2.5次元って何? どんな作品や役者さんが人気なの? これから2.5次元舞台を楽しみたいと思っているアナタに捧げる初心者向け解説
近年ますます盛り上がりを見せる2.5次元舞台。アニメやコミックを好きになったことがきっかけで2.5次元にも興味が出てきたけれど、今ひとつどういったものなのか分からないという人も多いのではないでしょうか?
そんな2.5次元舞台初心者の方のために、本稿では「2.5次元ってそもそも何?」「鑑賞マナーは?」「今注目の役者さんって誰?」といった点を解説していきます。
2020年6月現在、新型コロナウイルスの影響で舞台の上演はなかなか難しい状況ですが、事態が収束し公演が行われるようになった暁には、こちらの記事をぜひご参考にして、2.5次元舞台を楽しんでいただければと思います!
【ご注意】本稿の解説内容はあくまで一般的なものであり、作品によってチケットの種類や鑑賞ルール等は異なります。詳細は必ず公式サイト等でご確認ください。
目次
2.5次元とは何か
「2.5次元」とは、アニメや漫画などの「2次元」の物語を、舞台やミュージカルといった「3次元」で表現した作品のことです。2次元と3次元の中間という意味合いで、ファンのあいだで自然発生的に呼ばれ始めました。
アニメや漫画を原作とした舞台の始まりは、宝塚歌劇団が1974年に初演を行った『ベルサイユのばら』だと言われています。そして、2003年に初演を行った『ミュージカルテニスの王子様』がヒットしてから徐々に「2.5次元」という言葉が定着してきました。
それ以降「2.5次元ミュージカル(舞台)」と呼ばれる作品は増加し、2018年のNHK紅白歌合戦での『ミュージカル刀剣乱舞』のパフォーマンスは大きな話題になりました。
2.5次元の魅力
「アニメや漫画で十分楽しめているのに、わざわざ舞台化する必要ってあるの?」と思う方も多いと思います。しかし、多くのアニメ・漫画ファンが2.5次元舞台の虜になるのには理由があります。
その一つが「再現度の高さ」です。髪型や衣装はもちろんのこと、話し方や立ち方が本物そっくりで、「アニメや漫画で見ていた世界が目の前にある!」と感動しました。
とはいうものの、やはり2次元だから可能であって3次元では実現不可能なシーンはたくさん存在します。しかし、そこにこそ2.5次元舞台の魅力があると思います。「2次元ならではの設定をいかにして3次元で再現するのか」はぜひ注目して頂きたいポイントです。
特に『舞台弱虫ペダル』の演出は必見です。この舞台ではハンドルのみでロードバイクを表現しており、観ているうちにロードバイクが本当に存在しているように思えてくるのです。そうした観覧者の想像力を刺激して舞台の世界観に引き込む演出も2.5次元舞台の醍醐味と言えます。
チケットの購入方法
2.5次元舞台のチケットの購入方法は主に「先行販売」「一般販売」「当日販売」の3つです。
「先行販売」はその舞台のメルマガ会員や出演する俳優さんのファンクラブ会員など何らかの会員になったり、DVDなどを買ったりすると申し込むことができるものです。これには複数の種類があり、「一般販売」よりも2~3ヵ月早くに始まるので、舞台の公式サイトやTwitterをチェックしておくと良いと思います。人気作品は、先着順で購入できる一般販売だとわずか数分で売り切れてしまうこともあるため、絶対に観にいきたい作品なのであれば先行販売で申し込むことをおすすめします。
「当日販売」は当日に会場で販売される分で、用意される枚数は日によって異なり、一般販売などで満席の場合は当日販売はないことが多いです。時間までに劇場に並び、用意された枚数より客が少なければ全員購入でき、多ければ抽選になります。
どうしても観に行きたいからといって、転売されたチケットを買うことは絶対にやめましょう。
チケット料金の相場
チケット料金は作品によって異なりますが、前方の席かそれ以外の席かで価格が異なることが多く、前方席だと9000~1万円、一般席だと7000~8000円くらいであるケースが多いです。
前方席でなくても舞台の全体は見やすく、また双眼鏡を持って行けば役者さんの細かい表情なども見えるため、「1万円はなかなか……」という人は一般席でも十分楽しめると思います。
また、最近では「ライブビューイング」を実施する作品も多いです。ライブビューイングは、舞台が行われている劇場からのライブ映像を全国各地の映画館で見ることができる、というものです。舞台のチケットの半額程度の価格で見られるため、「いきなり劇場に行くのはちょっと……」という方や、地方に住んでいる方にはおすすめです。
鑑賞マナー
チケットをゲットし、楽しみたい気持ちはわかりますが、気を付けなくてはならないのが鑑賞する際のマナーです。観劇に特別な決まりはありませんが、他のお客さんの迷惑になるような服装は控えましょう。
アニメや声優さんなどのイベントと同様、特にドレスコードはないですが、周囲の人の観劇の邪魔にならないように、光ったり音が鳴ったりするような服装は控えましょう。
髪型については、後列の妨げにならない髪型が望ましいです。高い位置のお団子やツインテールなどは控えたほうがよいです。
