この記事をかいた人
- 小澤めぐみ
- 営業職を経験後、記者業務に携わりフリーへ。主に男性声優、漫画、アニメなど浅く広く…今はもっぱら藤沢朗読劇中毒
――今、キャラクターの衣装を着られているように、作中でも明治時代を代表する建築や娯楽など、西洋文化を取り入れた当時の流行が見られますが、今だからこそ興味を持ったり体験してみたいと思ったモノはありますか?
浅沼:僕も物語を書いているので、明治末期くらいの時代だとどうしても新撰組や坂本竜馬などを描く方が派手で面白いなと思っちゃって、そちらばかり注目しガチなんですよね。
でも、あまり触れてなかった、文士たちのこういった空気感や当時の日本の空気感というのは、今、味わおうと思ってもなかなか味わえないと思うので、新鮮だし憧れがありますね。
それに、僕は「粋(いき)」というものが好きなんですけど、この時代って粋だらけだなって。
櫻井:あぁ、そうだと思う。
浅沼:だから、やっぱり憧れますよね。
櫻井:僕も憧れはありますよ。文明開化の時代、ここからまた大正にかけて少しずつ色濃くなっていくんでしょうけど、どうしても(この時代に関する)知識が乏しいですね。
文学や日本語にまつわる文化が華やかになっていた時代でもあるのかなと思うと、僕はそういう面に疎いので、出演作品を通して知るくらいで。
ただ、この作品を見ていて、サロンでだべりあっては文学作品を出そうとする彼らの少し毒気があったり、皮肉めいていたり。本来そういう人たちだったのかもしれないですけど、そういう姿が面白いなと思いますね。
その場所なのか、その人たちがいるからなのか、そんな関係性は良いなと思って。
妄想するにも僕は知識とか乏しいと思うんですけど、猛烈に妄想しちゃっているので、勝手に良い時代だったんだろうなと思っています。
――今回、それぞれ和装、洋装をされていますが、衣装を着た感想を教えてください。
浅沼:(櫻井さんを見て)めちゃめちゃ似合うなって。
櫻井:いや、(浅沼くんも)めちゃめちゃ似合うなって(笑)。髪の色といい、もう(啄木の)まんまじゃないですか(笑)。
浅沼:そうですか? 僕は(キャラクターに)寄せて(写真を)撮っちゃったから、もう逃げ場がないな、ヤベェなって思ってます(笑)。
でも、作品のために生地から作っていただいたそうで…ありがたいです。
櫻井:僕は何パターンかご用意していただいて、そこからチョイスという感じなんですけど、少し照れくさいですよね。
浅沼:着物は普段着る機会がないので、着ただけでピッと気が引き締まるのは確かなんですけど、それ以上にいろいろな人の想いがのし掛かっている……。
櫻井:のし掛かってる!?
一同:(笑)。
浅沼:僕はすごくなで肩なので、常日頃から着物が似合うと言ってもらえることが多いんですが、このなで肩の肩にものすごい重みが…(笑)。
取材が全て終わった後には、肩が凝っているんだろうなという感想です。
櫻井:時代の転換の最中で、今の感覚でいうと、すごく自由だったなと思えるというか、和装洋装が違和感なく面白い時代ですよね。作品を見ていただければわかりますけど、ビジュアル的にもモダンというか。
この2キャラクターが、今回の撮影でもうまく作品の世界観がわかるものになっているんだろうなと思うと、正直照れくさかったですけど、なかなかこういう機会もないので、楽しく撮影に臨ませていただきました。
――歴史的建造物が登場したりするので、アニメにはそういう面白さもあると思いますか?
