【連載Vol.02】TVアニメ『群れなせ!シートン学園』座談会!久野美咲×小原好美×徳井青空|玄田哲章さんのナレーションにも注目を!
衝撃的だった鳴き声で次回予告。久野さんはハダカデバネズミの登場シーンがお気に入り!?
――掲載時には4話までオンエアされていますが、振り返ってみての感想とお気に入りのシーンを教えてください。
徳井:本編が終わった後の次回予告がとても印象深いです。最初、第2話の予告をアフレコさせていただいたんですけど。
久野:ちょうどこの3人でしたよね?
徳井:そうそう! 原稿をいただいた時はちゃんとセリフが日本語で書いてあったので、「なるほど。こういう掛け合いになるんだ!」と予習しておいたら、現場で「全部動物の鳴き声でお願いします」と言われて「え~っ!?」ってなりました。
心の中でセリフを読みながらも発する声は、「ニャオ」みたいな鳴き声だったのですごく記憶に残っています。猫の鳴き声はまだ想像がつくと思うけど、他の動物たち、特にナマケモノはどう鳴くんだろうと……。
小原:私も「どういうこと!?」って思いました。(笑) OP曲のレコーディング用で、事前に動物たちの鳴き声のデータをいただいたんですけど、ナマケモノは猫やコアラとは違って雄叫びみたいな鳴き声で。
だからこの予告でも「普段騒げない分、ここで騒いでいいよ」ということなんだろうと思って、やり切りました。
本編については、どの作品でも3話くらいでだいたいのキャラクターが登場して落ち着くものですが、この作品に関しては全然落ち着かなくて。(笑)新しいキャラクターがどんどん登場し続けるので、そこもおもしろいです。
各話で新キャラクターをクローズアップしつつも、主要キャラクターの良さも随所に描かれているので、1話からご覧の方はもちろん、途中から見る方も楽しめるようになっていると思います。
原作もにぎやかですが、アニメの脚本や構成も素晴らしくて、1話の中で何匹も新キャラクターが登場する話もあるので、何回も見直したくなりますよね。
久野:色々なキャラクターがいますが、原作を読んでいる時から、「生徒会のハダカデバネズミさんたち(♂)はアニメではどう描かれるんだろう?」とワクワクしていました。
アフレコではキャストの男性陣が一斉に声をあててらっしゃるんですけど、ハダカデバネズミさんたちが出てくるシーンはみんなかわいくて。小動物の狂暴さもありつつ、コミカルさもあって、彼らが登場するシーンはお気に入りです。
――ちなみに徳井さんの本編のお気に入りシーンも教えてもらえますか?(笑)
徳井:やっぱり初登場の2話が想い出深いですね。自分の当番回ということもあるし、個人的にナマケモノが好きなので、ミユビが頑張っている姿が愛おしかったです。
OP曲はさわやかだったデモから突如カオスに……!? 様々なキャラクターも鳴き声で参加!
