音楽
石原夏織 2ndアルバム『Water Drop』アルバムを本人が語る|インタビュー

石原夏織 2ndアルバム『Water Drop』インタビュー第2弾:多彩なジャンルの“ひとしずく”が集まったアルバムを本人が語る!

アルバム後半はバラードからダンスパート、そして爽やかに締めくくる!

07. キミしきる

作詞:やなぎなぎ 作曲:石川 慧 編曲:菊谷知樹

――「キミしきる」もタイトルの意味が最初わからなかったです。

石原:「キミしきる」というタイトルは、「君(キミ)」と「降りしきる」を合わせた造語なんです。大切な人に「そのままの君でい続けてね」という意味合いでつけていただきました。造語なのでここにしかない言葉なんですけど、すごくやなぎさんらしいなと思って。一見わからないのも素敵ですよね。

――やなぎさんとはご自身名義の曲では初めてになりますが、TVアニメ「色づく世界の明日から」のキャラクターソング「ささやかな光」(作詞・作曲を担当)でご一緒しています。やなぎさんの印象はいかがですか?

石原:テーマとして「そのままの君でいてね」とだけお願いしたら、冒頭で「キミのかたちは 四角いかな 丸いかな」とあって。個性や一人ひとりの良さを形で表現してくださるんだと、すごく感動しました。

「色づく」の曲は瞳美(石原さんが演じる月白瞳美)のことを歌っているんですけど、「キミしきる」はすごく自分自身にも繋がる部分があるし、他の人が聴いても考えさせられる内容になっています。それがわかりやすい言葉で並んでいるのがいいなと思いました。私には絶対思いつかないです。

――その言葉をのせたバラードを、とても優しく歌われています。歌う時にはなにか意識したのでしょうか?

石原:「自然とこうなった」というのが近いかもしれないです。完成したのを聴いたら、自分でも全然歌い方や声の出し方が違うなと感じましたが、それは内容や曲の雰囲気に心が赴くまま歌ったからだと思います。でも、先ほど話した冒頭のフレーズは、すごく気に入ってるからこそ緊張しましたね。どう表現してあげたらいいんだろうとすごく悩みました。

――すごく素敵に表現されていると思います。個人的には劇場版の作品で流れそうな感じも受けましたね。

石原:嬉しいです!

08. Diorama-Drama

作詞:藤林聖子 作曲:中村 歩・TETTA 編曲:APAZZI

――バラードの後は、衣装チェンジしてスイッチが切り替わるようなダンスナンバーが並びます。まずはクールで大人っぽさのある「Diorama-Drama」。

石原:アルバムの中の他の曲とも、今まで歌ってきたダンス曲ともテンション感が違っていて、また新しいところに挑戦できたと思います。こういう雰囲気の曲をいつか歌いたいと思っていたんです。最初はいつも寄りのダンス曲でコンペするつもりだったのですが、そうしたらこの曲があがってきて。当初の予定とは違うけど、やってみたいと思っていた曲に出会えたので、これがいいですとお願いしました。

――待望の楽曲だったのですね。実際に歌ってみていかがでしたか?

石原:今まで歌ってきてないこともありましたし、リズムも難しかったので、置いていかれないようにするのが大変でした。内容的には凛とした女性の世界観が描かれていて、年齢は自分よりちょっと上かなと感じましたが、違和感なく歌えたと思えます。ただ、冒頭の英語はすごく難しかったですね(笑)。

――英語の楽曲はあまり得意ではない?

石原:もともと家で英語の曲を歌ったりしていたので耳馴染みはあったんですけど、いざこうやって正式なCDになる曲として歌うのは慣れていなくて。すごくドキドキしました。

――先日のライブでも可愛さだけではない一面を見せていましたし、この曲はステージで歌うならどんな感じになりそうですか?

