「回レ!雪月花」は自身の転機となる一曲――ヒゲドライバーさんのアニソンベストアルバム『ひげこれ!』発売記念インタビュー! 小澤亜李さんとの出会いの曲は……?
音楽を始めたきっかけは「モテたい」から!? ゆずへの憧れからオリジナル曲を制作
――音楽活動を始めたきっかけとここまでの経緯を教えてください。
ヒゲドライバー:中学2年生の時にギターを始めたのがスタートですね。田舎にも住んでいたこともあって、情報源といえばTVかラジオくらいしかなくて、そこで見聞きしたものに影響を受けて。
当時はMr.Childrenやスピッツの人気が出てきて、僕も「カッコいいな」と衝撃を受けて、ギターを弾き始めました。その段階ではプロのミュージシャンになろうとか思いもしなかったけど、その後、ゆずが出てきたんです。
ラジオで偶然、ゆずの曲が流れて素敵だなと思って調べたら、フォークギター2本でカッコいい音楽が奏でられていて。自分も真似てみたいなと思い立ち、同級生とフォークデュオを組んで、初のオリジナル曲を作り始めました。
――ゆずに憧れたということは、ストリートでも弾き語りを?
ヒゲドライバー:はい。毎日、毎週というほど頻繁ではなかったけど、やっていました。
――ヒゲドライバーさんの楽曲は8ビットのチップチューンの印象が強かったので、意外でした。
ヒゲドライバー:ゲーム音楽が好きだったのでよく聴いていましたが、本来やろうとしていたのがゆずのような方向性で、その後にハマったのがパンクで。
その頃は大学生で、バンドを組みたかったし、プロにもなりたいという希望はあったけど、いざ音楽サークルの中でメンバーを募ってみてもプロを目指している人はいなくて。
メンバーが集まらなくて、どうしようかなと思いつつ、曲を作っていた時に出会ったのがピコピコ音楽で、ヒゲドライバーを名乗り始めました。
――音楽編集ソフト&機材のプロツールスが出始めた頃はまだ高額でアマチュアでは手が出ませんでしたが、DTM(デスク・トップ・ミュージック)の普及で誰でも音楽制作が手軽にできるようになったことも大きかったのでは?
ヒゲドライバー:作り始めた時はフリーソフトでしたが、DTMが普及し始めた時期でもあります。インターネットの音楽が流行り始めた流れをダイレクトに受けた世代ですね。ネット上にも作った音楽をアップして。
――アップされた音楽を聴いた音楽関係者からオファーが来たんですか?
ヒゲドライバー:それも少しずつですね。最初のうちはなかなか評価されなくて。
――それでも続けられた理由は?
ヒゲドライバー:モテたい一心ですね(笑)。中学2年生でギターを始めたのもそうで、「音楽ができると人から素敵だと思われるだろうな」、「モテるだろうな」というのがスタートで。ゲスく見えるかもしれないけど、そういう想いが僕を動かす原動力として常にあり続けていましたね。