『僕のヒーローアカデミア THE MOVIE ヒーローズ:ライジング』爆豪勝己役 岡本信彦さんインタビュー|清々しい心地良さや達成感を感じていただけるはず――
収録はノドが最後までもつか神頼み。1日で録り切ったからこそリアルな疲弊感も
――今回のお話はTVシリーズの物語の時間軸とは少し違うので、並行して収録していることで戸惑いはなかったのでしょうか?
岡本:未来のお話なんです。爆豪も既に仮免を取得していますから。でも感覚的に認識したくらいで、綿密に差を付けようということはなかったです。
――演じる上で難しかった点は?
岡本:難しかったのは体力やノドがもつかどうか、神頼みで、運良くもってくれてよかったです。『ドラゴンボール』で言えば界王拳を使った状態で、「俺の体よ、もってくれ!」という感じでずっと叫んでいたので、何とかやり切れたことがうれしかったです。
――今回は1日で収録を終えるというハードスケジュールだったそうですね。
岡本:口パクが多くなったところは後日、リテイクもありましたが、1日で録り切りました。それは日をまたいで録るとノドが回復して、繊細さが出なくなってしまうので。
デクや爆豪たちはずっとその時間をリアルタイムで生きているからこそ、1日で録りたいと。だからこそ疲弊感も出ているし、リアリティやドラマチックにつながっていると思います。
印象的だったデクと爆豪が手を取り合うシーン
――印象的なシーンやエピソードを挙げるとすれば?
岡本:デクと爆豪が手を取り合うシーンです。戦いの中で大車輪をしながら手を取り合うというおもしろい手の取り合い方があるんだなって(笑)。
僕的には今回やり切ったし、命と魂を吹き込むことができたという達成感があり、もし来年劇場版があっても勝ちゃんメインじゃないと思うので、だからこそ今回ヒットしてほしいなと。次の人にバトンを託す、責任転嫁じゃないですけど(笑)。
でもデクは毎年大変だろうなと思います。
――先生のコメントからは劇場版は今回で最後かなというようなニュアンスもありましたが……。
岡本:あると思います。『ヒロアカ』は『ジャンプ』の看板の1つとして頑張ってほしいなという個人的な願望です(笑)。現実的には今回、最終回としてもやれるようなお話をやってしまったし、今回で終わってもいいくらいの素晴らしいクオリティの作品になったと思っています。
A組みんなで戦うシーンは注目! 様々な個性を見てあなたの推しヒーローを決めて
――長く続く人気作品の劇場用アニメでは、初めての方が置いてけぼりにされたり、理解しにくいこともよくありますが、本作は『ヒロアカ』初見の人でも楽しめるところがいいですね。
岡本:去年の劇場版もそうでしたが、『ヒロアカ』がわからない方でも最初に説明があるし、作品自体もデクというヒーローを目指す少年の物語ですし。
今回ならデクと爆豪、A組のみんなが頑張っている姿が描かれていて、彼らを見て、ヒーローに憧れる子供たちだけでなく、必死に頑張っている大人の方の活力になってもらえたらいいなと思っています。
――改めて本作の見どころや注目ポイントを教えてください。
岡本:A組のみんなで戦うシーン、戦い方を観てほしいです。そしてA組や敵<ヴィラン>も個性的なキャラがそろっているので、自分の好みや境遇に照らし合わせてみたり、あるいは爆豪嫌いでもいいですけど(笑)、といろいろな楽しみ方ができるのが『ヒロアカ』のいいところなので、推しヒーローを決めて観てもらうともっと楽しめるんじゃないかと思います。
あとA組に瀬呂範太というキャラがいるんですけど、今回の劇場版で人気が出るんじゃないかとスタッフさんと話しています(笑)。
海外でのヒーロー像の変化も世界での人気に追い風も!?
――A組と敵<ヴィラン>入り乱れての戦いなので、様々な個性が楽しめるのはお得感も。
岡本:そう意味では海外の方にも受け入れやすくなっている時代が来たのかなと。今までの海外のヒーローものは例えばたくさんの敵にスーパーマン1人が立ち向かうイメージがありましたが、大ヒットした『アベンジャーズ』では強大な敵にヒーロー複数が協力して戦っていて。それは日本の戦隊ものの形で、海外では受け入れにくい印象がありました。
だから『アベンジャーズ』のヒットによって、『ヒロアカ』も世界発信しやすくなってきたのかなと思っています。と言いながらも既に日本以上に世界で人気になっているのは感じています。
あるイベントでヒューストンに行ったら「勝ちゃん!」と声を掛けてもらったり。
――爆豪的な注目ポイントもご紹介お願いします。
岡本:最大の見どころはラストなので詳しくお伝えできないんですけど……。今までのデクへの接し方とは違うし、今後数年こんな考え方や接し方をデクにすることもないでしょう(笑)。
――では最後に皆さんへメッセージをお願いします。
岡本:もしかしたら熱量が大きすぎる映画なので、特に終盤はずっと拳を握り占めたままになったりと観ているだけでもエネルギーを消費して疲れるかもしれません。
それだけ濃密な時間を過ごせると思うし、一緒に戦うことで明日から頑張ろうと思える映画になっているので、社会に疲れている方にはパワーを、また友達の方と感動を共有していただければうれしいです。
観終わった後には清々しい心地良さや達成感を感じていただけるはずです。
〔写真・Re-Zi〕
映画情報
ストーリー
雪が降り続く冬のある夜。
ヒーロー社会を壊そうと目論む敵<ヴィラン>・死柄木弔たちが、密かに【何か】を運ぼうとしていた。彼らの動きを事前にキャッチしたプロヒーローたちが現場に駆け付け、激しい戦いを繰り広げる。その戦いの中、その【何か】は、仲間とともに去って行った。「実験は、成功した―。」という言葉を残して。
ちょうどその頃、出久たち雄英高校ヒーロー科1年A組の面々は、引退したNo.1ヒーロー・オールマイトの後を継ぐ“次世代のヒーロー育成プロジェクト”の一環として、クラス全員で期間限定の校外ヒーロー活動のために日本のはるか南に位置する離島・那歩島(なぶとう)を訪れていた。
ここしばらく大きな事件が全く起きていない平和な島で、駐在ヒーローとして島の人々の生活を助けながら、忙しく、それでいてのんびりとした時間を過ごす中、出久たちは真幌(まほろ)と活真(かつま)という二人の姉弟と出会う。ヒーローに憧れる活真と早速打ち解ける出久だったが、なぜか真幌は、かたくなに活真を出久たちから遠ざけるのだった。
そんな中、突如謎の敵<ヴィラン>たちが那歩島に襲来、次々と島の施設を破壊していく。それを指揮するのは、「ナイン」。出久、爆豪ら1年A組のメンバーは力を合わせて敵<ヴィラン>に立ち向かうが、ナインの圧倒的な“個性”と力は想像を遥かに超えるものだった。
なぜ、ナインたちは那歩島を襲撃したのか? そして、出久たち1年A組の“ニューヒーロー”たちは、果たして最凶の敵<ヴィラン>から活真と真幌、そして島の人々を守ることができるのか―!?
映画概要
タイトル:僕のヒーローアカデミア THE MOVIE ヒーローズ:ライジング
12月20日(金)全国東宝系にてロードショー!
原作・総監修・キャラクター原案:堀越耕平(集英社「週刊少年ジャンプ」連載)
監督:長崎健司 脚本:黒田洋介 キャラクターデザイン:馬越嘉彦
声の出演:
山下大輝 岡本信彦/梶裕貴 佐倉綾音 石川界人/三宅健太 諏訪部順一
今田美桜 井上芳雄
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