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秋アニメ『おちフル』新田ひより×久保田梨沙 声優インタビュー【連載第2回】

この作品にやり過ぎはない……はずが衣乃の変態ぶりにストップが!? 秋アニメ『おちこぼれフルーツタルト』新田ひよりさん&久保田梨沙さん 声優インタビュー【連載第2回】

「また記念受験」と思いきや!

――ちなみに、オーディションでは現在の役のみ受けたのでしょうか?

新田:最初は衣乃ちゃんだけのつもりだったんですが、オーディション現場に行ったらほかのキャラクターを演じる機会があるかもしれないから、資料だけは持っていったんです。

でも、テストと本番で特に失敗もなく衣乃ちゃんだけであっさり終わったので、「落ちたな……」と思って。

久保田:私も! 私も同じ感じで「これもまた記念受験だ……」と思いました。

新田:手応えがある時は「こういう感じでやってもらっていいですか?」とか指示があったりするのですが、その時は何もなく終わってしまったので、とぼとぼ帰った記憶があります(笑)。

久保田:私も「ご縁がなかったんだ」と落ち込みながら帰りました(笑)。

――役が決まった際は驚いたのではないでしょうか?

久保田:私は次の日に事務所で、音響監督の納谷(僚介)さんと会ってその時に「また久保田さんと一緒に仕事か」と言われて。最初は「何のことだ?」と思ったのですが、よく聞いたら『おちフル』の出演が決まったみたいで。

新田:癖のある伝え方(笑)。

久保田:帰り際になってやっとテンションが上がりました(笑)。

衣乃の変態ぶりにやり過ぎはない……はずが?

――演じられたキャラクターの第一印象を教えてください。

久保田:髪型すげぇ!

一同:(笑)

久保田:ちょっしたポンポンならまだしも、顔くらいのボリュームですからね(笑)。あと、いじられる姿も可愛い。あんなにツッコんでいるのに、髪型などのいじられる要素が多くて面白いと思いました。

新田:アフレコ中はまだ完成していないアニメーションを見ながら声をあてていたのですが、ロコちゃんに関しては完全に丸3つになっていて(笑)。

――某ネズミのキャラクターのようですね。

久保田:それこそ日笠さんが収録のたびに夢の国に行きたくなると言っていました(笑)。

新田:あと綿あめを食べたくなるとも(笑)。

――ちなみに、女性から見てあの髪型は再現可能なものなのでしょうか……?

久保田:毛量が足りない(笑)。作中で髪を下ろしている時があるのですが、長さ自体は増えていないから不思議ですね。なので個人的に“つけ毛説”を考えていたのですが、髪を解くシーンがあったのでその説は間違いでした(笑)。

――衣乃についてはいかがですか?

新田:衣乃は原作を読む前にオーディション資料で見たのですが、明るく朗らかな「THE 主人公」で、まさにセンター向きのキャラクターに感じました。ですが、そのイメージのまま原作を読んだらめちゃくちゃ変態で(笑)。いい意味でビックリしましたね。

オーディションでもゲへゲへを感じさせるセリフがあったのですが、本当にヤバいシーンのセリフがなかったので。なので、受かったと聞いた時は「ゲへゲへ具合をどこまでやっていいんだろう」とすごく悩みました(笑)。

――実際の演技ではどこまでそのゲへゲへ具合を出しましたか?

新田:アフレコの際、納谷さんに「この作品にやり過ぎということはないから」と言われたんです。実際に演じても「もっと気持ち悪くていいよ」「今のはあんまり気持ち悪くなかった」というディレクションをもらって(笑)。

久保田:でも「気持ち悪過ぎる」と言われていたことも(笑)。

新田:「やり過ぎはない」と言われたのに(笑)。

――これまでに衣乃のような変態チックなキャラクターを演じられたことはありますか?

新田:ここまでの変態は初めてかも……。

久保田:ここまでの変態(笑)。

――そんな衣乃のターゲットにされることが度々あるロコですが、衣乃との掛け合いにおいて意識されたことはありますか?

久保田:ロコはとにかく被せるくらい勢いの強いセリフが多くて。なのでテンションとパッションです!

新田:カッコいい! 衣乃ちゃんに関してはどちらかというとボケが多かったので、狙い過ぎず自然に、を意識しました。

あと、全員との絡みが一番多いのでそれぞれの関係性をよく考えたりも。でも、ほかのメンバーが私の想像を上回るレベルの演技なので、毎回、臨機応変にテンションとパッションで合わせました(笑)。

久保田:あと『おちフル』は、家で練習する際にイメージを固め過ぎずに「現場でどうにかしよう!」と思うような作品でしたね。決して投げやりというわけでも、練習しないわけでもないのですが、実際に掛け合いをしてみないとわからないので。

新田:そう!

久保田:実際に本番では、練習以上によくできたと感じることが多くて。皆のおかげでできているんだと実感しましたね。

――ロコを演じる中で印象深いディレクションはありましたか?

久保田:ロコのツッコミでシーンが変わることが多いのですが、その時、「切り替わることを意識してお願いします」と言われたことが印象深くて。ヌルっとツッコむと綺麗に締まらないんですよね。

ツッコミが大事な役割だから「もうちょっと勢いよく」とか。モノローグのツッコミでも「心の声とか無視していいから全部ぶつけちゃって」といったようにディレクションをもらいました。

――いくらボケてもツッコミがいないと成立しないですからね。

久保田:ただ、私自身もともとツッコミが苦手な性格で……。

新田:天然だから(笑)。

久保田:苦戦しましたが、すごく勉強にもなって。初めてのギャグ作品だったので、テンポ感が大事ということを実感しました。

 

 

――フルーツタルトにはクール系がいないので、なおさらロコのようなツッコミ役が大事なのかもしれませんね。

久保田:仁菜がギリギリおしとやかだけど……。

新田:と思いきや、一番ヤバい人だったり(笑)。

久保田:匂いが好きなところとかね(笑)。

新田:皆、癖(へき)がすごい(笑)。

――ちなみに、ツッコミの経験はほかの作品でも活きましたか?

久保田:活かせました! ひとりでノリツッコミをするキャラクターを演じる際に、ロコをめちゃくちゃ参考にして。逆に『おちフル』のアフレコが3人ずつになった時は、そのひとりノリツッコミの経験を活かすこともできました。

――新田さんは衣乃を通して勉強になったことはありますか?

新田:ここまで「気持ちが悪い(笑)」と言われたことがなかったので、今後、どんな気持ち悪いキャラクターを演じる場面でも怖くないと思います(笑)。

久保田:「ここまでできたんだ!」と自分のできる幅に気付いた現場ですよね! 

新田:わかります。むしろ可能性をこじ開けられたくらいで(笑)。

(C)浜弓場 双・芳文社/おちこぼれフルーツタルト製作委員会
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