VTuber界初の全国Zeppツアーが札幌から開幕!『にじさんじ JAPAN TOUR 2020 Shout in the Rainbow!』開幕札幌公演レポート|出演:御伽原江良、童田明治、物述有栖、緑仙、シスター・クレア
歌が上手すぎる11歳、童田の夢の初ステージ
同じ「にじさんじSEEDs」出身の同期で仲の良いシスター・クレアと緑仙は、歌声の相性も抜群。シスターのソロに続いて、『愛欲のプリズナー』『十三番目の黙示録』と2曲続けて、鏡音リン、鏡音レンの曲でデュエットを披露した。
2曲ともストーリー性の強い楽曲で、映像演出も含めて、まるで歌劇のようなステージを展開。『愛欲のプリズナー』では、緑仙の色気のある低音とシスターの澄んだ高音のハーモニーに聴き入ってしまった。
そんな中、時折挟まる緑仙のブレスの生っぽさと、曲を締めくくるシスターの妖艶な笑い声にドキッとさせられる。『十三番目の黙示録』では低音と高音を自在に切り替える緑仙の音域の広さを実感。
その上の高音を響かせるシスター。歌動画も公開している2人だが、ライブでまた観たいと強く思うデュエットだった。
同期デュエットの余韻がまだ残る中、ステージに登場したのは、この日が3Dモデル初お披露目の童田明治。初めて観る3D童田の可愛さに歓声が湧く中、同名アニメの主題歌である『境界の彼方』を歌い始めると、歓声がさらに高まった。
歌唱力の高い童田の音楽ライブ出演を待ちわびていたファンが多かった証拠だろう。声優の中でもトップクラスの歌唱力を持つ茅原実里の持ち歌を悠々と楽しげに歌う姿を観ていると、「あれ? この曲、意外と難しくないのかな?」と勘違いしそうなほど。
強く安定したまま伸びる高音は、まるでCD音源だ。別の曲だが、YouTubeのAIが童田の歌ってみた動画を原曲の流用だと誤認識したらしいというエピソードにも改めて納得だ。
他の出演者も合流してMCパートでは、なぜか全員で組み体操の扇を披露。会場も謎の盛り上がりを見せた。
5人がステージを去ると、VTuberならではの超早着替えで、ワンピース&サスペンダースカート姿になった物述有栖が登場。サプライズで新衣装の3Dモデルが披露された。
清楚さとともにJKらしさもさらに増した物述は、ステージを走りながら、GUMIの『セツナトリップ』を歌う。冒頭に歌った2曲のステージからは、衣装だけでなくパフォーマンスまでガラリと変えてきた。
「がぶりえら」も3Dモデルで初ステージ
続いて童田が再登場。「chu chu yeah! please me!」のコールでも人気の『小林さんちのメイドラゴン』のオープニング曲『青空のラプソディ』を熱唱した。
キーの高い難曲も平然と歌い、サビの可愛いダンスもMVを完コピ。元気にステージを動き回る。「手を叩いてー」などの客煽りも巧みで、初ライブとは思えない完成度の楽しいステージだった。
そのまま童田が「PAN-PAN PUNCH☆MIND PAN-PAN-PAN-PAN パンチ☆マインド」とリズムに乗って歌い始めると、御伽原も合流してハイタッチ。
仲良し2人組のユニット「がぶりえら」が初ステージの曲に選んだのは、『あんハピ♪』のオープニング曲『PUNCH☆MIND☆HAPPINESS』だ。ユニークな歌詞と耳に残るメロディで人気の曲を楽しそうに全身で踊りながら歌う。ラスサビ前には2人で抱き合う姿も見られた。
御伽原のソロ曲、3曲目はHoneyWorksの『ファンサ』。アイドルのファンへの思いが込められている曲で、VTuber界でも人気の曲だ。
ファンを楽しませるためにいつも全力で、さまざまな壁も乗り越えて人気者となった御伽原が「やれること何でもします NG無しで体当たり挑戦」「だから辞めない 負けず嫌い私はいる」といった詞を歌っていると、御伽原のオリジナル曲のような気さえした。
5人揃ってのMCでは、物述が4月からテレビ東京で放送されるVTuberドラマ『四月一日さん家の』の第2期にレギュラー出演することが発表された。
さらに、このツアーのレギュラー企画として、出演者全員でお題に沿った即興のお芝居をすることに。そのお題を決めたのは、4月5日に開催されるツアーの追加公演に出演する月ノ美兎、樋口楓、静凛、森中花咲、鈴鹿詩子、モイラの6人。
メンバーを代表して動画で樋口が発表したお題は、「中世騎士ものBL」。各キャラの設定も過多で、かなりの無茶振りだったが、司会の緑仙を中心に5人は何とか演じきり、会場の観客の投票で決めるMVPには童田が選ばれた。