劇場アニメ『WAVE!!〜サーフィンやっぺ!!〜』前野智昭さん&小笠原仁さん&中島ヨシキさんインタビュー|海でつながっている3人。いつかみんなでサーフィンを……
中学生ならではの日常シーンにも注目!
――映画を先に拝見させていただきましたが、第一章の大洗組3人のやり取りは、とても青春っぽくて素敵ですよね。
中島:はい。彼らはすごくリズムよく軽口を言い合います。
前野:うんうん。
中島:そもそもナルはマサキのことをカナヅチで泳げないところから“コーギー”と呼んでいますが、なかなか友達には言えないことなのですごいなぁ、と。
――ちょっと間違えたら悪口みたいに聞こえますもんね。
中島:「お前は泳げないだろ、コーギー」と、バカにするときに言うんですけど、そんな軽口が言い合える仲であったり、女の子にキャーキャー言われているショウを見ながらちょっとしみじみしちゃうマサキとナルだったり、ちょっと高校生とは違う中学生ならではの色めき方が可愛いです。
そういうとこでろは、みんな違う意味での純粋さがあります。大洗組の3人でいるときは特に、そのような中学生ならではの純粋さを強く感じました。
小笠原:僕がすごく面白いなぁ、と思うのが、大洗組3人の目線から見て「あの2人良いなぁ」と、全員がそれぞれ思っているところです。
たとえば、ショウから見るとマサキとナルは昔からの幼馴染で軽口を言い合える仲で、ショウ自身もその輪の中に入って楽しくやっていますが、もっと深く繋がりあっているマサキとナルの関係に憧れている部分もあると思います。
一方で、ナルから見たら、今まで自分がサーフィンをやろうと言ってもやらなかったのに、ショウに影響されて始めるマサキの姿を見て、嫉妬とまではいかないですけど、そのような目線でマサキとナルの関係を見ているところもあるんじゃないかな、と。
そして、ナルとショウはサーファーとしての実力が互角ぐらいのキャラクターなので、マサキからしたら“あの2人みたいに……”と思うところがあると思うんです。
最初にお話したように、それぞれがリスペクトし合っている様子がペア同士でも起こっていて。本当に素晴らしいバランス関係だと思いますし、こんなに素敵な友達に中学生の頃から出会えているのは、本当にかけがえのない得がたいものなんだな、とすごく感じます。
――前野さんは大洗組3人のやり取りで好きなシーンはありますか?
前野:サーフィンをやっているシーンはもちろんですが、彼らは中学生なので学校生活の中で休み時間に言い合っている日常のシーンも大好きです。
あと、部活ではないので、誰もサーフィンをやらされている感じがないところが僕はすごく気に入っています。
サーフィンが好きという気持ちだけで彼らはやっているので、その好きという気持ちは向上心につながっていくと思いますし、学校の休み時間を使って情報交換をしたりする時間がすごく貴重だな、と。
そういう休み時間でくだらないやり取りをしている3人の関係性がとても好きですし、ぜひ注目していただきたいです。
――3人で気軽に「サーフィンに行こう!」と言うシーンもすごく良いですよね。
前野:良いですね。これが部活になってしまうとどこかしら気付かないうちに義務感が生まれてしまって、伸びしろがちょっと少なくなってしまうんじゃないかなと。
中島・小笠原:うんうん。
前野:でも、大洗組3人はそうじゃない。サーフィンというスポーツに純粋に向き合っているところが、僕は素晴らしいな、と思います。
中島:学生で、部活ものじゃないスポーツ作品って珍しいですよね。
小笠原:言われてみればそうですね。
前野:なかなかないよね。本当に趣味の延長線上でずっとやっている感じですし。
中島:基本的に自分との戦いで、男同士のバトルじゃないですからね。
――また、ナルがいくら言っても乗り気ではなかったマサキが、ショウのサーフィン姿を見るだけで一気にやる気が出てくるのもすごいシーンだな、と感じました。
前野:それだけ、ショウのシルエットやサーフィンの姿すべてにおいて、マサキの心に刺さったってことですからね。
中島:もしかしたら(ショウの)顔が良かったのかもしれない。
前野:確かに。もしかしたらきれいすぎて女性に見えたのかもしれない……本当のことはわからないですけど(笑)。
中島:あははは(笑)。ある意味、“一目惚れ”だったんだと思います。
前野:きっとマサキはサーフィンという種目において、食わず嫌いなところがあったんじゃないかな。自分が泳げないからやりたくなかっただけかもしれませんが……。
中島:泳げないのにサーフィンって結構ハードルが高いですからね。
前野:高い高い!
小笠原:ちなみに僕、泳げないですよ?
前野:え? 小笠原くんが?
小笠原:はい。僕、カナヅチです。
前野:へぇ~!
小笠原:なので、サーフィンを実際に体験する企画は、結構僕にとっては命に関わる企画でした(笑)。初めて湘南でサーフィンをやらせていただいたときはすごく不安で。でも、ボードがあるだけで安心感がすごいな、と思いました。
前野:僕も泳ぎは得意じゃないので、絶対に海に落ちたくないから長く乗っていたい!という部分はありました(笑)。
中島・小笠原:(笑)。
前野:守りの姿勢がゆえの攻めの姿勢みたいな(笑)。
――足がつかないですし、底が見えない怖さはあったと思います。
前野:しかもそのシーンを映像で撮られているという……
中島:それが1番怖い!(笑)。
一同:(笑)。
前野:きれいな顔をして落ちなければならない(笑)。
小笠原:宮崎で土岐さんと一緒にサーフィンをやったとき、サーフボードの先の部分にGoProをつけられたのが1番怖かったです。パドリングしているときの顔が間近で撮影されていました(笑)。
前野:それは嫌だ〜!
小笠原:でも、映像を見てみると、(自分が)すごく楽しそうなんです。生の楽しさがそのまま伝わっていたので、これはこれで良かったなぁと思いました(笑)。