石原:すごく楽しそうだなと思います。「Taste of Marmalade」(4thシングル「Face to Face」カップリング曲)とかもそうなんですけど、“自分じゃないモノ”になるのが好きみたいで。しかも、意識してやるよりも勝手になるのが好きなんです。この曲はまさにそういった類になりそうだと感じていて、歌う時にすごく気持ちが高まりそうなのが楽しみで仕方ないです。

09. TEMPEST(TVアニメ「魔王様、リトライ!」OP主題歌)

作詞:こだまさおり 作曲:よる。 編曲:岩橋星実(Elements Garden)

――カッコいい曲のゾーンとして、続く「TEMPEST」は何度も歌ってきた曲ですね。歌い続けてきてイメージが変わった部分はありますか?

石原:カッコいい曲というイメージは変わっていないんですけど、この曲はイントロがかかるとみんなのテンションが上がっていくのを何回も体感しているので、自分もすごくテンションが上がります。歌っている時だけじゃなく、聴いている時にもすごくテンションが上がる曲になりましたね。あと、作品のオープニングテーマだったので、これで私の曲を知ってくれた方も多く、みんなと繋いでくれた曲というイメージも強くなりました。

10. SUMMER DROP(テレビ朝日系全国放送「musicるTV」7月度OPテーマ)

作詞:磯谷佳江 作曲:三村一輝 編曲:ArmySlick

――同じようにこれから定番曲となりそうなのが「SUMMER DROP」です。先程も少しお聞きしましたが、改めて王道サマーソングであるこの曲についてお聞かせください。

石原:どういうサマーソングにするか悩みましたけど、やっぱり自分らしく、なおかつ今まで持っていなかった可愛いダンス曲が一番合いそうだなと思ってこの曲に決めました。レコーディングは夏までに期間がある時だったのですが、夏を先取りする気持ちになりましたし、とてもふさわしい曲になったと思います。

――レコーディングで何か意識したことはありますか?

石原:この曲はアルバムの新曲の中で最初に録った曲なんです。しばらく何も歌っていなかったので、テンションを上げて歌ったつもりだったのに暗かったみたいで(笑)。「もうちょっとテンションあげて欲しい」と言われて、いつもよりさらにスイッチを入れて歌うようにしました。元気に歌うのが久しぶりで、調整が上手くできなかったみたいです。

――イントロでしずくの音から始まるのも印象的です。

石原:そうなんです。波のような音とか、要所要所で生の水っぽい音が入っているんですよ。そういう遊び心もいいなと思います。

――テンションを上げて歌ったとのことですが、その中でも特にテンションが上がるところはどこですか?

石原:やっぱりサビですね。「飛び出そう!」から「Ready Go!」と行くところがすごく気持ちが良くて。MVを見ても、いい笑顔をしているなと思いました(笑)。あと、ラスサビ前は「行くよ」と決めが入るんですね。ダンサーのみんなとも話していたんですけど、ここが上手く決まると本当に気持ちいいです。

――MVの収録はどうでしたか?

石原:すっごい楽しかったです。私のMVって背景がモノトーンだったり、カッコいい要素の強いものが多かったので、初めてこんなにポップで可愛い感じに作っていただきました。置いてある物も色が可愛かったですし、何よりもダンサーのみんなに初めて演技で参加していただいて。普段、楽屋で喋っている感じがちゃんと出ていて好きだなと思いました。喋りすぎてすぐに声が枯れちゃったぐらい、みんなで楽しく夏を感じながらの撮影でしたね。

――先日のツアーではダンサーさんがいろいろハプニングを起こしたと話していましたよね。今回の収録では何か起こったりしましたか?

石原:ダンサーちゃんたちはカメラの前で演技するのが初めてなので、目線をどこに置いたらいいんだろうって戸惑っていました(笑)。私は一緒に撮られていたので気づかなかったですが、メイクさんチームがすごく可愛かったと話してました。あと、ビーチバレーのシーンでは、私が下手すぎてズッコケたり……足を引っ張っているなと思いました。

――ビーチバレーだけじゃなくサーフィンも出てきますね。

石原:ビーチバレーは苦手ですし、サーフィンに関しては一度もやってことないです。なので、想像のサーフィンをお届けしました(笑)。

――ドライブをイメージしたシーンも出てきますが、車の免許は?

