声優
ドラマCD発売記念!『フロライ』原案・プロデューサー インタビュー

『Flow//Rider』原案・プロデューサーのハスオさんインタビュー|キャラクターコラボカフェの垣根を超える! いちから始めたWeb小説&ドラマCDの作り方とは?

キャラクターの決め手は“色”!?

――ここからは、『フロライ』に出てくるキャラクターについてお尋ねします。秋葉原にあるカフェが舞台になっていますが、なぜ秋葉原なのでしょうか?

ハスオ:私たちが経営しているコラボカフェの1号店が秋葉原でしたので、彼らの舞台も秋葉原にしました。

――キャラクターをどのように描かれたのか、ぜひ教えてください。

ハスオ:最初は色からスタートしました。どうしても“イメージカラー”というのがあったので、最初に色を決めて、こういうキャラクターがいたらこういうキャラクターもほしい、こんなキャラクターがいいんじゃないか、と進んでいった感じです。

――色で決めた理由は?

ハスオ:僕たちがコラボカフェをやっているからでしょうね。コラボカフェの場合、そのイメージカラーがないとキャラクターや作品をモチーフにしたメニューが作りにくいところがあるんです。

好物とかがあったらそれをメニューに落とし込んでいく作業ができますが、そういう意味でも色がバッチリ決まっているほうが、ストーリーも進めやすい。

何となく皆さんが思い描いている色のイメージは、ある程度決まったイメージがあるので、そこに沿っていくかたちでキャラ設定は行っていきました。

赤は活発で明るい、戦隊ものの真ん中にいる、ピンクに関しては柔らかい雰囲気もありつつイケメンで妖艶な。金髪は金髪そのままのイメージ。

青は落ち着き、黒はどっしりとしたお兄さん感を。緑は保護色で全体を見ていくというような。あとはイラストレーターの先生とディスカッションしながらキャラクターが生まれていった感じです。

――確かに。色がついていたほうがキャラクターの個性もわかりやすい感じがします。

ハスオ:絵ができて、その絵を見ながらブラッシュアップして、キャラクターの価値観・世界観をつけていって、小説を書く上でどうやって輝かせていくかを考えながら作りました。だいたい2年前に固まって、ドンッ!とスタート。

小説から始めているのであれば、その延長戦の流れにCDがあるよね、と。今まで自分たちで作り上げてきた世界観を声優さんの声を借りて耳で聴いてもらって、小説をさらに立体あるような感じにしていっている作業の途中です。

――また、作品に最初、何人登場させるかも考えないといけないですよね。

ハスオ:そうですね。カップリング的要素も含め、最初は6人を登場させました。一星 蓮という主人公に昔から幼なじみの皐月華(CV:米内佑希)が「フロライ」に誘って。

そして、橘 九十九(CV:榊原優希)と橘 百波(CV:近衛秀馬)が兄弟、神来社 与流(CV:伊東健人)と陸 弥勒が社員っていう位置になっています。

蓮くんが始めて「フロライ」に来ることになり、華くんとは完全に信頼関係ができている2人。メインはそのカップルでありつつ、1.5部というところで全然違う子たちと絡ませていくというストーリーも作ったり。

偶数がストーリー的にも進めやすかったというのはあります。

――単純な疑問で申し訳ないですが、キャラクターを作る作業ってすごく大変そうで……

ハスオ:そうですね。やっぱりけっこうな時間を費やしたんだと思います。最初からサイトをオープンするまでに2年以上かかっていますから。

自分たちで進めていきながら女性目線での指摘を受けて、そこでちょっとずつ調整して行きました。キャラクターデザインを考えてくださった志島とひろ先生もキャラクターに関して意見をくださいましたし、小説を書いているうめこ先生も「こういうのどうですか」「いいですね」みたいな感じでできあがりました。

逆にいうと、「フロライ」のキャラクターたちは全然まだ自由に描くことができるんです。ファンの子たちの力でどうにでも変わっていけるのが「フロライ」のいいところだと思っています。

ドラマCDは81プロデュースの所属声優をキャスティング

――ドラマCDが10月8日に発売されますが、改めて、ドラマCDとWeb小説それぞれの魅せ方についてお聞かせください。

ハスオ:小説は活字で細くできる部分が大きく、そこでいろいろな言い回しでエモさを出せるように考えてうめこ先生とやっています。

ドラマCDに関してはセリフを拾っていくような感じから、この子だったらこういう言い回しだろうというのを拾い上げて、セリフメインなので完全にその場所に自分がいるところを想像してなりきって、ドラマ小説のバケーションなどを書きました。

最初にこういう事象がほしいというのを決めて、シーンを決めて、そのなかでこの子たちがどういう会話をしたらおもしろいのかなというのを意識しながら書きました。

――場面が鮮明に浮かぶほど声も重要だと思うのですが、キャラを作る上で、声に関するイメージはありましたか? また、どのようにキャスティングされたのでしょうか?

