理想の彼女を演じる雨宮天さんがダメダメ主人公に怒り爆発!?悠木碧さんはリアル過ぎる麻美から女心の謎を解く？夏アニメ『彼女、お借りします』声優インタビュー

負けない女の子・麻美から感じた“女性ならではの観点”

――実際の女性視聴者の反応が気になりますね。

雨宮：本作は女性にも観てもらいたいんですよ！　和也に対するイライラも女性ならより共感してもらえると思いますし（笑）、回を重ねるごとに成長していく姿も楽しんでもらえるはずです。

悠木：麻美は女性からの反感がすごいことになりそう！　男性的にもギリギリなんじゃないでしょうか（笑）。

雨宮：私は麻美が登場するとワクワクしちゃいます！　次はどんなことをしでかすのかと（笑）。

悠木：存在がダース・ベイダーみたいなところあるよね（笑）。私の中では麻美が登場するとき、ダース・ベイダーのあの音楽が流れます（笑）。

――麻美はラスボスヒロインと称されるだけあって、PVでも存在感を放っていますね。

悠木：麻美は絶対に負けない女の子ですね。千鶴が真っ向勝負で白黒ハッキリさせるタイプだとしたら、彼女は心理戦で全てをグレーにしてしまう。私自身、白黒ハッキリさせないと気持ち悪いし、オブラートに包むことが苦手ということもあり、私のなれなかった類の女性だと感じました。

ただ、麻美は裏表が激しく、ラスボスのような描かれ方をしていますが、自分を偽って生きているという度合いで言うと、レンタル彼女たちと同じなのではないでしょうか。本作を楽しむにあたって、その点をどう捉えるのかが大事だと思います。

――たしかに「負けない女の子」という表現がしっくりきます。

悠木：負けないために白黒つけない生き方をしていますよね。それを賢いと感じるのか、ずるいと感じるのかは人ぞれぞれですが、世の中にこういう人がいることは間違いないです（笑）。

同時に、そんなリアルさがきちんと描写されている『かのかり』が改めてすごいと思って。キャラクターとしてしっかり立っているので、演じてもとても楽しかったです！

――リアル過ぎてどこか不気味にも感じます。

悠木：現状、麻美は芯の部分をまだ見せていないので、どこまでも病んで見えますし、私も怖いと感じています。「彼女の人間性を理解したとき、私たちは麻美に落ちるのだろう……」と思ったりも（笑）。

ただ、単純に怖いだけなら（オーディションに）受かる自信があって。私自身が怖いと感じていたからですね。でも、「ちょっとでも可愛く仕上げてほしい」と言われたら絶対に無理だとも思っていて。なので、「麻美役、はまってますよ」と言われたときは安心しました。

視聴者の方には彼女がつくりあげるヒヤヒヤ感を味わってほしいです。本人なりに頑張っているはずなので、嫌いにはなってほしくないのですが（笑）。

――麻美の生き方、レンタル彼女との関係など、リアルな描写が視聴者にどう映るのか気になりますね。

悠木：私自身、リアル過ぎて最初は「女の人が描いている作品なのかな？」と思っていました。千鶴の男前な姿だったり、麻美のいわゆる陰湿な女の子っぽさだったり、女性ならではの観点で描かれているので。

先生が男性と知った際は、女心の少し陰湿な面が男性にも伝わっているのだと驚きました。世の男性たちは麻美のような女性をわかって受け入れているのだと（笑）。

――麻美だけでなく、どのキャラクターもリアルな一面があって魅力を感じます。

悠木：千鶴のようにどこまでも鉄壁な女性もいますからね。可愛いだけに留まらない、リアルな一面を持ったキャラクター像も魅力だと思います。

あと、大学生たちの恋愛に対する空気感もリアルですね。大学生の頃の私はすでに仕事にベクトルを向けていたこともあって直接関わりがありませんでしたが、くっついたり離れたりする人をよく見たり、恋に関する噂話が耳に入ったり。中には彼氏彼女の有無で競い合う人たちがいたそうで（笑）。

そんなことがあり、「そういう人たちいたわ～（笑）」みたいに大学生の頃を思い出したり、当時の友人たちがどんな心情だったのかをなんとなく理解したりしました（笑）。