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啄木鳥探偵處:津田健次郎×キミコエ・オーディション受賞者インタビュー

春アニメ『啄木鳥探偵處』に出演する『キミコエ・オーディション』見届け人の津田健次郎さんと受賞者・林 幸矢さん&古沢勇人さん座談会│オーディション参加者は「過去の自分」。厳しくとも役者の先輩としてアドバイスを

オーディション参加者は「過去の自分」。厳しくとも役者の先輩としてアドバイスを

――『キミコエ・オーディション』は2次審査の後、3次審査としてファイナリストが10日間レッスン形式で審査を受けたり、最終審査前に一般投票があり、最終審査はイベント形式と珍しい形ですね。

林:僕は初めてのオーディションだったので、他のオーディションのことはわかりませんが、最終審査に残った方たちは全然違うとおっしゃっていました。2次審査が終わった後、他の候補者の方たちと一緒にレッスンを受けさせてもらって、最終審査に向かうという形は新鮮で他にはないオーディションなのかもしれません。

古沢:ファイナリスト12人で集まって、レッスンをした時に周りとレベルが違い過ぎてすごく焦りました。

林:僕もです。まったくの初心者だったので。

古沢:でもどうにかしがみつかなきゃと必死で。どうすればいいのか、わからないし、不安でした。

――津田さんも参加者にアドバイスすることもあったと思いますが、どんな言葉をかけられたのでしょうか?

津田:皆さんは僕にとって過去の自分でもあるわけです。だから中途半端なことや余計なことを言って混乱させてもいけないと。

またオーディションが進んでいけばいくほど精神的にもキツいんですよね。たった数カ月で何ものでもない自分を何ものかに見せないといけない。自分の中にあるかもしれない可能性を掘り出して、ハッタリでも無理やり出していかなきゃならないのが大変なことはわかっていますし。そんな状況の中で言えることはほとんどないと思いながらも多少厳しめのことを言っておこうかなと。

でもオーディションでは審査員でありこの作品の音響監督である清水(洋史)さんは口数が多いので(笑)、必要なことはだいたい言ってくださっていて。音響監督としての視点からお話しされているので、僕は役者の先輩として言えることをお話ししました。

――津田さんのアドバイスや言葉の中で、林さんと古沢さんの印象に残っているものや今も役立っていることは?

林:オーディション後、津田さんへ質問させていただく企画(「キミコエ往復書簡」)があって、「アフレコ現場に入る時、どんなことを心がければいいですか?」とお尋ねしたら、「今できることを思い切りやること」とお答えいただきました。

声優デビューが決まって「オーディションに合格したのだからしっかりやらなきゃ」というプレッシャーと迷いがあった時だったので、「あまり余計なことを考えすぎないで、役や演技のことだけ頑張ろう!」と振り切ることができました。

津田:僕自身も林君と同じだったんですよね。初めて声優のお仕事をいただいた時、役者として舞台に立ってはいたけど声優経験がないまま、すぐ現場に入ったため、やれることはほぼなくて、今までやってきたことすべてを出し切るしかないなと臨んだので。もう1つ付け加えるなら、あと少しだけ背伸びできればいいのかなという気がします。

古沢:僕らの演技のレッスンを見てくださった津田さんから「おもしろくない」と言われて。そして「いつもフルスイングで」というアドバイスをいただきました。その時から1つひとつの場面で、全力でやろうという気持ちで挑むようになりました。

たまに空回りもしちゃうんですけど、しっかり経験や今後の自分につながっているという手応えも感じています。これから常に「いつもフルスイングで」を心に刻んで、頑張っていきたいです。

津田:林君と同じ質問企画で、古沢君は日和った質問を投げてくるんですよ。「今後どういう役者になれば生き残れますか?」って(笑)。「そんなこと考えている余裕はないだろう?」と。だから何て返せばいいのか、すごく悩みました。

古沢:すみません(笑)。

津田:そんなことを考える前にまず自分ができることをやってみてほしいと思いましたね。

古沢:はい! ありがとうございます!

――津田さんから見た、林さんと古沢さんの魅力を挙げていただけますか?

津田:二人とも、最終審査の時がとても印象的で、林君は現代っ子的な軽やかさと器用さもあって。あまり物事にとらわれないで、「こうしてみて」と言ったら「はい!」とすぐにできてしまうんです。

あと良くも悪くもバランスがいいんですよね。今回のオーディションは「即戦力」がポイントで、林君はデビューしてすぐに対応できるのではないかと。もし3年後にデビューだったら審査結果も違っていたと思います。ただその器用さがプラスだけではなく、マイナスにはたらく局面も出てくるでしょうが、発揮すればおもしろい存在になると思います。

古沢君は真逆で、不器用さが全面に出ていて、昭和の子なんじゃないかなと思ってしまうほど現代っ子っぽさがなく、その純朴さや粗削りなところを、審査員の皆さんはおもしろいと思ったのでは? 不器用だからこそのスケールの大きさや、何だかわからないけど、期待させるテンションの高さなども持っていて。

でも声優は器用に立ち回らないといけない時もあるので、どう対応できるか、ですね。2人共、長所と課題が対極でおもしろいコンビだなと思います。

(C)2020伊井圭・東京創元社/「啄木鳥探偵處」製作委員会
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