凛×原田謙太による新ユニット「ダ・ヴィンチ:ポワロ」| 島崎貴光Pも交えてクロストーク「この曲を聴いた子どもたちが、いつか“懐かしい”と思ってもらえたら」
絶賛放送中の『トミカ』発売50周年記念アニメ 『トミカ絆合体 アースグランナー』のエンディング主題歌を歌っているのは、「ダ・ヴィンチ:ポワロ」。
その正体は、ボーカリストの凛さん、原田謙太さんによる新ユニットです。主題歌「僕らがヒーロー」は好評配信中で、このたび、新MVが公開になりました。
ダ・ヴィンチ:ポワロの凛さんは、元・ハロー!プロジェクト・シェキドルのメンバーで、2007年からはじめた自身のアーティスト活動でアニメ『クロスファイト ビーダマン』『カードファイト ヴァンガード』の主題歌の歌唱し、ほかにも、声優・アーティストの仮歌やコーラスを担当する“仮歌シンガー”、さらにアニメ『遥かなる時空の中で』や、井上和彦さんや柿原徹也さんなどへの作詞提供を行う“作詞家”としても活躍しています。
一方の原田謙太さんは、アニソンバンドReyのヴォーカリストとして、アニメ『トランスフォーマー アニメイテッド』『獣旋バトル モンスーノ』などの主題歌を歌唱してきました。バンド解散後も、ソロアーティストとして、アニメ、ゲーム主題歌に関わっています。
そんな実力派二人をサウンドプロデューサーとして支えるのは、SMAPの「はじまりのうた」や、アニメ『ハクション大魔王2020』の音楽プロデュースなどを手掛ける島崎貴光さん。凛さんのプロデューサーでもあります。
長年アニソンシーンに関わってきた3人が、ストレートな熱さで攻めた「僕らがヒーロー」。実はこの曲には、アニソンに対する愛情と、アニソンシンガー/プロデューサーとしての使命感も込められていました。アニメイトタイムズでは、島崎さんも交えたクロストークで「僕らがヒーロー」の奥深さを紐解きます。
繋がってきた仲間たち ダ・ヴィンチ:ポワロ結成秘話
――まさに、アニメ『アースグランナー』のタイトル“絆(キズナ)合体”という言葉がピッタリのユニットだと思います。どんな経緯で、結成に至ったのでしょうか。
島崎貴光プロデューサー(以下、島崎):それは僕から順を追ってお話したほうがいいかもしれません。まず、アニメの制作側から、「主題歌を歌唱するアーティストを探している」といったご相談を受けたんです。
本来はソロのアーティストをプレゼンすることが多いのですが、「あの二人のユニットで提案したらどうだろう?」と。そしたら、その提案を面白いとおっしゃっていただき、話が進んでいきました。
こうして話すと急な発案のように感じられるかもしれませんが、実はずっと考えていたことでした。僕らはランティスでレーベルメイトとして繋がっていて、2011年あたりからずっとつながりがあったんですね。
原田謙太さん(以下、原田):そうです。当時僕がやっていたラジオ番組に、凛ちゃんがゲストに来てくれたのがはじまりで。その時に凛ちゃんのプロデューサーである島崎さんも同席されていたんですね。
凛ちゃんは僕のことを年上だと思っていたらしくて、「はらけんさん」と呼ばれていたことを覚えています。実際、僕自身も自分が年上だと思っていたのですが……。
凛さん(以下凛):その後、私が年上と気付いて、「はらけん」といじりはじめました……(笑)。
原田:(笑)絶対に年下だと思っていたので、衝撃でしたよ!
島崎::こんな感じのフランクな仲間なんですよ(笑)。いい感じにつながっていきました。如実に距離が縮まったのが、『CR戦国無双-猛将伝-』(2016年)の主題歌のお仕事でした。
「パワーのある、オススメの男性ボーカルがいたら紹介してほしい」という相談を受けたので、即(原田に)声をかけたんです。女性ボーカルも入れたいなと思って、コーラスとして凛に声をかけて。
それで完成したのが、「秀吉、ありじゃろ歌(か)」という曲でした。
――じゃあ、既に前身というべき存在があったんですね。
島崎::そうなんです。ここで面白いエピソードがあって。仮歌を凛にお願いしていたんです。だから、コーラスじゃなく、通しで歌った音源が手元にあったんです。
その音源を使って、二人の声を勝手にミックスしてみたんです。世にも出さないし、使うこともないものなんですが、プロデューサーとしての好奇心で(笑)。そしたら、すごく良かったんですね。
凛:私たちは知らなかったんですよ(笑)。
島崎:言ってないですから(笑)。最初は興味本位で作ったものだったのですが、あまりに良かったので、「いつか絶対にやりたい」と密かに思っていたプロジェクトでした。あと、今作の主人公が双子の男の子だったので、ユニットでもハマるんじゃないかなと。
あと、元々ふたりともタカラトミーさんの曲を歌っていて。凛はTVアニメ『クロス ファイト ビーダマン』のオープニング/エンディング主題歌がデビューシングルですし、はらけんに至っては、「デュエル・マスターズ」に関わる曲をずっと歌っていますから。
原田:デビューからずっとお世話になってますね。
――シンプルな言葉で言うと、本当にご縁があったというか。
原田:本当にそう思いますね。
――そこからはどういう流れで?
島崎:12月末に話がきまって、12月中にデモをくださいと。
――(笑)結構なスピード感ですね。
凛:「もしかしたら、このユニットが決まるかもしれない」ってご連絡を島崎さんから受けて、その2日後に「決まったよー!」と(笑)。
島崎:年末にデモを完成させて、年明けに詰めていって、1月23日にレコーディングしました。ただ、イメージは完成していた分、そんなに苦労はなかったです。デモさえ渡せば、対応してくれる二人なので、安心感もありました。