観劇の仕方に関しては、基本的に静かに観る作品が多いですが、中には声を出したり、サイリウムやうちわを持ち込んだりしても良い舞台もあります。『あんさんぶるスターズ! オン・ステージ』や『ミュージカル刀剣乱舞』などのライブタイムでは、それらを使って思う存分楽しむことができます。
※ここで解説しているマナーはあくまで一般的なものであり、作品によって鑑賞ルールは異なります。必ず公式サイト等でご確認ください。
公演タイトル
現在公演中および今後公開予定のタイトルについては、日本2.5次元ミュージカル協会の公式サイトで確認ができます。
原作ファンはもちろんのこと、原作を全く知らなくても楽しむことができるのが2.5次元舞台の魅力です。私自身、舞台を見てから原作にハマったこともあります。ぜひ気になるタイトルをチェックしてみてください!
ちなみに、「2.5次元に興味はあるけれど、どの作品を見ればいいか分からない」という方には『ミュージカルテニスの王子様』がおすすめです。若手俳優の登竜門といわれるこの作品には多くの新人俳優を起用しているため、好みの役者さんを見つけやすいと思います。しかもこの作品は他の舞台やミュージカルと比べてチケットが比較的安いので、2.5次元舞台観劇デビューにおすすめです。
2.5次元舞台で活躍する主な役者さん
原作を再現するにあたり大切なのが「役者」です。2.5次元界で活躍する役者さんは、とにかく原作へ敬意を払って演じて下さいます。「表現者」でありながら、忠実に再現しようと役をつくり込んでいく過程の中で、役者さん自身が私たちと同じ「ファン」になってくれるのです。
そして物語の中で成長するキャラクターと、それを演じる役者さん自身の成長がリンクする感動、これもまた2.5次元ならではの魅力といえると思います。
2.5次元界で活躍する俳優はたくさんいますが、ここではその中でも特に注目度の高い方々を紹介します!
2.5次元界はこの人なしでは語れない。2.5次元界の牽引者! 鈴木拡樹さん
『舞台刀剣乱舞』三日月宗近、『舞台弱虫ペダル』荒北靖友、『舞台どろろ』百鬼丸などの人気作に多数参加している役者さんです。穏やかなキャラクターから荒々しいキャラクターまで、圧倒的な演技力でどんな役でも忠実に再現する「憑依型」俳優です。そして鈴木さんの魅力の一つが所作の美しさ。殺陣の上手さは2.5次元界トップとも言えます。
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— 鈴木拡樹 (@hiroki_0604) January 14, 2020
歴史とは人
いったい何人の人が共に紡いできた5年の歴史なのでしょうか
おめでとうございます#刀剣乱舞5周年 #よきかなよきかな
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2.5次元ファンで知らない人はいない! 荒牧慶彦さん
『舞台刀剣乱舞』山姥切国広、『ミュージカル薄桜鬼』沖田総司、『MANKAI STAGE「A3!」』月岡紬など、多数の舞台に出演し、最近では声優としても活躍の場を広げています。端正な顔立ちと、役に対する真摯な姿勢から大人気の役者さんの一人です。
あの日を思い出すな…。
— 荒牧慶彦 (@ara_mackey) May 5, 2020
#映画刀剣乱舞同時上映 pic.twitter.com/dg1UtEnU0f
最近テレビで見る方も多いはず! 黒羽麻璃央さん
『ミュージカル刀剣乱舞』三日月宗近、『舞台黒子のバスケ』黄瀬涼太などの話題作に参加している俳優さんです。歌とダンスがとても上手なので、黒羽さんの出演作品は要チェックです。
ジロリ? pic.twitter.com/VobkkEhRnm
— 黒羽麻璃央 (@m_kuroba) May 12, 2019
2.5次元界で絶大な人気を誇る! 佐藤流司さん
『ミュージカル刀剣乱舞』加州清光、『舞台NARUTO-ナルト-』うちはサスケなど俳優として活躍する一方、バンド活動も行っています。キャラクターを深く掘り下げて原作をリスペクトする姿勢に加え、トーク時やSNSでの言葉選びが秀逸でクセになってしまいます。
明けましておめでとうございます。
— 佐藤 流司 (@ryuji7117) December 31, 2019
2019年は大変お世話になりました。
本年もどうぞ宜しくお願い申し上げます。
2019年最後に撮った写真で御様います。
年越しそばを食べる理由をご存知でしょうか。
細く長いことから、長寿延命の意味として食されると。
年越しチュロスもありそうですね。ねぇよ。 pic.twitter.com/vaZ4Kf9cH8
ギャップに虜になる! 植田圭輔さん
圧倒的な演技力に加え、小柄な体格と可愛らしい顔立ちからは想像できない低めの声と男らしい性格にハマってしまう方も多いです。『文豪ストレイドッグス』中原中也、『舞台鬼滅の刃』我妻善逸などの人気作に多数参加している役者さんです。
文スト本日もご来場誠にありがとうございました!