――皆さんはOP曲「学園壮観Zoo」も歌唱されていますが、曲の印象とどんなレコーディングだったのか、教えてください。
徳井:仮歌をいただいた時は、子供たちが思わず歌いたくなるような、子供たちと動物たちみたいな、さわやかで素敵な曲という印象でした。
仮歌を歌っている方も男性と女性の二人で、まさに歌のお兄さんとお姉さんそのままで、「これでいいじゃん!」と思うくらい、楽しそうに歌われていたんです。
そして私のレコーディング順は最後だったので、他の皆さんの声がすでに入っている音源を聴いたのですが、全然違う、カオスな状態になっていて。「これは子供向けじゃない!」と思うくらい、だいぶとがった歌になっていてびっくりしました(笑)。
この取材の時点ではまだ完成形を聴いていませんが、私が聴いた状態ではちゃんと“歌”を歌ってる人もいれば、呪文を唱えているような人もいて……。
小原:それは私(ミユビ)です。
徳井:ですよね(笑)。それを聴いて、「どう歌ったらいいんだろう?」と戸惑いましたが、明るく楽しく歌わせていただきました。
久野:初めてレコーディングの資料をいただいた時の印象は、すごく賑やかな曲で、作品のワイワイガヤガヤした雰囲気がそのまま歌になっていて、「このOP曲から本編が始まるんだ」とワクワクしました。
レコーディングはジン役の石谷(春貴)さんが最初で私が2番目だったので、男性パートの音源しかない状態で歌わせていただいて。
料理部はみんな違った個性があるので、「どうしたらみんなを引き立てることができるかな?」とバランスを考えつつ、ユカリらしさを出そうと思って、臨ませていただきました。
「自由にやってください」というディレクションだったので、歌詞もセリフ口調にしてみたり、ユカリの個性を出すためにわざと崩して歌ったりしました。私自身もユカリになりきって楽しんで収録できたので、全員の歌と鳴き声が入った完成版を聴くのが楽しみです。
徳井:そういえば最後に、「鳴き声をください」と言われて、「ニャオニャオ」みたいな鳴き声も収録した気がします。途中でふと「私、何をしているんだろう…?」と思ったりもして(笑)。
久野:動物の鳴き声がいくつも足されるということで、歌唱パートがないキャストさんたちもアフレコ現場で鳴き声を録っていらっしゃいました。きっと動物園みたいな感じの曲になるんじゃないかと思います。
レコーディングを期待していた小原さんに告げられた悲しいお知らせ!?
――心なしか小原さんの顔が赤くなっているような……。
小原:お二人と共通しているのはキャラクターになりきったことだけですね。歌のお仕事でここまで歯がゆい想いをしたのは初めてでした(笑)。
仮歌がすごく完成されていたので、これをベースに私たちはどう歌うんだろうとものすごく楽しみにしながら、いっぱい練習もしました。
そしてレコーディングに行って、収録を終えた方たちの歌が入った音源を聴いたらまったく違う雰囲気になっていて。完全にキャラクターとして歌ってもらっていますと説明されて、実際それぞれのキャラクターのアドリブも入っていたりもして。
ミユビは一番セリフが少なくて、しゃべったり、動き過ぎると死んじゃうキャラクターなのでどうなるのか予想がつきませんでしたが、みんなが2番を歌い始めたころに、歌い出しの1行目が歌い終わるくらいのスローペースで…。
歌というより呪いのような。歌詞をゆっくりと言って死んで、の繰り返しで。ナマケモノっぽさはあるけど、ノリノリで歌い終わったという感覚はなくて。みなさんに対しての申し訳なさが…。
久野:そんなことないよ! ミユビが一生懸命歌ってるのは、みんなにもちゃんと伝わると思うから(笑)!
小原:ありがとうございます(笑)! あと、「私も歌いたい!」という気持ちもあったので少し複雑ではありました。でもスタッフさんたちを見たら「それで合ってますよ!」とアイコンタクトをいただいて、あぁこれでいいんだと(笑)。
それに、歌と鳴き声の音声を合わせた音源を聴かせていただいたら、この作品の良さが伝わる楽曲になっていたので、やっぱり正解はこっちなんだと思うことができました。
でも、そのあとスタッフさんが「このままだと呪いの歌みたいになっちゃうので、いい感じに編集するから安心してください」っておっしゃっていて(笑)。たしかに、本当に座敷わらしがいるみたいな感じです。
久野:え!?座敷わらし(笑)!?
徳井:確かにメロディの後ろにゆっくりといますよね。わりと物語の中で口数が少ないキャラクターもキャラソンの時は、メロディもちゃんと歌うじゃないですか!? 「これは前代未聞だ」だと思うほど斬新です。
久野:なんだかミユビだけのパートも聴きたくなってきたよ!
小原:ユカリちゃんとのパートは2匹だけなので、ここはちゃんと歌うだろうと思いきや、「大丈夫です。そのことも踏まえた上でユカリにちゃんと歌ってもらったから心配しないでください。軸はユカリが歌ってくれているので、ミユビは適当で大丈夫です!」とスタッフさんに言われまして…(笑)。
一同:(笑)
徳井:でもやっぱりこの作品でなければ、こういうチャレンジはできないと思います。