ハスオ:キャスティングに関しては、声優事務所さんと相談して決めました。こちらから「この人」というのではなくて、企画を説明しながらキャスティングを一緒にさせてもらった感じです。

一緒にキャラクターの雰囲気を掴んでもらいながらサンプルを聞いて、実際に収録したときに「いいね」と。本当にキャラクターのそのままの声で、命が入った瞬間にたちあうことができました。

考えていたことに対して活字がついて、声がついてしゃべってもらって。それはもう、2年間作ってきたものに声優さんの声がのる、感動的な瞬間でした。とても嬉しかったですし、早くリリースしたい!と思いました(笑)

――初のドラマCD化ということですが、どういう手順で進めていったのでしょうか。

ハスオ:まず脚本が完成した時点で事務所さんのほうにお渡しして、収録日決めて声優さんのスケジュール合わせて録っていったという感じです。今コロナ禍の中で全員一斉に録ることが難しくて、2人一組とか3人一組とかで時間かけて録っていきました。

また、お世話になっているスタジオのプロデューサーさんが、企画を持って行った時点で「面白いね!」と興味を持ってくださって。その方やいろいろな方に助けてもらいました。

しっかり読んでくれて、キャラクターのすり合わせもして理解してくれて、ディレクションもしてくれて。皆さんが協力してくださって、初めてでしたけど素晴らしいドラマCDに仕上がりました。

大槻:実は、最初は収録スタジオに「収録ってどうやるんですか」というところから教えてもらったんです(笑)。最初は台本用意してください、いつまでにくださいって、初歩的なところから丁寧に教えていただきました。

ハスオ:なので、いろいろな方の協力があって生まれたキャラクターたちです。

――ドラマCDの聞いてほしいポイントを教えてください。

ハスオ:本編の1章から4章は、弥勒くんと蓮くんの出会いから始まっていくので、小説を読んでいない方がいるとしたら、ドラマCDを聞いていただきた、その続きが気になってくれればありがたいです。

すでに、小説を読んでくださった方に関しては、声が入って立体的に仕上がっているのでそれを楽しんでほしいと思います。

バケーションという夏休みの一コマを切り取ったドラマCDは、みんな同じくらいのセリフの量で仲良しの6人を感じ取ってもらえる内容になっているので、本編を聞いてからバケーションを聞いていただくと、より楽しんでいただけます。

――また、声優さんは全員「81プロデュース」に所属している方たちです。

ハスオ:はい。声優さんは全て同じ事務所の方で組ませてもらってるので、収録中も皆さん和気あいあいと楽しくやっていて、まるでキャラクターたちを見ているようでした。そういう意味でも同じ事務所さんでやっていただけたのは良かったのかなと思います。

ガヤからも仲いい感がすごいのが感じ取れますし、ドラマCDでもガヤがフェードアウトしながら入ってるんですけど、そういうところにも注目してもらいたいです。

――そして、なんとドラマCDの発売と併せてコラボカフェもスタートします!

ハスオ:そうなんです。ドラマCDの2日後にコラボカフェが始まるので、CDを聞いて新鮮な気持ちで来ていただけたらと。実は、カフェでしか聞けないドラマも仕込んでいます。

実際にカフェにいるような感覚になるものを作っていますので。カフェ専用の取りおろしドラマボイスも用意していて、メニューも作成中です。

なので、カフェを楽しんでもらって、ラストの20分、ドラマを楽しんでもらう。配膳のタイミングも合わせる予定ですので、本当にお客さんがそこにきてそれを聞いてもらえれば、その子たちがここにいるような体験ができます。

――そんな細かいところまで……! 本当に楽しみです!

ハスオ:コラボカフェでやってきたノウハウを今後も入れていけるようにていけたら良いな、と。Web小説の2部からはちょっと毛色の違う3人が出てきています。

実際に1部の作中にグッズのデザインをしたということで、デザイナーのキャラクターたちが出てきていますし、声もついていて、実は曲も……詳しいことは言えませんが、こちらも別軸で動き出していくのでぜひ期待していてください。

(C) 2020 FLOW//RIDER
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