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『群れなせ!シートン学園』座談会 後編【連載Vol.05】

『群れなせ!シートン学園』座談会!【後編】博史池畠監督&シリーズ構成・脚本 村越 繁&青木隆夫プロデューサー│最終回のボクシング対決ネタに至る秘話とは?マンのとある描写にスタッフ陣が緊急作業も!?【連載Vol.05】

動物たちが通う私立シートン学園に入学した人間の♂・ジンとオオカミ少女・ランカの、様々な動物たちとの交流をコミカルに描いたTVアニメ『群れなせ!シートン学園』(山下文吾原作、漫画アプリ「サイコミ」にて連載中)。

アニメイトタイムズでは、連続座談会企画をお届けしてきましたが、公開は最終回後編!本作の監督を務めた博史池畠さん、シリーズ構成と脚本を担当した村越 繁さん、アニメ制作を手掛けたStudio五組の青木隆夫さんに登場いただきます。

今回の後編ではBD-BOXの見どころや今後の展望などについて語っていただきました!

最終回のボクシング対決ネタに至る秘話とは?マンのある描写にスタッフ陣が緊急作業も!?

――最終話(12話)のお気に入りシーンや制作秘話等お聞かせいただけますでしょうか?

シリーズ構成・脚本 村越 繁さん(以下、村越):最終回が流れた後、どんな反応になるのか、気になって。

博史池畠監督(以下、池畠):原作をアレンジしたオリジナルストーリーになります。

Studio五組 青木隆夫プロデューサー(以下、青木):アニメをどう終わらせようか、悩みましたね。

池畠:最終回にふさわしい盛り上がる話にする必要があるし、ラウンドガールか水着コンテストの要素も入れないと、という話もあったので、だったらランカとマンにボクシングやらせれば物語の決着も着くし、ラウンドガールも入れられて丸く収まるんじゃないかと。

村越:原作のカンガルーボクシングのエピソードでは、ランカが脇にまわります。ワラルーを精神的に支える重要な役割ではあるのですが、どうしてもワラルーとカンガルーが主導になるので、シリーズを通してランカを中心に据えるという部分では難しいですよねと話していました。

でもあの熱い感じをやらないのはもったいないなと考えていた時に監督からアイディアをいただき、「それはすごくいいですね」と。

シリーズ構成を作り始めた時点では、原作にはまだマンは出てきていなかったんです。アンのエピソードは進んでいましたが、EX団のエピソードがどう終わるのかわからなくて、どうしようか悩んでいました。

そんな中、絶妙なタイミングでマンが登場して。当時、アニメの脚本会議が水曜日だったこともあり、毎回水曜日の0時に更新される原作のWEB連載を読んでから会議に臨んでいました。

青木:だから会議の話し出しはいつも「今回の『シートン』見た?」から始まるんです。

村越:そこでマンが登場した際、「このキャラすごくかわいいですよね!」とお話したら、編集部の方も「お気に入りなんです」とおっしゃっていて。ならば、と最終回が決まりました。

池畠:原作ではマンとの和解も意外にあっさり描かれているんですよ。でも、もし先にマンが登場していたとしてもこういう形の終わり方にはなったと思います。

――マンの登場にそんな秘密があったとは!?

池畠:マンに関していえば、髪の毛の色は全部茶色に塗っていたんです。ところがオンエアが始まった後に先生がマンのイラストをツイッターに上げたのを見たら、モミアゲがマンモスの牙モチーフで白かったんですよ(笑)。

それで今、最終話を作っているんですけど、急いで色設定を変える作業をしました。

青木:実は現場のスタッフが気付いてくれたんです。弊社の設定制作から私宛に連絡があり、「色彩設計さんが山下先生のツイッターを見たらマンのモミアゲが白くなっています」と。

マンの色設定は事前に提出しており、先生や編集部さんからOKはもらっていました。そこで改めて編集部さんに「変えたほうがいいですか?」と確認したら、「事前にOKを出したものだからいいですよ」と言ってくださって……。

でも「お客さんは納得しないと思うし、間に合うのでやらせてください」とこちらからお願いしました。

池畠:モミアゲが髪の毛と線で区切られていたのでそこの色を変えるだけで大丈夫だったけど、もしグラデーションで入っていたら大変だったでしょうね。

青木:山下先生や編集部さんは本当に気を遣ってくださって、我々に迷惑をかけないようにしようというオーラがハンパじゃなかったです。だから「こちらが気付かなきゃ」と思うくらいで。

 

――そのアンたちEX団が登場する終盤の3話は続きもので、シリアスなテイストだったのも印象的でした。

池畠:一応、ギャグとして見られるようにはしていますけど不安もありますね。

村越:アンと瞳だけでなく、芭張(バーバリライオン)とキングなど、それぞれのパートがシリアスで熱い感じに進行するので、ギャグとのバランスは皆さんと確認しつつ進めていきました。

青木:結果として良いバランスになったかと思います。

池畠:キャラたちのコミカルなギャグも挟みつつ、いわゆる「誰得シリアス展開」にならないようにはしています。

青木:熱い展開もあるのが原作の良さであり、特徴の1つだと考えていたので、それを映像でもちゃんと表現できているんじゃないかなと思います。

マンがアンに友達じゃないと言われてショックを受けて、2人の関係に亀裂が入るシーンで、ランカがボス感を出すじゃないですか。アンの背中を押すように群れから追放すると言って、仲直りのきっかけを作ってあげて。好きなエピソードですね。

――ここまでハチャメチャなことをしてきたので、シリアスな展開さえも予想を裏切る形だったり、「いやこのままのワケがない」と深読みする人もいて、斜め上を行く底知れなさを実感できた気がします。

池畠:言うなればシリアスな中にも恐れずギャグを挟んでいく「ターちゃん(『ジャ●グルの王者ターちゃん』)方式」。

青木:ターちゃん方式って言うんですね。初めて知りました(笑)。

池畠:『ゴールデ●カムイ』方式でもいいんですけど(笑)。

(C) 山下文吾・Cygames/アニメ「群れなせ!シートン学園」製作委員会
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