『Flow//Rider』原案・プロデューサーのハスオさんインタビュー|キャラクターコラボカフェの垣根を超える! いちから始めたWeb小説&ドラマCDの作り方とは?
さまざまなアニメ・漫画作品とコラボをしては、オリジナルメニューやオリジナルグッズ等を提供している“キャラクターコラボカフェ”。
そんなキャラクターコラボカフェの垣根を超え、WEB小説をメインに、コラボカフェとのリアル連動企画やドラマCD企画などオリジナルコンテンツをお届けしているのが『Flow//Rider』です!
本作は、秋葉原の一角にあるカフェ「Flow Rider」(フロライ)を舞台に、キャラクター6人がアイドルになって日々奮闘するストーリー。
今回、アニメイトタイムズでは、『フロライ』の原案・プロデューサーを担当されているハスオさんにインタビューを実施しました!
自社運営だからこそできるコラボカフェの強みや、作品の世界観とシナリオの描き方、そして10月8日に発売となるドラマCDの魅力や聞きどころについてもたっぷりとお伺いしました。
自分たちが持っているカフェから生まれたコンテンツ
――まずは、現在どのようなお仕事をされているのか、簡単な自己紹介をお願いします。
ハスオさん(以下、ハスオ):株式会社きゃらぼむの代表を務めさせていただいていまして、コラボカフェやキャラクターグッズの販売をメインにやってきました。
ディスカッションをしながらのものづくりをやってきたのですが、その中でオリジナルコンテンツをつくりあげたのが『フロライ』です。
――『フロライ』は、御社が経営しているコラボカフェとのリアル連動企画などオリジナルコンテンツを発信されていますが、プロジェクト発足のきっかけは何かあったのでしょうか?
ハスオ:これまでは、グッズ販売やコラボカフェは何らかの作品タイトルとコラボするのがほとんどでした。
どんどん、自分たちのコンテンツでカフェを埋めってみたいという欲求が強くなり、チャレンジするべきではないかと。
カフェのノウハウを学び乙女向けコンテンツに触れてきたなかで、私たちにしかできない魅せ方や形で作り上げてみたもので、お客様に喜んでもらいたいと考えたのがきっかけです。
――“自分たちのコンテンツで作ってみたい”という気持ちから『フロライ』が始まったのですね。
ハスオ:はい。自分たちが持っているカフェから何かを始めたいと思い、そこで働いている男の子たちを軸に広げていきました。
オリジナル性を出すためにも、自分たちのカフェを聖地とするように、そこを軸として物語を進めているのが、『フロライ』の強みだと思っています。
誰が読んでも不快感のないものに
――『フロライ』の制作についてもっと深くお伺いしたいと思います! 世界観やキャラクター設定、構成はどこから浮かんできたのでしょうか?
ハスオ:実体験というわけではありませんが、僕が生きてきたなかで感じることや思っていたこと、若い時に思っていたことからインスピレーションを受けています。
たとえば、まぶしいほどまっすぐで、誰にも分け隔てなく接する一星 蓮(CV:新田杏樹)というキャラクターがいて、本当に作品の中では赤髪の正義のヒーローとして扱われています。
誰とでも接したり、正義のヒーローになったりすることは簡単そうでもすごく難しい。そういう子がいたらいいな、と思ったのがきっかけでした。
また、「フロライ」のオーナーである陸 弥勒(CV:小林大紀)くんの場合は、彼の葛藤、彼自身が僕の生きざま、実体験からインスピレーションが湧いているところが多いです。
こういう人が周りにいたらいいなとか、たくさん人間がいればいろんな妬み嫉みがあったりしますが、基本的にみんな仲良しで、妬み嫉みがない世界観。仲良し6人の世界を描いているという感じです。誰が読んでも不快感がないものを目指しています。
――また、作品のテイストはどのように考えられているのでしょうか?
ハスオ:僕が流行りものや、音楽、遊ぶことが大好きなので、その辺のエッセンスを取り入れるようにしています。トレンドは取り入れつつ、それをキャラ的に解釈してみなさんに伝えている感じです。
――現在、公式サイトでは6人のキャラクターたちの様子が描かれているWeb小説が公開されていますが、そもそもWeb小説のシナリオはどのように書かれているのですか?
ハスオ:実際に、小説を書いているのはうめこ先生なんですけど、ある程度の大枠を僕のほうで組ませていただいています。
それを一緒に肉付けしていきながら実際に文章に落とす作業はうめこ先生が担当されていて。『フロライ』の魅力を伝えてくれる内容に落とし込んでくれているなと感じていて、本当にありがたいです。
――Web小説とドラマCDのシナリオの描き方に違いはあるのでしょうか。
ハスオ:ドラマCDの文学的なところはセリフで進んでいくので、そこがドラマCDと小説の違いになるかなと。
たとえば、小説は文字で情報を補足できますが、ドラマCDは会話と心の中の声とSEとBGMで表現していかないといけないので、そこの違いが大きいですね。どういう風に伝えようかとドラマCDに落とし込む時は難しかったりします。
また今回、小説の1章から4章の本編をドラマCDに落とし込んだものと、時間軸別のバケーションという6人で海にバーベキューをしにいくというストーリーの2本立てでやっています。
バケーションのほうは原作がないオリジナルなので、そこ会話だけでどうつないでいってというのが難しかったです。