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春アニメ『啄木鳥探偵處』浅沼晋太郎&櫻井孝宏インタビュー

春アニメ『啄木鳥探偵處』浅沼晋太郎さん&櫻井孝宏さんインタビュー|今では味わえない時代の空気感や関係性に憧れる☆ 石川啄木と金田一京助が人間の思い絡まるミステリーに挑む!

2020年4月13日(月)より放送のアニメ『啄木鳥探偵處』は、伊井 圭さんの第3回創元推理短編賞を受賞した小説が原作。

明治時代の石川啄木(CV:浅沼晋太郎)と金田一京助(CV:櫻井孝宏)がタッグを組み、難事件を解決していく文豪ミステリー作品です。

本稿では、キャラクターをイメージした衣装をまとった浅沼さんと櫻井さんにインタビュー!

作品の世界観やキャラクターの印象について、収録現場での共演者とのエピソードなどについて伺いました。

事件に関わる誰かの思いを探り、推理する啄木と京助を中心に描いた群像劇や人間模様

――まず、原作や台本を読んでの感想・印象を教えてください。

石川啄木役・浅沼晋太郎さん(以降、浅沼):僕は頭の中に情景が浮かばないと次に読み進められないので、本を読むのがとても遅いんです。なので、原作を全部は読みきれないままアフレコに臨むことになりました。

小説は、読む人それぞれに思い描く風景があったり、キャラクター像が違ったりするので、原作を読んでいる時にはまだ、自分の中で(キャラクターを)固めずにいたんです。

でも、いざ脚本という形になって絵もでき上がった時には、現場でフレキシブルに、とか臨機応変に、とか言っている場合じゃない、もう腹をくくらなきゃいけないぞと感じました(笑)。

(啄木は)天才肌ということだったので、自分の中でこういう感じかな、とある程度の演技プランを思い描いていたんですけど、実際に演じて、アフレコで音響監督の清水(洋史)さんのおっしゃることを理解していくと、やはり(理解が)浅かったなと思いました。

自分が今までやってきたものとは、アプローチの仕方を変えなくてはならないキャラクターだったので、お仕事の現場で勉強させていただく、という考えは甘えのような気がしてあまり好きじゃないんですけど、毎回毎回新しい何かを得て帰っていくような状況で。

この物語と、この物語の中の啄木と出会えたのは、財産だなと思っています。

金田一京助役・櫻井孝宏さん(以降、櫻井):僕は、文字ベースの作品を読む時はあまり具体的に想像しないというか、文字を追いかけてしまうところがあるので、でき上がったビジュアルを見て、この想像ができていなかったなと思いました。

当然ifのところも多いと思うんですけど、原作や台本を読んだ時に、こういうビジュアルのキャラクターたちであるとか、この時代をどうデザインするのか、あまり具体的に想像していなかったので、設定画やビジュアルを見てイメージが広がった感じでした。

浅沼くんも話していましたけど、収録していく中で、自分なりに構築していったイメージであるとか、演技、表現を現場で演出していただきながら、少しずつ色を変え、形を変え、組み立てていく。

その毎回の収録が面白くて、全然自分の解釈と違ったり、自分の狙っていた演技とは違うものを要求されたりとか。でも、ひいてはそれが、そのエピソードを作るにあたってすごく納得のいくもので。

作品作りの演出は新鮮さもあり、刺激もあり、改めて学ぶところも多いなと思いながら、そんな中でまた、それぞれのキャラクターやストーリーを、何度も何度もアップロードしていくような感じでいました。

――ミステリーというジャンルとしての世界観はいかがでしたか?

浅沼:ミステリーというと僕もそうですが、トリックの方にとらわれがち、目が向きがちなんですけど、どちらかと言うと、それよりも「人の想い」に重きを置いている作品なんじゃないかなと僕は思っています。

「なぜこの人はこうしたのか」…そこが腑に落ちた時に、より作品に深みが増してくるという感じですかね。

存在するテクノロジーが現代と違うので、もちろん携帯電話は出てこないですし……。

櫻井:そうだね、LINEとか出てこないね(笑)。

一同:(笑)。

浅沼:特に手の込んだ、トリッキーな殺害方法とかも出てこないです。

――むしろ人間ドラマみたいな?

浅沼:そうですね。そして、啄木と京助のバディものとして、ふたりは主人公に位置付けされていますけど、僕個人としては群像劇なんじゃないかなと思って見ています。

櫻井:そうですね、僕(がやっている京助)は基本リアクション担当なんですよね。推理力、洞察力がすごくあるわけではなく、時々ラッキーパンチみたいなのがあるかもしれないですけど(笑)。

浅沼くんが話したように大仕掛けのトリックじゃなく、状況証拠とかから見ると不可解な点があっても、それは関わっている人たちの誰かに対する思いが働いて、不思議に見えていたりする。

そこをストーリー的に探っていって、「こうではなかろうか」というところから推理していくのが啄木で、京助はそれにいつも感心していたり。

人が死んでいますから、そこには悲しいとか切ない、後味の悪さも残ったりはするのですが、そこでまた作品が1つ生まれるような描かれ方をしているので、推理だけではない、人間模様になっているのかなと思います。

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