今、アニメ製作会社を立ち上げる意味とは――李衡達さん、稲垣亮祐さん、斉藤健吾さん、Yostar Picturesの舵を握る3人にインタビュー
『びそくぜんしんっ!』と、これからのYostar Pictures
――アニメ化が発表された『びそくぜんしんっ!』について、現段階でお話できることはありますか?
稲垣:原作にあたる漫画があるので、基本は漫画の良い部分を忠実に映像化しようというところでしょうか。基本的にはアニメ化しやすい内容だと思っているので、ちゃんとしたスケジュールで、しっかりと作ろうと。漫画の内容に沿う形で、原作ファンの方に喜んでいただけるような作品にしたいと思っています。
李:補足すると、個人的に『びそくぜんしんっ!』は、作品の中身は『刀剣乱舞-花丸-』とか『フルメタル・パニック? ふもっふ』みたいな位置づけの作品だと考えています(笑)。シリアスなシリーズが別にある一方で、こちらは萌えキャラの可愛さだとか、若干のお色気要素を入れて、リラックスして楽しめる作品になると思います。
――最後に、Yostar Picturesとして今後の活動の意気込みついてお願いします。
斉藤:こういうのが意気込みと言えるかは分からないのですが、無理をさせないことでしょうか。僕自身が無理する分には全然いいんですけど、後輩とか下の子たちに無理を強いるような現場にはしたくないという想いが一番強いですね。
稲垣:今斉藤が言ったことがアニメ業界の全体の疲弊に繋がっていると思っていて。やっぱり上の立場の人間はどうしても無理をしなければいけない面はあるんですけど、下の人間にまで「一緒に死んでくれ」ということを言っていては、後継者がどんどんいなくなってしまう。
今まではそれが通用したのかもしれませんが、今はそういう社会ではないので。もちろん真面目にやらない新人はよくないですけど、アニメーターがちゃんと安心して働ける会社にしたいというのが我々の意気込みですね。
斉藤:下の子たちに、クリエイティブな時間を与えてあげたいっていうのはありますよね。
稲垣:経験も実力もまだまだなのに、急に「一日死ぬ気でやれ」って無茶なことだけ言われ続けても、心が折れて去っていくだけですから、そういう子たちの姿はもう見たくないなっていう。これは理想論かもしれないですけど。
李:これはYostarの話になりますが、現場の若い子たちにそういう苦労をさせることは基本ないので、この会社(Yostar Pictures)に限ってはそういうことはないと思います! 自分としては、10年後まで(会社が)生き残っていることが目標でしょうか(笑)。これって、割と大きい目標だと自分では思っていますけど。
稲垣:(笑)。それは本当にそう思います。
――それでは、10年後にみんな生き残って、またインタビューさせてください(笑)。ありがとうございました。
[取材・文/米澤崇史 あぶ〜山崎]
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