『ヒプノシスマイク』新シリーズ全曲レビュー:イケブクロ・ディビジョン編|次の目標に向けて歩みを始めたBuster Bros!!!が見つめる先とは
青春感バリバリな「School of IKB」
山田二郎と言えば挑発的でパワフルなイメージの曲を歌っていましたが、今回の「School of IKB」はかなりメロウな曲調。しかも曲のタイトルどおり、愛するイケブクロのストリートでの物語を歌っています。
こんな曲が来るとは意外でしたが、二郎の一番大切にしている心の中の言葉を聴いているようで、なんだか少し涙ぐんでしまいました。
「MAD TRIGGER CREW」に負けた「Buster Bros!!!」。メンバーとしてどうすればいいのか。その答えは俺らの学校、IKBのストリートにある。そんなメッセージが込められているのでは、と個人的には深読みしています。
リリックを見てほしいのですが、序盤は「悪いけどまだまだ未完成」「繰り返してるけど見っかんねぇ」「夢の続き」といった二郎らしからぬ後ろ向きな言葉が続きます。
しかし、曲が進むにつれて前向きな言葉がどんどん出てくるように。「踏み出してくよ」「必ず 這い上がる 今より倍かます」と、徐々に二郎らしさを取り戻していき、ラストには「俺はMC.Mid Brotherだ!」と熱く締めくくります。
この「俺はMC.Mid Brotherだ!」というところも涙ウルッとしてしまうポイントなのですが、途中のフックは「俺がMC.Mid Brother」となっていて、ラストだけ少しリリックが違っているのです。
途中までの「俺がMC.Mid Brother」は、どちらかと言うと周囲に言っている言葉で、ラストの「俺はMC.Mid Brotherだ!」というのは自分自身の存在を再確認したかのようにも聴こえます。
強がっていた二郎が「自分とは何なのか?」を再確認していくようで、この微妙なニュアンスの違いで印象がガラリと変わるのが流石だなと思いました。
そして忘れてはいけないのが、「あの約束 次は果たそう」というリリック。山田家の結束は強いですね。
こういった青臭い台詞を曲で披露してくれるのが二郎の良さなのかもしれません。作詞作曲をしたJABBA DA FOOTBALL CLUBにもピースを。