TVアニメ『ダーウィンズゲーム』原作者 FLIPFLOPs(深山秀、高畑ゆき)インタビュー|自分たちの原点をあらためて見直すことができたTVアニメ化
現在、絶賛放送中のTVアニメ『ダーウィンズゲーム』。原作のFLIPFLOPsのおふたり(深山秀、高畑ゆき)に、原作漫画『ダーウィンズゲーム』とTVアニメができあがるまでのメイキング秘話を伺いました。
「自分たちの原点をあらためて見直すことができたTVアニメ化」
――現在、絶賛放送中のTVアニメ『ダーウィンズゲーム』ですが、この作品の原作コミックは2013年に連載を始めた作品です。そもそも『ダーウィンズゲーム』という作品はどのように誕生したのでしょうか。
深山:最初は、ふたりで雑談みたいな感じで企画を考えていったんです。
高畑:「どうしようか?」「だったら、こういうのは?」みたいなやり取りをしながら、たわいもないところからアイデアが出てきて……『ダーウィンズゲーム』の企画は、固まるまで紆余曲折がありました。たしか最初は全然違う内容だったんですよね。
深山:前作でオムニバス的な作品を書いたときに、自分たちの得意なものは「登場人物同士の駆け引き」だと感じたんですね。
人々の思惑が交錯してドラマを盛り上げていく作品が良いだろうと。そこから色々検討しまして、最終的に「異能バトルもの」で企画を進めたんです。
高畑:その方向性が決まってから、今の形になるまでも結構時間がかかったんですよ。ヒロインがシュカに決まる前は、異能〈シギル〉を与える女の子がヒロインだった時期もあって、ラフのキャラクターを描いたこともありました。
深山:色付きで描いてもらったよね。イメージボードのようなイラストも描いてもらって。最初はそういう異能〈シギル〉を与える女の子と、異能をもらった男の子のコンビで戦っていくという話をしていきました。
高畑:結果的にそのヒロインは変遷してシュカになっていったんですけど……。
深山:「ダーウィンズゲーム」というタイトルが早い段階で決まったんです。タイトルが決まると、作品の骨格が見えてくる。それで今の方向性の作品になりました。
――キャラクターはどのように作っていったのでしょうか。
高畑:最初にできたキャラクターはカナメとシュカです。……というか連載開始前はこのふたりしか決まっていませんでした。
深山:カナメは最初「ダーウィンズゲーム」に巻き込まれる形で描かれますが、積極的で度胸もあって理不尽な状況に立ち向かって変えていけるキャラクターとして考えていました。
シュカは一番苦労したキャラクターですね。ひと筋縄ではいかないキャラクターなんですよ。自分たちも最初はつかめて掴めていなくて、書いていくうちにイメージが固まっていきました。
自分のシナリオの作り方にも繋がる話なんですが、自分はゲーム盤にコマを置くように、物語の舞台をまず設定して、そこでキャラクターがどう動くのかを想像しながら、シナリオを書くんです。
カナメはけっこう動くキャラクターでしたし、シュカはカナメとの関係でュカはカナメとの関係性でだんだん見えてきたところがあります。
――連載中から、いつか映像化をしてみたいという気持ちはあったんですか?
深山:野望としては持っていましたね(笑)「ダーウィンズゲーム」の企画がだんだん固まってきて、これはイケるかもしれないと手ごたえはあったんです。これだったら映像化まで行けるかも……という皮算用は勝手にしていました。
高畑:まあ、連載開始前から目標としたところですし、今回決まったことは本当にありがたいです。
――今回のTVアニメ化では、深山さん自らがシリーズ構成・脚本を担当されています。これはどんな経緯で決まったのでしょうか。
深山:最初から自分が脚本を書くつもりでした。この作品は連載開始が7年前なので、今の自分たちだったら「こう見せたい」という想いがあって。原作にはやり残したことがあったんですよ。どうせ変えるのなら大胆に変えてしまいたかった。
高畑:TVアニメは「今だったら、こうするよ」というものになっていると思います。
深山:あとTVシリーズでオンエアする以上、尺(放送話数と放送時間)の問題があるので、原作の分量はどうしても収まらない。
脚本家さんに調整をお任せすると、カットすることが中心になってしまうと思ったんですよね。カットするだけじゃなくて、魅力を足すような調整ができないかと。
それなら自分が書いたほうが早いかもしれないという目論味もあって、こちらからお願いしました。
高畑:今回は積極的にTVアニメに関わっていこうと決めていたので。アフレコ、ダビング(音響編集)にも顔を出させていただいています。
スタッフ、キャストのみなさんの仕事ぶりがすごくて。現場にお邪魔するたびにテンションが上がって、原作の執筆も頑張ろうと思えます。
