TVアニメ『マギアレコード』リレーインタビュー:二葉さな 役 小倉 唯 「二葉さなは私の分身、彼女の変化が、わが子のように嬉しかった」
アフレコ現場で感じた緊張と楽しさ
――物語が進むにつれ、さなもまわりの仲間によって変化していきますね。
小倉:最初は「悩み」から始まっていくさなですが、みかづき荘のみんなに出会い、(環)いろはが自分にとって大切な存在だということに気づいてから、きっと「この人たちだったら信頼しても良いんだ」という変化を遂げていきました。時間をかけて、人を信頼することを彼女は学ぶことができたんじゃないかな。
いままではずっと「受け身」だったさなが途中から「自分から発信できる女の子」に変わっていくんですよね。そういう変化が訪れてからは、バトルシーンでも、積極的にいろはたちを守ろうとする強い一面が見えたり。人一倍辛い経験を積んでいるからこそのたくましさもあって。チームのメンバーとしては、縁の下の力持ちのような立場だと思います。
――アニメで、環いろはをはじめとする魔法少女たちと掛け合ってみて、どんな手応えを感じましたか?
小倉:今までも、ドラマCDは一緒に収録したりしていたので、アニメで初めて、というわけではなかったんですが。ドラマCDはサイドストーリーや日常会話の要素が強いんですよね。だから、殺伐としたシーンやシリアスなシーンはあまりなかったんです。そういった意味では、アニメでのアフレコは新鮮でしたし、迫力や緊張感も高まっていくので、それぞれのお芝居につながっていく感じがあってとても楽しかったです。
――アフレコの現場のようすはいかがでしたか?
小倉:名だたるキャストの方々が参加されていて、台本をいただくと、夢のような香盤表(台本に記された出演者リスト)になっていたんです。それを見ると緊張感も漂いますが、同時に少し幸せな気持ちになれました。
現場では、先輩たちがいろいろなお話をしてくださったり、同世代の仲の良いメンバーがそろっていたので、女子高チックな雰囲気もありましたね。みんなでわきあいあいと、現場のウワサ話をしたりして(笑)。ガールズトークに花を咲かせていました。
――そんなところにウワサが! 緊張感もありながら、楽しい現場だったんですね。
小倉:はい。話数によっては、メインキャスト陣が作品を背負っている緊張感もありましたが、席の近いキャスト同士では差し入れのお団子を食べながらおしゃべりしたり。基本的には和やかで楽しい現場でしたね。
――オンエアされているアニメ『マギアレコード』では、魔女の結界空間など『魔法少女まどか☆マギカ』らしい映像演出が受け継がれています。こちらはどんな印象がありますか。
小倉:収録していたときは、まだどんな絵になるのかわからない部分もありました。でも、オンエアされた映像を見ると、想像以上のクオリティで。かなりの衝撃を受けました。スタッフのみなさんの気合も感じましたし、これは一種の『魔法少女まどか☆マギカ』ブランドなんだなと思いました。
――新しい魔法少女たちが『魔法少女まどか☆マギカ』ブランドの敵や空間と戦うことで、新しい魅力が生まれている気がします。
小倉:そうですね。音響監督の鶴岡(陽太)さんが「声に(絵を)合わせるから、絵には引っ張られなくて良い」とおっしゃってくださったんです。だから、私たちも想像を膨らませながら、声を付けていたところもあって。それもすごく挑戦的でした。