櫻井:それはもちろんありますね。そういう時代を描くにあたって、その時代のシンボルみたいな場所が舞台になったり。
浅沼:ちょっと行ってみたくなりますよね。今無くなってしまっていて、ファミレスみたいになっているところもあると思いますけど、その時代をたどって歩いてみたいなと思いました。
――最後に、放送を楽しみにしているファンの方へ見どころなど、メッセージをお願いします。
浅沼:僕の中でのこの作品の魅力は、人の想いというものはとても複雑なものであるんだよということと、この時代の空気感、この中で生きている人たちの悲喜こもごもだと思っています。
とはいえ、肩の力を抜いて、実在していた人物たちの群像劇として、気楽に見ていただけたらなと思います。
そして願わくば、このキャラクターたちが現代に遺した短歌や小説といった作品に、触れてみようかなと思っていただけたら幸いです。
(あらたまって)「啄木鳥探偵處」……。
櫻井:急に太字です(笑)。
浅沼:「啄木鳥探偵處、4月13日放送・配信開始」、どうぞよろしくお願いします。
一同:(笑)。
櫻井:はい。本当に実在した人たちがたくさん出てきて、ちゃんと残っている資料史実に基づきながら描かれてもいますし、フィクション的に描かれているところもあるかもしれないんですけど、この作品を純粋に楽しんでいただければ良いと思います。
作品の中には、例えば野村胡堂や平井太郎に対して興味を引くような、キャラクターのヒントみたいなものもあって。
先ほど浅沼くんが言ったように、この作品を見たことによって、それぞれのキャラクターが創造した作品などにも興味が持てるようなエッセンスが、いっぱい散りばめられています。
この作品からまた、その時代や人物、文学作品など広がるものがあるんじゃないかなと。我々は、そういうすごく面白い作品だと思って一生懸命作っているので、たくさんの方に見ていただけたらなと思います。
[取材・文/小澤めぐみ]
営業職を経験後、記者・編集業務に携わりフリーへ。男性声優を中心に、漫画、アニメ、外ドラ、BLなど浅く広く好奇心は一人前。飲食、旅行、音楽、(ヘタだが)写真撮影、話を聞くことも好きで、近年の自粛生活は苦痛。最近のお気に入りは『薬屋のひとりごと』『異世界でもふもふなでなでするためにがんばってます。』。王道モノから西東問わず歴史モノなど“ファンタジー”や“ミステリー”が好物。今はもっぱら藤沢朗読劇中毒
2020年4月より放送・配信開始!
TOKYO MX:4月13日より毎週月曜23:00から
BSフジ:4月13日より毎週月曜24:00から
CSファミリー劇場:4月13日より毎週月曜24:00から
岩手めんこいテレビ:4月18日より毎週土曜17:00から
長崎文化放送:5月4日より毎週月曜25:54から
ほか各所配信サイトにて配信開始
※放送日時は予告なく変更になる場合がございます。
ファミリー劇場だけで独占放送!豪華声優陣が出演の“貴重な”ビジュアルコメンタリー(映像解説)
「おしゃべり探偵處」4月13日(月)より毎週月曜24:30~)ほかにて放送・配信
2020年4月より放送・配信開始!
TOKYO MX:4月13日より毎週月曜23:00から
BSフジ:4月13日より毎週月曜24:00から
CSファミリー劇場:4月13日より毎週月曜24:00から
岩手めんこいテレビ:4月18日より毎週土曜17:00から
長崎文化放送:5月4日より毎週月曜25:54から
ほか各所配信サイトにて配信開始
※放送日時は予告なく変更になる場合がございます。
時は、 明治の末――
金欠に苦しむ天才歌人・石川啄木は、とある殺人事件をきっかけに下宿で探偵稼業を始めることに。その名も、「啄木鳥探偵處」。
「浅草十二階の幽霊騒動」「雪降る夜に街を徘徊する人食い人形」……奇怪な事件に次々と首を突っ込む啄木の助手を務めるのは、同郷の先輩・金田一京助。
文士仲間の野村胡堂、吉井勇、萩原朔太郎、若山牧水らを巻き込んで、人たらしの天才歌人・石川啄木が文明開化の東京を駆け抜ける!
原作:伊井圭(創元推理文庫刊)
総監督:江崎慎平
監督:牧野友映
シリーズ構成:岸本卓
キャラクター原案:佐木郁
キャラクターデザイン:原修一
音楽:高田龍一・高橋邦幸(MONACA)
音響監督:清水洋史
アニメーション制作:ライデンフィルム
制作:東北新社/ライデンフィルム
企画:キミコエ・プロジェクト
製作:「啄木鳥探偵處」製作委員会
石川啄木:浅沼晋太郎
金田一京助:櫻井孝宏
野村胡堂:津田健次郎
平井太郎:小野賢章
吉井勇:斉藤壮馬
萩原朔太郎:梅原裕一郎
若山牧水:古川慎
芥川龍之介:林幸矢
公式サイト
公式Twitter(@kitsutsuki_DO)