『学芸大青春』1stアルバム「HERE WE ARE !」リリース記念ロングインタビュー後編|『学芸大青春』として世界中を“青春”まみれにしたい
「Maybe Maybe Not」で初めて苦戦してるところを見たかも
――「星になれ」のサビで美しいフレーズを歌った流れで、仲川さんのソロ曲「Maybe Maybe Not」に突入します。
仲川:この曲は「雨」をキーワードにして歌ってるんですけど、その雰囲気に合わせて僕の声にエフェクトがかかってたり、トラックの一個一個の音も雨の音に聞こえるような曲になっています。
この曲には将綺が参加してくれていて、将綺が歌っているところでは、僕が実際に作ったピアノを弾いているんです。そこでもいろいろな雨を表現してみました。
キーが高かったので僕もすごい苦戦したけど、逆に女性の方でも歌いやすいと思います。ぜひ覚えてもらって、歌ってもらえたらなって思います。
内田:そういう楽しみもあるよね。
星野:あと印象的だったのが、けっこう蓮が苦戦してたよね。家で練習してたとき、キーを出すために叫んでたりとか。
南:たまに部屋で叫んでたよね。
内田:そう。蓮って普段はあんま高音で苦労しないタイプなんだけどな。
南:でも、サビの一部分ですっごい高いとこあるもんね。
星野:その叫びが聞こえて、最初機嫌が悪いのかなって思っちゃって。怒ってんのかなって。
南:珍しくね。蓮が叫んでたからね(笑)
内田:蓮の前で言っていいのか分かんないですけど、一緒にスタジオで練習してるときに「ああ、もう!」って言っててね。
南:分かる! 可愛いよね(笑)。
仲川:(照)。
内田:蓮が感情的になってる! ってビックリしたよな。
星野:うん。初めて苦戦してるところを見たかも。
内田:ああ、蓮ってこんな感情出るんだ、って。だから逆に俺はちょっと嬉しかったです。俺の前でもそんな悔しがってくれるんだ、って。
――ソロ曲をキッカケに新しい仲川さんが見えてきたということですね。
南:そうですね。楽曲も素晴らしいですし。「Maybe Maybe Not」は蓮の声だからこそ活きる曲なんだなって。やっぱり雰囲気が違うよね。ここでガラッと変わる。
「That's shape of my love」は100点の仕上がりに
――続いては2ndシングルの「youthful days」。こちらはK-POPっぽいといいますか、メロディーが印象的でした。
星野:この曲のデモをいただいたときに一番「ゾワゾワゾワっ!」ってしたよね。
南:うん! したね! メロディーが鮮明に残ったよね。頭の中に。
内田:いっちばん興奮した。
星野:こんなにすごい曲を歌えることの喜びと、大丈夫なのかな? っていう。
南:不安もすごかったよね。
――デビュー曲の「JUNES」は日本の正統派ボーイズグループという印象の楽曲でしたが、2曲目の「youthful days」でもっとグローバルな音楽性があるグループなのだと強く思いました。
南:すごい苦労した曲だよね。
星野:リズムの取り方にかなり苦労したのを個人的に覚えていて。
南:かなりスウィングしてる曲なんだよね。
星野:「タッカタッカ、タッカタッカ」っていうリズムの取り方に気付くのに時間がかかっちゃって。「自分たちの曲だから自分で解決しなきゃ」っていう意識がどこか頭の中にあって、悩みに悩んで、でも解決しなくて、ってときにボイトレの講師の方だったり、スーさんだったり、メンバーだったりに相談して、この音楽はこう取ればいいのか! って発見できて。
南:跳ねるしね。
星野:そう! 「跳ね感」っていうのかな。それを発見したときに。
南:道が見えたよね。
星野:そうそう。
南:それまでは歌ったのを録音しても「なんか違うんだけど、なにが違うんだ?」ってなってて。やっぱ後ろの音とハマってなかったんだよね。
星野:今までの曲で初めて、後ろの音をよく聞かないと声を乗せられないなって思った曲ですね。
――11曲目は「JUST」。「Don't leave me alone」のときにも少し触れましたが、改めてどんなところがポイントでしょうか?