石原:持っています。運転は全然していないですけど。

――ということは、MVではできないものが次から次へと出てくるのですね。

石原:そうです。基本できないこといっぱいやっています(笑)。

――そして、CD+BD盤やCD+DVD盤にはMVのダンスバージョンも収録されます。今回のダンスのおすすめポイントを教えて下さい。

石原:言葉で説明するのは難しいんですけど、間奏で手を回しながら足をあげる振りはインパクトがあるなと思いました。みんなで肩を上下に動かしてポーズするシーンもキュートで、個人的にはすごくおすすめです。きっと真似してみたくなる振りがいっぱい凝縮されていて、踊っていてすごく楽しかったです。

11. Page Flip

作詞・作曲:渡辺 翔 編曲:白戸佑輔

――ラストを飾るのは「Page Flip」。ライブのアンコールにも合うような、爽やかで素敵な曲ですね。

石原:爽やかで疾走感があり、ちょっと未来を感じる曲です。歌詞もすごく好きなんですよ。自分が歩んできた思い出や、みんながいなかったらできなかったことが積み重なっていって、これからも一緒にページを埋めていこうよ、みたいな歌詞になっているので。

――作詞・作曲の渡辺翔さんは、TVアニメ「推しが武道館いってくれたら死ぬ」OPテーマ「Clover wish」を書かれていますよね。石原さんはこの作品に共感したと話していましたし、今度は石原さんのことをイメージして書いたと思うと感慨深いです。

石原:自分名義の曲としては渡辺翔さんに書いていただくのが初めてだったんですけど、なんでこんなに私のことを知っているんだろう? と思う歌詞にびっくりしました。

実は1stライブツアーの東京公演で「Clover wish」を歌うということもあって、見に来てくださったんです。翌々日ぐらいにあった別のキャラソンのレコーディングでお会いした時に、その話をしてくださって。場面場面で私が話したことなどを聞いて、そこから膨らませて書いてくださったのかと思うと本当にありがたいです。

――編曲は白戸佑輔さんが担当しています。白戸さんはTwitterに「爽快スコーン一発!って感じに聞こえるけど意外に細かいです(たぶん)」と書かれていたのですが、歌った本人として感覚わかりますか?

石原:そうですね……スカッとした感じはありますね。あ、でも、「スコーン」か(笑)。

――言葉の使い方も白戸さんらしいですよね。そんな楽曲のレコーディングはいかがでしたか?

石原:すごく面白かったです。渡辺さんと白戸さんがお二方とも来てくださって、基本的に白戸さんが録ってくださり、渡辺さんから「ここはこんな感じで1回やってみて欲しい」みたいにリクエストいただきながら進めていきました。やってみて、いいねということもあれば元に戻そうとなることもあって、実験的な感じに録っていったのが思い出深いです。和気あいあいとしながら、全員で作った感覚が強いですね。

未来への1ページ目は「素直な自分でいてね」

――秋にはアルバム購入者が応募できる『石原夏織 AUTUMN EVENT「ONE DROP」』も予定されています。イベントへの意気込みをお願いします。

石原:アルバムのイベントということで、この楽曲たちのどれかをミニライブで歌うと思います。何を歌うかはまだ決まっていないですけど、どの曲も本当に真心を込めて作りましたので、早く皆さんに披露して、皆さんがどんな風に楽しんでいただけるかこの目で見られることを楽しみにしています。今までより難しい曲も多いですが、一生懸命練習していい姿を見せられるように頑張ります!

