【連載】TVアニメ『アサシンズプライド』最終話放送!声優陣&監督が振り返るこれまでの物語/インタビュー
最終話のCパートに監督が込めた思い
――いよいよ最終話ですが、最終話はいかがでしたか?
楠木:12話は感情でしゃべる部分がとにかく多くて、最初は怒りながら、叫んで、一生懸命戦って、後半は大泣きをするシーンもあったりする。原作にはない、アニメオリジナルの終わり方だったんですけど、いろいろなことを考えました。でもやっぱりメリダのこれまでの過程があった上での感情は大事にしたいと思って演じました。酸欠になりそうになりながら(笑)。
小野:長いところあったね~。あれ、最終話だっけ?
相浦:そこ、うまくハマってますよ(笑)。
楠木:良かったです! クーファと一緒に戦うシーンで、メリダが「ハァーーー」って言うんですけど、台本を見るとこれだけ?って思いました……。
小野:確かに台本だけ見ると、温泉にでも入ってるのかな?って思うね(笑)。
楠木: (笑) でも、ここにインサートがいっぱい入ってくるので長いんですよ。テストでやってみようと思って一瞬で諦めたんですけど(笑)、本番では少し短くしてもらって……。
小野:できるところまで、みたいな感じにして、やり切ってたよね。
楠木:やり切りましたっ!
相浦:最後のかすれた息がすごくうまくハマってましたよ。
楠木:早く見たいです! 自分もメリダとシンクロして感情大解放してやらせていただいたので、消費カロリーはハンパなかったです。
相浦:1話からここまで、12話という尺の中で、原作にていねいに描かれているところをアニメで表現できた部分って少ないんですね。メリダは、クーファから色々と教えてもらいながら頑張って特訓しているんだけど、それが描けなかったことに、僕はすごく後悔の気持ちを持っていたんです。
だったらここのインサートで、そういう日々を思い出してもらって、あとは感情のまま「ハァーーー」と言ってもらおうと。なのでそのシーンが見ている方に上手く伝わっていればいいなと思ってます。
石川:12話って、メリダがメインのお話なんですけど、エリーゼはエリーゼで、本当にメリダが好きなんだなっていうのがめちゃめちゃ感じられるんです。最初はとにかく「リタ……」しか言ってないんですけど(笑)。
相浦:僕は「よくもリタを苦しめたな」って言うところは好きですよ。
石川:リタを傷つける者は私がやっつけるじゃないですけど、ミュールの本当の気持ちも見抜いているし、ミュールがメリダのことを好きな上で敵対しているのもわかっているけど、私はメリダの味方として戦うと決めているところとか。とにかくエリーゼのメリダ好きが発揮された回だったと思います。
――まさにそうですよね。こんなに心強い味方はいないです。小野さんはいかがですか?
小野:12話だと、最後お父さんに認められたところは良かったなぁと思いました。そのためにメリダはやってきたところがありますから。振り向かせたいというか。そこでアニメなりのひとつの答えが見られたのは良かったと思います。
楠木:「メリノアによく似ている」って言われたときは、すごく嬉しかったと思いますし、私も嬉しかったです。
相浦:そこのオリジナルシーンは、僕が先生に頼みました。アニメは一応これからも続くという終わり方をするんだけど、どこかでメリダちゃんにひとつ区切りを付けたいなと思ったので、泣いてもらおうと思ったんです。
これまでメリダって涙は見せるけど、泣くことをどこか我慢しているところがあって、それを印象づけてはいたんです。だから、ここで子供っぽくボロボロ泣いてもらうことがメリダちゃんの気持ちの解放なのかなと思って、先生と話し合って、ああいう変更になったんです。
そこでエンディングが流れるというのが、ひとつの山を越えて終わったという感じで見られていいなと。それとエンディングの最後にメリダが椅子に座ってクーファが目を逸らしている絵があったと思うんですけど、ラストはふたりとも正面を向いてニッコリしてます。
楠木:えーー!!
相浦:そのままCパートの、メリダちゃんがみんなとニコニコしながら撮られた写真が入っている写真立てに入れ替わっていくという演出にしました。
女性陣:早く見たい!!
薮内:でも、Cパートで、早く学校に行く支度をしないと、みたいなところから始まるシーンが、1話のクーファが初めてメリダに出会うシーンの流れと似ていて、1話でも登場した猫の家族が増えているんですよね。そこで二人の関係が進んでいるんだなって思ったし、同じ状況だけど違うものが描かれて終わるのが素敵だなって思いました。
小野:猫再登場したね!