――第1話は1時間のボリュームあるものでした。
高畑:最初にプロデューサーさんから1時間でシュカのエピソードまでやりたいと話があったんです。
深山:ここまで描けるとカナメがしっかり活躍できるし、『ダーウィンズゲーム』の内容がわかるかなと。どうしても緒戦ではカナメはラッキーで勝つので、『ダーウィンズゲーム』だとこういう作品なのかなと思われかねないですからね(笑)。
そこでカナメが自分の意志で勝つところまでをアニメの第1話で入れるのが良いだろうと思っていました。でも原作では2巻のエピソードまでアニメの第1話でやるということなので、かなり大胆な構成になるなと思っていました。
――あれは原作者が脚本を書かないとできない構成でしたね。
深山:今回のTVアニメ化では、もっといろいろな要素を落とそう(カットする)と思ったんです。
刑事側の要素などは当初からカットするつもりだったんですが、プロデューサー側からカットして欲しくないというキャラクターがいたり、アニメ的な見せ場になるシーンは残してほしいというリクエストがあって。かなり原作に近い内容になっています。
――TVアニメと同時並行で、原作の連載も続いています。単行本は現在19巻、まもなく20巻の発売も予定されています。アニメでは連載初期の内容を再構成し、原作の連載では新しい展開を描いていらっしゃることになるわけですね。
高畑:今回TVアニメに関わったことで、原作の初期をあらためて読み返したんです。そのうえでできあがったTVアニメの第1話を見て。自分たちの原点をあらためて見直すことができました。カナメってこうだったね、と。それは自分たちにすごく良い影響を与えていると思います。
深山:7年間かけて連載して、今回TVアニメ化もしていただいて、自分たちの漫画家としての姿勢も作品に対する考え方も変わってきました。
より「少年マンガ」というものに寄せている感じがあります。初期の『ダーウィンズゲーム』はそれこそ「青年漫画誌」に載せても違和感がない内容だったと思うんです。
当初、高畑にオーダーした絵も、シリアスでリアルな「青年漫画誌」寄りのものでしたから。でも、描いていくうちに、今のノリになっていったんだと思います。
高畑:カナメというキャラクターが作品に浸透してきて、描かれる内容も変わってきましたね。
深山:そういう意味でも、カナメの成長譚になりましたね。自分としても、連載を重ねるごとにどんどん書きやすくなってきていると思います。
高畑:アニメに力をいただいて、連載を続けていきたいと思います。
――最後にファンの方にメッセージをお願いします。
深山:スタッフ、キャストさん方のお力で、アニメは非常にいい仕上がりになっていて、視聴者の皆さんにも楽しんで頂けていると思います。漫画ともども応援よろしくお願いします。
高山:『ダーウィンズゲーム』をTVアニメで初体験した方も、TVアニメ化の報を目にして「この漫画、昔読んでた!懐かし~」と思い出した方にも、原作漫画『ダーウィンズゲーム』は2020年現在も絶賛連載中でございます!(笑) アニメ版ストーリーの後もまだまだ続く、カナメ達の波乱万丈の戦いをぜひ応援していただけたら嬉しいです!
TVアニメ『ダーウィンズゲーム』
TOKYO MX、群馬テレビ、とちぎテレビ、読売テレビ、テレビ愛知、BS11、AT-X、長崎文化放送にて、毎週金曜日24時~ほかにて放送中!
AbemaTVにて地上波同時・独占先行配信中、他各配信サイトでも配信中!
Blu-ray&DVD、3/25より全6巻にて発売決定!
◆ダーウィンズゲーム 1
完全生産限定版
2020.3.25 RELEASE
Blu-ray:¥7,000(+tax)/ANZX-14941~14942
DVD:¥6,000(+tax)/ANZB-14941~14942
【収録話数】
第1話「初陣(ファーストゲーム)」
【完全生産限定版特典】
◆無料トークイベント応募券<応募締切2020年4月30日(木)23:59>
◆第1巻・第2巻連動「ダーウィンズゲームTV」公開収録 無料応募券<応募締切2020年5月13日(水)23:59>
◆キャラクターデザイン・中西和也描き下ろしデジジャケット
◆特製ブックレット(原作者・FLIPFLOPs描き下ろし漫画掲載)
◆特典ドラマCD:「カナメの異能(シギル)」
<出演 スドウカナメ:小林裕介/シュカ:上田麗奈>
倉庫でのバトルを終え、シュカと不思議な同盟関係になったカナメ。ある日、シュカから「異能(シギル)の“特訓”をする」と呼び出しを受ける。“特訓”のために向かったその場所は、予想だにしない場所だった―。
◆ノンクレジットOP
◆WEB予告<第2話>
◆特製トランプ9枚
※商品の特典および仕様は予告なく変更になる場合がございます。
▼アニメイト通販での購入はこちら