩×桃山みらい役:林鼓子が振り返るこれまでの物語【シーズン1~2】
リングマリィが結成されるまで――「インディビジュアル・ジュエル」の素晴らしさ
――シーズン2のここまでの大きな軸として、まりあとすずがリングマリィを組むまでがありました。でも、なかなかくっつかなかったですが。
兵頭:新キャラなので、まずはみなさんに好きになってもらわないといけないので、プッシュしていく割合は多かったと思います。でもあれほどのキャラクターなので、カメラを振れば何か面白いことになるし、現場でもノッていたのは事実ですね。
かわいいとカッコいいでまったく個性が違う2人がグループを組んでライブをするとなれば、ドラマチックなことが起きるのは間違いない。そして無事にリングマリィになって、今ではもう「結婚した」みたいなことを言われるくらい仲良しになった。
バラバラだった2人が、お互いの個性を妥協することなくそこまで噛み合ったのを描けたのは、シリーズとしても大成功だったと思います。そこはすべてのスタッフのおかげですね。
――お互いが思い合うばかりにすれ違っていたけど、ついに結ばれましたから、68話は感動でした。
兵頭:リングマリィ結成については、楽曲の「インディビジュアル・ジュエル」の感動が大きく影響していますね。
林:すっごく良いですよね!
兵頭:スケジュール上、歌はストーリーが確定する前から作っていただくので、エイベックスの担当の方には「こういう風にしようと思っています」くらいしか伝えられないんです。
でもさすがのチームワークで、だったらこうなんでしょうっていうのがクリティカルに返ってくる。こっちが伝えてなかったはずのことも、歌詞や曲調に触れると、「そうだよ、こういうことが言いたかったんだよ!」というのがちゃんと入ってるんです。
「インディビジュアル・ジュエル」の歌詞には、リングマリィの2人の関係を表す答えもちゃんとあって、これから先の話になるんですけど、まりあとすずの到達点を描く話で、それを使わせてもらいました。
そうやって歌詞を脚本にフィードバックする経験は初めてだったので、自分が言うのもおこがましいですけど、長きにわたるプリティーシリーズのチームワークを感じた瞬間でした。
――『キラッとプリ☆チャン♪ソングコレクション~3rdチャンネル~ DX』も発売されたので、歌詞までじっくり見てほしいですね。
兵頭:当たり前ですけど、やはりプロの仕事ってハンパないですよ! 自分ではどう転んでも出て来ないようなフレーズがバンバン盛り込まれてる。「インディビジュアル・ジュエル』のフルver.は文句なく泣けるし、ソロ曲だって、キャラクターの多面的な部分が見えてゾクッとしますから。
林:本当にいい曲です。
兵頭:シーズン2の最初を飾ったみらいのソロ曲「TOKIMEKIハート・ジュエル♪」も、後半のクライマックスで生きてくればいいなぁと思って、キーワードを脚本に盛り込みました。
林:(素で驚いて)おっ!
――歌と物語の関係も大事なんですね。
兵頭:この作品の場合、普通のキャラソンと違い、ライブとしてキャラクターたちが本編で歌うものですからね。
――個人的には、えものソロ曲のインパクトがものすごかったですけど。
林:「えもめきピッカーン」(笑)!!
兵頭:仮の歌詞の時、「えもめくよ」は「えもみざわ」でしたね(笑)。
林:(笑)。やばい! でも今どきっぽい。「あげみざわ」とか言いますもんね。何だ?あげみざわって!って感じですけど(笑)。
――ちなみに林さんは、まりあとすずがリングマリィになるところは、ファン目線で見ていたんですか?
林:完全にファンでしたね。もう早くくっつけ!って思いながら見てたので。でも「インディビジュアル・ジュエル」は私もめっちゃ好きで! この前のオータムライブの大阪公演のライブを舞台袖で見てて、やばかったです! それこそ結婚したな!と思いました。
曲のタイトルからして神ですよね。「インディビジュアル・ジュエル」って。正反対な2人というのが良いなぁと思いました。やっぱり『プリ☆チャン』の良いところって、誰も否定されないところだと思うんです。
かわいくなきゃダメとか、カッコよくなきゃダメとかはないから、それがすごく良いなって思います。
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