薮内:子猫もいて。
相浦:それは僕が出したいと言ったんです。メリダちゃんやエリーゼ含めて、そこだけ描いていると時間が動いている感じがあまりしない気がして。メリダちゃんが頑張っている世界というのも時間が流れているんだよというのを見せたくて、ゲストを呼びたいなと思ったとき、猫にしようと。それでメリダちゃんの足をくんくんするのは、メリダちゃんにクーファの匂いが染み付いているんですよっていう僕からのメッセージです。
**女性陣:クーファ先生(興奮気味)!!
相浦:黒猫はクーファの匂いで寄ってきたという暗示ですね。みんなもそう思ってくれたのかな?っていう。
小野:クーファが伝えてきたものすべてが、メリダからにじみ出ているんですね。
相浦:だからクーファが歩いてきたところをメリダちゃんにも歩いてきてもらって、ガラスに写り込んだところも同じにするというのは、1話を作っている段階で決めていたんですよ。
〔文&写真・塚越淳一〕
TVアニメ『アサシンズプライド』作品情報
放送・配信情報
10月10日(木)より放送開始!
TOKYO MX:毎週木曜24:00~
サンテレビ:毎週木曜24:30~
BS日テレ:毎週木曜25:00~
AT-X:毎週木曜23:30~
※リピート放送:毎週(土)15:30/毎週(日)8:00/毎週(水)7:30
※週1話ずつ4回放送
U-NEXTで独占配信 10月10日よりスタート予定
ストーリー
マナという能力を持つ貴族が、人類を守る責務を負う世界。
能力者の養成校に通う貴族でありながら、マナを持たない特異な少女メリダ=アンジェル。彼女の才能を見出すため、家庭教師としてクーファ=ヴァンピールが派遣される。『彼女に才なき場合、暗殺する』という任務を背負い――。
能力が全ての社会、報われぬ努力を続けるメリダに、クーファは残酷な決断を下そうとするのだが……。
「オレに命を預けてみませんか」
暗殺者でもなく教師でもない暗殺教師の矜持(プライド)にかけて、少女の価値を世界に示せ!
スタッフ
原作:天城ケイ(ファンタジア文庫)
原作イラスト:ニノモトニノ
監督:相浦和也
構成:赤尾でこ
キャラクターデザイン・総作画監督:吉川真帆
美術監督:松本実希子(スタジオ風雅)
色彩設計:小山知子(Fine Colors)
撮影監督:宮坂凌平(レアトリック)
CG監督:柴田渉(EMT2)
編集:瀧川三智(リアル・ティ)
音響監督:本山哲
音響制作:HALF H・P STUDIO
制作:EMTスクエアード
キャスト
クーファ=ヴァンピール:小野友樹
メリダ=アンジェル:楠木ともり
エリーゼ=アンジェル:石川由依
ロゼッティ=プリケット:薮内満里奈
ネルヴァ=マルティーリョ:佐倉綾音
ミュール=ラ・モール:内田真礼
サラシャ=シクザール:和氣あずみ
ほか
音楽情報
<OP主題歌>
Share the light / Run Girls, Run!
作詞 : 只野菜摘
作曲・編曲 : 田中秀和(MONACA)
<ED主題歌>
/ メリダ=アンジェル(楠木ともり)
作詞 : 只野菜摘
作曲・編曲 : 高橋邦幸(MONACA)
<サウンドトラック>
アサシンズプライド オリジナルサウンドトラック
アーティスト:MONACA
価格:3,000円+税
発売日:2020年1月29日(水)
アーティスト:MONACA
収録内容:作品を彩る劇中BGMを約40曲収録予定
Blu-ray情報
アサシンズプライド Vol.1 商品情報
発売日:2019年12月20日(金)
価格:14,000円+税
形態:Blu-ray Disc
収録内容:第1話~第4話 + 特典映像
【初回仕様】
◆原作イラスト:ニノモトニノ描き下ろしジャケット
【初回封入特典】
◆原作者:天城ケイ書き下ろし小説
◆特製ブックレット
アサシンズプライド Vol.2 商品情報
発売日:2020年2月28日(金)
価格:14,000円+税
形態:Blu-ray Disc
収録内容:第5話~第8話 + 特典映像
【初回仕様】
◆原作イラスト:ニノモトニノ描き下ろしジャケット
【初回封入特典】
◆原作者:天城ケイ書き下ろし小説
◆特製ブックレット
アサシンズプライド Vol.3 商品情報
発売日:2020年3月27日(金)
価格:14,000円+税
形態:Blu-ray Disc
収録内容:第9話~第12話 + 特典映像
【初回仕様】
◆原作イラスト:ニノモトニノ描き下ろしジャケット
【初回封入特典】
◆原作者:天城ケイ書き下ろし小説
◆特製ブックレット