南:そうですね。「Don't leave me alone」の表題のシングルとして出している曲なんですけど、メンバーそれぞれの声が一番ストレートにくる曲かなって、最初聴いたときから思っていて。音数も少ないし、みんなが囁くように歌う、っていうのを初めに苦労して挑戦したのがこの曲なんじゃないかなって思います。
内田:そうだね。
南:最初、プリプロのときとか、みんな自分が用意したものを持っていったじゃん。そこで、「あ、こういう感じなんだ」ってビックリしたんだよね。
内田:あー、確かに!
相沢:そうだね。
南:歌い上げるようなイメージで持っていったりすると「そこはプツって切るような、置いてくる、囁くような歌い方をしてほしい」みたいなアドバイスをいただいて。こういう歌い方があるんだ、ってそれぞれが新しい引き出しを掴んだ曲だったのかなって思います。
内田:レコーディングらしさというか。
南:うん。
内田:ホントにマイクに近づいて囁くだけ、みたいなフレーズもあったので、レコーディングならではの感覚も覚えた曲ですね。
――6枚目のシングルで、新たな感覚も知ったということで、レコーディングにもいよいよ慣れてきた、という感じでしょうか。
星野:いやいや~、まだ全然(笑)。
内田:でも確かに、出来上がったときの自信はあったね。
南:そうだね! でも、慣れてきたからこそ、最初のプリプロでまた一個壁が来た感じがしたよね。今までで得たものをぶつけたら、それじゃなかったっていう。
しかもこの歌詞もさ、いろんな捉え方ができる歌詞じゃん。サビの「靉靆(あいたい)運命」とかも、人によって「あいたい」って言葉の捉え方がたくさんある歌詞だからこそ「どういう思いで歌えばいいんだろう?」って考えないと難しかったよね。
――確かに皆さんの表現の幅がグッと広がってきたような印象がありますね。出だしの星野さんの歌声からがっちりと世界観に引き込む感じだとか、ダンスの振りなども印象的で。
星野:自分たちの歌と、振付がすごく合ってるよね。
南:うん!
星野:この2つなくしては「JUST」って言えないんじゃないかって。
南:そうだね。
俺らが演じた3Dドラマ『漂流兄弟』がまさに時空を超えるお話で、その主題歌なだけあって、ちょっとフワっとした、次元を超えるイメージのような振付だから、それもマッチしてるよね。
内田:1番と最後で全然違う曲を歌ってる感覚に陥って。それが新しい感覚でしたね。
――『漂流兄弟』を観直してから聴くことでも、また違った発見があるかもしれませんね。続いては相沢さんのソロ曲「That's shape of my love」です。
相沢:この曲は愛する人への、男らしくてストレートな気持ちを歌った曲になってます。初めてひとりでメインパート、ハモリ、コーラス、フェイクと全部やらせていただいたので、そのぶん分量も、やらなきゃいけないことも多くて、プリプロのときから苦戦しました。
メインが一番大事なので、しっかり自分が歌いたいように歌おうと思ったんですけど、そうするとハモリもニュアンスを合わせなきゃいけないとか、コーラスとかフェイクもちゃんと自分が表現したいものをやらないといけないとか、全てをやっていたら、けっこう難しくて。
プリプロが終わった後、自分で全然納得がいかなかったんで、家帰ってからもずっと練習してました。しかもそれを将綺にたまたま聞かれてて。「勇仁、ずっと歌ってたべ昨日」って言われて恥ずかしかったです(笑)。
でも、それぐらい苦戦して作り上げた初めてのソロ曲ですし、本番のレコーディングでは納得のいくものができたので、ぜひ聴いてほしいなって思いますね。
――ひとりですべて作り上げてみると、改めてメンバーの心強さみたいなものも感じたのではないでしょうか?
相沢:そうですね。単純に歌う分量がいつもは少ないんで、自分が歌うパートを集中的に聴いたり、練習するんですけど。ひとりだとバランスよく全部練習しなきゃいけないし、ひとりで最初から最後まで曲の世界観やストーリーを作り上げていかなきゃいけないので。
いつもだったら「前のメンバーがこう歌ってるから、こう引き継ごう」と考えるんですけど、それを全部ひとりでやらなきゃいけなかったので、考えつつもそのとき自分が気持ちいいものをやっていく、ということが初めてで、最初は慣れなくて苦戦しましたね。
――ずばり、自分的に仕上がりは何点でしょうか?
相沢:100点かな。
4人:おお~。
内田:でも伸びしろも残しとこう!
相沢:いや、違う。今の俺だったらまた違うものができると思うけど、あのときの俺だったら全力出し切れたかなって。だから100点だね。