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『HUMAN LOST 人間失格』木﨑文智&コザキユースケインタビュー

『HUMAN LOST 人間失格』木﨑文智監督&コザキユースケさんインタビュー|参加のきっかけは15年前に交わした約束だった!?

日本におけるアメコミの位置づけ

――今回のトークは「アメコミ」がテーマになっていましたが、おふたりとアメコミの出会いについて教えてください。

コザキ:僕の場合は、カプコンさんから発売されていたゲームの『エックス・メン チルドレン オブ ジ アトム』(1994年)を、中学生の頃に遊んだのが最初の出会いです。格闘ゲームから入って、その次に翻訳された原作の『X-MEN』のコミックに手を出して……という流れでした。

木﨑:僕は少し変わっていて、一時期映画の『スポーン』(1997年)が流行りましたよね。あの頃からフィギュアとかを意識して買うようになっていったのですが、映画そのものはあまり刺さらなくて。フィギュアとかの立体物の方がハマっていくきっかけになりました。

――当時はアメコミ系のグッズの入手は難しかったのではないかと思うのですが。

コザキ:いや、僕の場合は近所の本屋で普通に翻訳版が売っていたんです。そういう意味では、恵まれた環境だったかもしれないですね。

木﨑:僕は中野ブロードウェイにあるアメコミ専門店に通っていました。とはいってもほぼ全編英語で、その頃は内容が全然理解できなかったので(笑)、ビジュアル的に目にとまるものを中心に買い集めていましたね。

コザキ:その頃は、ウルトラマンとか仮面ライダーとか、いわゆる正統派ヒーローが当たり前だったのですが、その後アメリカからそうではないものがたくさん入ってきて。

例えば『ターミネーター2』で、1作目で敵だったT-800が味方になるケレン味みたいなものが定着していったのもその一つだと思います。やっぱり「ダークヒーロー」というジャンルを考えた時、アメリカの影響というのは大きいですよね。

――当時と今とでは、アメコミを取り巻く環境は変わったという感覚はありますか?

木﨑:当時と比べると、やっぱり楽しむためのハードルは大分低くなっていると思うのですが、世界的に見ると(アメコミ映画の)興行的には日本はそこまで高いわけではないんですよね。

次回作の製作が決定している『スパイダーマン:スパイバース』でも、日本のスパイダーマン(※東映版スパイダーマン)が登場するかもと言われているのは、日本での認知度を上げようという意図があるのかなと。

コザキ:現実問題として、日本の市場というのはなかなか厳しいとは思っています。

今の日本は、You Tubeとかアプリゲームとか、短くまとまったものを小刻みに摂取するというスタイルが定着していていますよね。2時間の映画を見続けるだけでもつらいというのが、若い人に多いと思うんです。

木﨑:映画だけじゃなく、ゲームも似たような状況ですよね。ソーシャルゲームが全盛になっていて。

コザキ:その原因の一つは、家から駅までの移動や、電車間の乗り換えとか、移動時間が小刻みになりがちなことじゃないかと。そこにアプリゲームとかYou Tubeとかのコンテンツが合致しすぎているんです。

そこで十分すぎるくらい暇つぶしができてしまっているので、なかなか難しいのかなという感覚はあります。

――確かに。それに映画1本だけならともかく、 MCU(※マーベル・シネマティック・ユニバース。マーベルスタジオが制作する世界観を共有した作品群)をすべて追いかけようとすると、すごい量になりますしね……。

コザキ:そうなんですよ。最近入った若いデザイナーの子たちも、『アベンジャーズ』はおろか、映画もほとんど見たことがないと言っていて。

「デザイナーになるんだったら、映画をいっぱい見ないと駄目だよ!」とダメ出しをしたこともありましたね。

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