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映画『マロナの幻想的な物語り』吹替版:小野友樹×平川新士×夜道 雪インタビュー

映画『マロナの幻想的な物語り』日本語吹き替え版:小野友樹さん×平川新士さん×夜道 雪さんインタビュー|ヨーロッパのアニメの魅力、そして、物語に触れ感じたこととは――

8月29日字幕版が先行上映され、9月11日より日本語吹替版がスタートする『マロナの幻想的な物語り』。日本のアニメーションとは違い、全編アートというスタイルに驚くと思うが、日本のアニメファンであれば、すでに『魔法少女まどか☆マギカ』で劇団イヌカレーの世界観を知っているので、そこはそんなに構える必要はないのかもしれない。

ただ、物語はとても心に刺さるものがある。数々の飼い主の中を転々とする犬・マロナの一生を回想するもので、見たあとに自分を見つめ直し、大切なものについて考えるきっかけになるのかもしれない。

今回は、日本語吹き替え版で、マロナの飼い主を演じた小野友樹さん(曲芸師マノーレ役)、平川新士さん(イシュトヴァン役)、夜道 雪さん(ソランジュ[少女、大人])の3人にインタビューをした。

ヨーロッパのアニメの魅力、そして、物語に触れ感じたことは?

――キービジュアルから、とても魅力的に感じたのですが、ヨーロッパ(ルーマニア/フランス/ベルギーの製作)のアニメーションの印象を教えてください。

小野友樹さん(以下、小野):日本のアニメとは土壌がまったく違うし、芸術の土壌が違うし、概念から違うような感覚を受けました。海外のアニメも多くありますが、その中でも特徴的な描かれ方をしている作品なのかもしれないですが、あらゆる表現、画面の使い方や動き、いろいろなものが日本にないものだと思いました。

演じていても、人間がそこにいて話しているというより、絵画の世界というか。その空間の中での絵のひとつとしての「言葉」、あるいは「声」みたいな感じに近かったのかな。いわゆるキャラクター然として話す感覚ではなく、添えていくような感じでした。

平川新士さん(以下、平川):日本のアニメを見ている方にとっては、馴染みがないテイストなのかなと思ったのですが、声を入れる前に映像を見させていただいたとき、ストーリーライン自体がとてもシンプルだったので、そのまま楽しめたんですよね。なので、アーティスティックな絵を「アートなもの」と捉えていただければ、すごく引き込まれるし、楽しめる作品だと思います。

夜道 雪さん(以下、夜道):日本のアニメと違って、声や顔の表情で感情を表現をするというより、背景の動きだったり、人間の動きで表現している感じがしました。人間も、実際にはありえないような描写をしているんですけど、怒っているのか、悲しんでいるのか、笑っているのかがすごく伝わってくるんです。そこが新しい感じがしました。声優をやっていて、こういうお仕事は始めてだったので、こんな表現の仕方もあるんだなと驚きましたし、声優側が演技で説明しなくてもいい部分があるのが面白くて、国によって表現の仕方って違うんだなと思いました。

――物語に触れてみて、いかがでしたか?

小野:最初、かなり衝撃的な始まり方をして、そこに向かっていく過程を描いていくので、ある意味悲しいラストが約束された展開ではあったので、涙なくしては見られないような作品でした。幸せだった頃が描かれれば描かれるほど、辛くなるというか。マロナの「幸せは苦しみの休息に過ぎないことを私は知っていた」という言葉が印象的でしたね。すごく達観しているというか、かわいい子なんですけどね……。僕も「わん丸」くんというヨークシャーテリアを飼っているんですけど、だからこそ何とも言えない、切ない気持ちになりました。

平川:ワンちゃんが子供の頃からいろんな体験をしながらひたむきに頑張っていく姿は、日本人なら誰でも心打たれるんじゃないかなと思います。僕も、頑張れマロナ!って思いながら見ていました。僕もファンシーラットというペット化されたドブネズミを飼っているんですけど、オタマちゃんがあんなふうに頑張っていたら泣いちゃうと思います。だから、役を演じる前からウルッと来ていました。

夜道:私も実家で犬や猫をたくさん飼っているんです。その中でも犬ってすごく賢い動物だと思うんです。マロナのように人間の言葉や心情を理解していると言ってしまうと、すごく特別な犬のように思うけど、実際、人間の言葉や感情を分かっているんじゃないかな?って思うときはあるんですよね。だから動物を飼っている人は、自分のペットと重ねて観ることができるので、すごく身近な映画だと思いました。

平川:マロナように人間の行動や言動の意味の裏まで考えることができるのは、すごく人間らしい行為ではあるけど、夜道さんがおっしゃる通り、実際の犬も、こっちの考えていることを全て分かってるんじゃないかと思うときがあるから、そういう部分も物語に落とし込んでいるのかもしれないですね。

――自分がこの家族にとって邪魔なんじゃないかと思って、自ら離れるところとかもそうですね。

平川:そこはもう切なくて。そんなことはないんだよ!って思いました(笑)。

夜道:人間側の感情の動きがリアルなんですよね。マロナのことは大好きだけど、それ以外でも夢を追っていたり、他に大事な家族がいたり、成長していく途中の女の子だったり……。マロナだけではないところで生活しているところが、すごくリアルでした。

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