— 植田圭輔 (@uechan_0905) July 6, 2019
明日のマチソワも熱く、全力を尽くして挑みます。
ご来場お待ちしております! pic.twitter.com/uGVfzQxCid
大阪の陽気なお兄ちゃん系俳優! 和田雅成さん
『舞台刀剣乱舞』へし切長谷部、『ミュージカル薄桜鬼』土方歳三などの人気作に多数出演している役者さんです。常に明るく全力で、毎日更新してくれるブログを楽しみにしているファンも多いはず!
ベックマン。https://t.co/V9u41NkyF0#刀ステ#刀ステ一挙無料配信 pic.twitter.com/ySl6k9d5D9
— 和田雅成 (@masanari6) May 25, 2020
かっこいいも可愛いも! 小澤廉さん
『あんさんぶるスターズ! オン・ステージ』明星スバル、『ダイヤのA The LIVE』沢村栄純などの作品に参加し、最近アニメ放送もスタートした『A3!』の三好一成の声優も担当している大人気の役者さんです。性格は天然らしい一面が見え、かっこいいも可愛いも持ち合わせた役者さんです。
『あんステ NBS』
— 小澤廉 (@occult_box) January 12, 2020
東京4日目ありがとうございました!
今日はりょうとせいやが来てくれたよ!
桃メテオレンジャー!?
明日で東京千秋楽です!
全力でキラキラ輝くぞー!?
もってくれよ!俺の身体!
「ハァァアアアー!」?✨✨#あんステ pic.twitter.com/NZt1aCz1hp
今回紹介したのは2.5次元界で活躍するほんの一部の役者さんです。ぜひお気に入りの俳優さんを見つけてみてください!
そんな役者さんたちが舞台上で行う「アドリブ」も2.5次元舞台を楽しむポイントの一つです。舞台は生モノ、二度と同じものを見ることはできません。舞台上でその世界を生きる一瞬一瞬の熱量に、私たち観客は目が離せなくなるのです。
物販
グッズの購入は公演前、休憩中、公演後に可能です。公演直前や休憩中、公演直後は混雑することが多いのですが、開場後すぐに物販に並ぶと公演時間に間に合わせることができるので、余裕をもって到着することをおすすめします。
2.5次元舞台の場合、パンフレットなどのグッズを購入しても袋をもらえることはほぼありません。そのため、パンフレットやチラシが入るようなA4のバッグを持って行くと良いと思います。
また、パンフレットだけでなく、お気に入りの役者さんが見つかったら、ぜひブロマイドを購入して2.5次元舞台をより楽しんで下さい。多くの舞台では、大体3枚セットになっている「個人ブロマイド」と、誰のブロマイドが出るかわからない「ランダムブロマイド」が販売されます。このランダムブロマイドの交換会が2.5次元会場ではよく行われます。トレーディングスペースが用意されている場合が多いので、「推し」のキャラクターや役者さんのブロマイドをゲットしてください!
また、2.5次元舞台のグッズはポーチやパスケースなど、女性が喜ぶ商品も多いです。デザインもおしゃれなものが多いので、ぜひチェックしてみてください!
以上、2.5次元舞台についての解説でした。
これまでアニメやコミックに夢中になっていた人にとっても、2.5次元舞台はきっと新しい世界を開いてくれると思います。
この記事が皆さんの2.5次元ライフの一助になれば幸いです!
[文/萌留]