XFLAG×SCANDAL:オリジナルショートアニメ「XPICE」インタビュー|"勇気と理解"、"共に闘うこと"をテーマに音楽×映像で表現
「XPICE」の奥深い世界観、スパイスたちの今後にも注目!?
――自分たちの音楽と映像が合わさった「XPICE」見た感想をお願いします。
HARUNA:まず映像がすごくきれいで驚きました。Vコンテから始まったので、そこからこんなにすごいアニメーションが生まれるんだ!と驚きましたし、歌詞が台詞代わりのようになっていて、自分たちで言うのもなんですけど、すごくマッチしているなという感動がありました。ちょっと涙が出ちゃいましたね(笑)。
MAMI:アニメのクオリティが単純にすごくて、スッとアニメの世界に引き込まれました。私も何でか分からないけど泣けちゃうんですよ!
バンドの状況や、個人個人の思っていることにもマッチした作品だったんだなと思ったし、看板や通行人など、細かいところまですごく作り込んでいて、これは何度でも楽しめるやつだ!と思いました。
TOMOMI:しつこいですけど、泣けました(笑)。優しさも感じたし、キャラクターの心の移り変わりがすごく鮮明に感じ取れるんですよ。
色彩やディテールもスタイリッシュでかっこいいし、きれいだし、ワサビちゃんの最後の攻撃も本当にきれいで、写真に収めたい!と思いました。素敵だった! 映像から匂いも感じられました。
――リアリティさはすごくありましたよね。
加藤:そこはこだわっていたところで、架空の世界で、キャラクターもどちらかというとデフォルメされた表現なんですけど、ちゃんとそこにキャラクターたちが生活していて息づいている世界なんだよ、というリアリティさは表現したかったので、細かいディテールはチームのみんなで頑張ったところですね。
RINA:私も電車で映像を見て、うるっと来てましたね(笑)。キャラクターの表情の繊細さに驚いて、気持ちが伝わってくるんですよ。
アニメーションってこんなに心を動かされるものだったんだと、そのすごさをあらためて感じたし、町並みの無国籍感、どの国にも見えるところがすごいなと思いました。
それ、と最先端のCG技術と手描きの手作り感が合わさっている作品だと聞いて、最先端なんだけど丸みと温かさがあって、アニメーション自体に人間味があるし、映像自体にメッセージ性が浸透している感じを受けました。
――SCANDALも出てきましたしね。
RINA:うれしかった!
MAMI:めっちゃ感動しました。
HARUNA:ワサビちゃんの部屋にあったポスターのようなものを、自分たちで作りましたもん(笑)。
――映像制作の話ですが、もともとのVコンテに「SPICE」をはめて、そこからさらに変更をしつつ完成させていったのですか?
加藤:そうですね。楽曲をいただいた時点で、すでにあるVコンテにもマッチしていたんですけど、楽曲から受け取った印象を元に、表情や仕草などを細かく調整していきました。あとは音に映像の切り替わりのタイミングを合わせて気持ちよくしていく感じですね。
楽曲から受け取ったところで言いますと、作品の山場のところで、ワサビが覚醒して自分の力に驚くカットがあるんです。
実は、もともとそこはスッと立ち上がるだけだったんですけど、ちょうど《僕に何ができるかなんて分からないけど》と歌っていたので、それだったら、自分の力を確かめるように、こんなことが自分にできたんだと思うシーンにしたほうがいい、ということになったんです。
ワサビが持っていなかった自信を段階的に獲得していく表現になっていたらいいなと思います。
――映像によって、歌詞がすごく入ってきますよね。
加藤:当初考えていた以上の相乗効果が生まれたのかなと思っています。作品自体、異なる力をかけ合わせて協力することの大切さを描きたいと思ってテーマを考えたんですけど、それをこのプロジェクト自体で体現したいという思いもあったんです。
パートナーとして協力している会社との力、そこにSCANDALも加わって、いろんな人の強さが掛け合わさった結果、すごいものができるんだぞということを証明したかったので、それは実現できたのかなと思っています。
――エンディングで、この作品の主人公のレッドペッパーとワサビに仲間がいたのが気になりましたが、あれは?
加藤:ひとりはガーリックで、もうひとりの女の子がミントです。機会があれば彼らも含めた物語を作りたいと思っているんです。
――スパイスは奥が深いから、作品としてどこまでも広げていけそうですよね。
加藤:今回単体として1本作りましたが、世界観の奥行きだったり、それぞれのキャラクターの持っている葛藤だったりは、ある程度構想を練った上で作っているので、次を作ろうと思えばいつでも作れる状態なんです。なのでこれからも作っていきたいですね(笑)。
――ちなみにSCANDALは、どんなスパイスが見てみたいですか? これはもちろん公式設定ということではないのですが。
RINA:えー! むずい!
MAMI:スパイスってヒーローだけですか?
加藤:いや、実は悪の集団の中身もそれぞれ個性的なスパイスなんです。エンディングに出てきた緑と紫の敵はシソという名前なんですよ。
一同:(笑)
MAMI:悪の集団ガラムマサラ!みたいなのは、かっこいいなと思いました(笑)。
TOMOMI:シナモンがいいかな。でも、本当に続きが見たいですね。ガーリックたちの話とか、途中で出てきた猫とか、気になることもいっぱいあったので。
HARUNA:私が好きなスパイスは、ホースラディッシュかな。和でもいけるし洋でもいける万能スパイスなので。そしてワサビちゃんの友達! みたいな(笑)。
RINA:今、スパイス/種類でググってますけど、何だろう……ジンジャーとかは見てみたいですかね。
加藤:実はキャラクターとしてデザインは起こしてはいますね。まだ設定は決めていないですけど。
RINA:いるんだ! でもジンジャーは見てみたいです。
――スパイスたちが活躍する続編が作られることを、期待していますね!
[取材&文・塚越淳一]
商品情報
SCANDAL/「SPICE」
アニメ『XPICE』作品情報
イントロダクション
このプロジェクトは「異なる力の掛け合わせで世の中にないものを生み出し、世界に発信する」、「それぞれの力、それぞれの才能を掛け合わせることで、一人では生み出せない“ケタハズレ”を生み出す」ことを信念に掲げ、クリエイターやアーティストのコラボレーションにより、新たなカルチャーを生み出すことを目的としたクロスクリエイティブプロジェクトです。
プロジェクトの第一弾となる本作「XPICE」は、“勇気と理解”、そして“共に闘うこと”をテーマに、悪の勢力から市民を守るヒーローたちの活躍と成長を、アニメのシナリオと映像、そして「SCANDAL」の描き下ろし楽曲をクロスさせることで表現したオリジナルショートアニメーションです。
ストーリー
舞台は様々な人や文化が交差し個性がぶつかり合う「香京(コウキョウ)」
突如、街に襲い掛かる謎の集団「ZEROGRAM(ゼログラム)」から人々を守るために現れたのは、ヒーロー組織「XPICE(エクスパイス)」のメンバー「レッドペッパー」と「ワサビ」!
熱エネルギーを操る力を持つペッパーと、傷ついた市民を治療する治癒能力のワサビ、それぞれの特殊能力を活かして見事に街を救う二人だったが……
自身が思い描くヒーロー像とのギャップに苦悩するワサビ。
突然、緊急召集のアラームが鳴る。
自分の力に自信が持てないワサビだが、仲間の危機を目にし、立ち上がる。