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『ID:INVADED』津田健次郎×あおきえい×碇谷敦が4〜6話を振り返る

冬アニメ『ID:INVADED イド:インヴェイデッド』津田健次郎×あおきえい×碇谷敦が4〜6話を振り返る|「ロジックや理屈を超えた“感覚的”な回」

現在放送中の冬アニメ『ID:INVADED イド:インヴェイデッド』。アニメイトタイムズでは放送前インタビューのほか、1~3話の振り返り記事も配信して『イド』の世界をより深くお届けしています。

今回は、前回に引き続き津田健次郎さん、あおきえい監督、碇谷敦さん(キャラクターデザイン)が登場。4~6話についてお話を伺いました。

『カリ城』をイメージした碇谷さん演出回

――4〜6話は、全話にわたり「墓掘り」にまつわるエピソードでした。4話では模倣犯の大野原平が捕まるまでを描いていましたが、やはり井戸が印象的でしたね。

碇谷敦さん(以下、碇谷):実は、僕がコンテ演出を担当したのが4話なんです。この回は、シナリオの段階から「やばいな」と思っていました。燃えている家が増殖しながら伸びていくってどうするの?って。そうしたら、あおきさんから家のイメージをもらったんですよ。なんでしたっけ? 九龍城じゃなくて……。

あおきえいさん(以下、あおき):益昌大廈(えきしょうたいか)っていう、香港のインスタ映えスポットにもなっていたマンションですね。向かい合って建っていてかなり威圧感のある建物なんですけれど、これならシナリオのイメージを壊さずいける気がすると。

――ともあれ、井戸のように何でもありの世界だと文字を絵に起こす作業はとくに難しそうです。

あおき:しかも、一番最初のシナリオではマンションでもなかったんです。草原に小さな平屋の家があって、そこに酒井戸が入るとどこかの部屋で火事が起こっている。そこで、火元の部屋に入ると今までになかった部屋が現れて、窓を開けると平屋だったはずのそこが3階か4階になっているという。

――気づかないうちに周囲の状況が変化しているんですね。

あおき:それはさすがにアニメだと難しいんですよ。そのギミックが謎の解明や犯人の心理とリンクするわけでもないですし。

碇谷:しかも燃えているんですもんね。

あおき:そう。単純に3Dにしたとしても、モデリングを何体作ればいいんだろうというくらい現実的ではなかったので、マンションが増殖していくという設定にしました。それでも大変なんですが、制作現場的になんとかなりますしなによりカッコいい絵になるなと思いました。

碇谷:あと、増殖するマンションのなかで酒井戸が少女を助けに行くシーンがあったじゃないですか。

――助けるシーンと言うと、MIYAVIさんの挿入歌「Samurai 45」がかかっていたところですね。

碇谷:そうです。あのシーンはシナリオだと2行くらいで完結していたんです。助けに向かって、救い出すという感じで。なんですけど、あおきさんから「もっとドラマチックに」って言われて。少女(被害者・菊池桂子の少女期)を救うため、ギリギリの状況を駆け抜ける酒井戸を描きました。

あおき:いくつか展開があった方が、救ったときの達成感が違うんです。

碇谷:僕の中で、あのシーンは『ルパン三世 カリオストロの城』のルパン。そんなイメージで作っていました。

 

土台がしっかりしている安心感

――酒井戸がいつも以上に動くアクション回でしたが、津田さんは4話をどんなふうに演じましたか?

津田健次郎さん(以下、津田):僕の中では3話がすごく大きくて、あの回で掴んだという手応えがあったんですね。それまでも特別探っているつもりはなかったんですが、本質的なところは掴みきれていなかったのかなと思っていたんです。だけど、3話で作品のカラーやキャラクター、お芝居のスタイルの全部がキチッと定まった感じでした。4話はさらにスムーズに乗っかっていけたなという思いがありますね。

――4話ではまた鳴瓢と百貴の会話シーンがありましたね。

津田:ありましたね。

碇谷:ここだからいいますが、その会話シーンのように鳴瓢が長くしゃべるところは口パクが見えないようにしていました。どんな芝居が入ってもいいように。

津田:僕のせいだ(笑)。

一同:爆笑


――前回のインタビューであったお話ですね。鳴瓢と冬川の会話シーンは絵ができていたけど無視して収録したと。

あおき:良い芝居して欲しいですからね。見えなかったら勝手にやっていいって思うでしょうし。

津田:そうですね。最初から自由でしたけれど、さらに自由にやらせてもらえました。絵もキャラクターも脚本もしっかりしていて、演出も面白いアニメですから、ここまで土台がしっかりしていれば何をしようが崩れないんじゃないかっていう安心感があります。

――改めて、幸せな現場ですね。

津田:はい。幸せな現場なんです。

碇谷:4話はコンテ演出をやらせてもらったので、ブレス(息つぎ)も考えてセリフを入れていくんですけど、3話を見て「そこまで細かく合わせなくていいかも」「頭とケツさえ合えばいいや」って思いました。あおきさんに怒られなければ(笑)。

あおき:僕も実は最終話はそうやってました。あとで合わせるからって(笑)。

碇谷:あと、編集のときにもすでにオールカラーだったんですよ。なので1コマ単位で切ることができました。

あおき:そうそう、『イド』は編集の仕方が変わっているんです。アフレコでVを作らなければいけないので一回編集するんですけど、そこでテレビの尺を出さずただ素材を繋ぐだけにしています。で、アフレコで声を入れていただいたら、定尺を出すためにもっと細かくつまんでいく。そのほうが、間尺を正確に出せるんですよね。役者さんの間を優先して伸ばしたり詰めたり出来る。

――絵だけでなく、編集も芝居に対応していたんですね。

(C)IDDU/ID:INVADED Society
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