春アニメ『啄木鳥探偵處』に出演する『キミコエ・オーディション』見届け人の津田健次郎さんと受賞者・林 幸矢さん＆古沢勇人さん座談会│オーディション参加者は「過去の自分」。厳しくとも役者の先輩としてアドバイスを

数多くの映像作品を手掛けてきた東北新社による「声」の表現者の発掘を目的とした『キミコエ・オーディション』。第1回の2016年は女性声優候補を募集していましたが、2018年の第2回では男性声優候補を募集し、1,200人の応募者の中からグランプリ受賞者は東北新社とライデンフィルム制作の新作アニメ『啄木鳥探偵處』への出演権を獲得しました。

『啄木鳥探偵處』は伊井 圭さんの第3回創元推理短編賞を受賞した小説のアニメ化で、明治時代の石川啄木と金田一京助がタッグを組み、難事件を解決していく文豪ミステリー作品です。

2020年4月からの放送に先駆けて、同作の出演者であり、『キミコエ・オーディション』の見届け人を務めた津田健次郎さん、グランプリ受賞の林 幸矢さん、準グランプリの古沢勇人さんに、『キミコエ・オーディション』を振り返っていただきつつ、『啄木鳥探偵處』の見どころや魅力について語っていただきました！

オーディションの受賞をきっかけに声優への夢を歩み始めた2人の想い

――津田さんは新世代の声優発掘を掲げた第2回『キミコエ・オーディション』を見届け人として関わられ、見守ってこられましたが、オーディションを終えた感想をお聞かせください。

津田健次郎さん（以下、津田）：オーディション企画に参加させていただくのは初めてでしたが興味深くて。オーディション参加者の皆さんと折を見て、お話しする機会があって、どれも今でも印象に残っています。

審査員ではなく、見届け人という立ち位置も独特で、「余計なことを言わないようにしないと」、でも「ハッキリ伝えてあげたほうがいいな」と感じたことは伝えて。「みんな頑張れ！」という想いで応援し、見守っていました。

今回、受からなかった人たちも今後、頑張ってほしいなと思うし、現場で会えたらいいなと願っています。

参加者の皆さんだけではなく、僕にとっても貴重な経験をさせていただいたオーディション企画でした。

――林さんと古沢さんはどんな想いでこのオーディションに臨んだのか。そして受賞が決まった時の感想をお聞かせください。

グランプリ受賞者 林 幸矢さん（以下、林）：広告でオーディションのことを知って応募しましたが、声優になりたいという気持ちよりも声優業界への興味がきっかけでした。

ただ僕は何でも挑戦したいと好奇心旺盛で、歌うことも好きですし、人前に立つことも苦手ではあるけど、いつかやってみたいと思っていました。今の声優さんは演じるだけではなく、音楽活動などフィールドを広げている方が多いので、自分の夢や目標に近づけるかもしれないと。

グランプリを受賞した時は「まさか自分が!?」という驚きが一番大きかったです。ファイナリストの方たちは僕よりも上手な方ばかりで。だからこそ、最終オーディションでは「自分が出せるものをすべて出し切って終わろう」と開き直ってできました。

準グランプリ受賞者　古沢勇人さん（以下、古沢）：僕は専門学校で声優になるための勉強をしていて、学校でオーディションのチラシを見て知りました。僕のおじいちゃんは何かと面倒を見てくれて、声優を目指すことを知った時、「食べていけるの？」とかすごく心配してくれて。

だから早くおじいちゃんを安心させてあげたいという想いが強かったので、このオーディションで合格したら安心してくれるかなと思って、応募しました。

受賞した時は、会場に見に来てくれた家族やたくさんの方からおめでとうと言ってもらえて、うれしかったけど、「これから先も浮かれず、努力を怠らず、1つひとつのことを大切に頑張っていかなきゃ」といっそう気が引き締まりました。