――アルバムのリリース翌日には誕生日を迎えられます。失礼かもしれませんが、10代のイメージも強かったので27歳と聞いて驚きました。

石原:私もそう思います。27って衝撃を受け入れられないです(笑)。

――ということで抱負をお聞きしたいのですが、今回は「Page Flip」の歌詞「書き出しはいつも大切な言葉」にちなんで、27歳の新たな1ページはどんな言葉から書き出したいか教えて下さい。

石原:そうですね……「素直な自分でいてね」と書きたいです。これは自分のテーマとしてずっと大事にしていることなんです。自分自身が感じたことや思ったこと、その“感覚”を大切にして、素直に言えるのが大事だなって。なので、この言葉を書きたいですね。

――とてもいい言葉ですね。大人になると周りに気を遣いすぎて、自分を出せなくなることもありますから。

石原:そうなんですよ。簡単そうでとっても難しいことなので、悩んだ時には自分に言い聞かせたいなと思っています。

――新たな未来への1ページ目はこの言葉から始まるということで、今後も楽しみにしています。ありがとうございました!

[取材&文・千葉研一]
 

CD情報

 

 

 
 

発売日:2020年8月5日発売予定
価格:CD+BD盤/4,180円(税込)、CD+DVD盤/3,960円(税込)、通常盤/3,080円(税込)

≪収録内容≫
【CD】
01.Face to Face
作詞:松井五郎 作曲:俊龍 編曲:黒須克彦・長田直之
02.タイトル未定
作詞:只野菜摘 作曲:大竹智之 編曲:太田雅友
03.Water Front
作詞:しほり 作曲:理沙・工藤政人 編曲:工藤政人
04.夜とワンダーランド
作詞・作曲・編曲:クボナオキ
05.リトルシング
作詞・作曲・編曲:kz(livetune)
06.Crispy love
作詞:知念 結 作曲・編曲:藤末 樹/齊藤湧太
07.キミしきる
作詞:やなぎなぎ 作曲:石川 慧 編曲:菊谷知樹
08.Diorama-Drama
作詞:藤林聖子 作曲:中村 歩・TETTA 編曲:APAZZI
09.TEMPEST
★TVアニメ「魔王様、リトライ!」OP主題歌
作詞:こだまさおり 作曲:よる。 編曲:岩橋星実(Elements Garden)
10.SUMMER DROP
作詞:磯谷佳江 作曲:三村一輝 編曲:ArmySlick
11.Page Flip
作詞・作曲:渡辺 翔 編曲:白戸佑輔

【Blu-ray】(CD+BD盤のみ)
・SUMMER DROP(MUSIC VIDEO)
・TEMPEST (MUSIC VIDEO)
・Face to Face (MUSIC VIDEO)
・SUMMER DROP(Dance ver.)
・TEMPEST(Dance ver.)
・Face to Face(Dance Movie)
・Face to Face(Only you ver.)
・SUMMER DROP (MAKING)

【DVD】(CD+DVD盤のみ)
・SUMMER DROP(MUSIC VIDEO)
・TEMPEST (MUSIC VIDEO)
・Face to Face (MUSIC VIDEO)
・SUMMER DROP(Dance ver.)
・TEMPEST(Dance ver.)
・Face to Face(Dance Movie)
・Face to Face(Only you ver.)
・SUMMER DROP (MAKING)

特典情報

アニメイト特典

・A3クリアポスター(絵柄:撮りおろし写真使用)

・缶バッジ(56㎜)(絵柄:撮りおろし写真使用)

メーカー特典

石原夏織 2ndアルバム「Water Drop」発売記念イベント「CARRY MEETING -Water Drop-」シリアルコード

封入特典

ミニ写真集「A」(初回)※CD+BD盤のみ
ミニ写真集「B」(初回)※CD+DVD盤のみ
三方背ケース(初回)※CD+BD盤、CD+DVD盤
イベントチケット優先販売申込券(初回)

石原夏織オフィシャルサイト

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