『Re:ゼロから始める異世界生活』2nd season：スバル役の小林裕介さんが前半クールを総括｜インタビュー前編

小林さんが選ぶ2nd season前半の印象深かったシーンベスト3発表！

――2nd seasonの前半のエピソードの中で印象深かったシーンやエピソードのベスト3を挙げてください。まず3位は？

小林：26話(2nd season 1話)「それぞれの誓い」のラストシーンです。ここからまた改めてストーリーが始まる上でとんでもない喪失感が。人々からレムの存在が消えてしまい、彼女自身も原因不明の眠りについたままという。

今までは「エミリアのために頑張る」でしたが、レムのことが同じくらい大切な存在だと自他共に認めて走り出すわけですが、その決意を表わした最後の「俺は必ずお前を取り戻す」と涙ながらに語ったシーンは、「『リゼロ』ってこうだった」、「『リゼロ』が戻ってきた！」と皆さんに伝えられたと思うし、僕たちも『リゼロ』の世界に戻れた大切な回だったので印象的でした。

2位は小林さんも4回泣いたという、あの感動シーン！

――続いて2位は？

小林：スバルの両親とのエピソード(29話[2nd season 4話]「親子」)です。原作を読んでいなかったので、あそこでまさか過去の話が出てくるとは想像もできなくて。

ここまでスバルを演じていく中で、「ひきこもりと言っていた割に随分、コミュ力高い気がするし、このテンションだし。そんなことある？」というモヤっとしたものをずっと抱えていましたが、その要因や理由がわかったことでよりスバルを好きになれたし、スバルにとっても心残りだったことを、現実の親ではないけど、想いをしっかり伝えられたし、見送ってもらえました。

男の子としてちゃんと成長したことを別の視点から見られてよかったです。僕自身も4回くらい泣いて、涙が枯れ果てた回でした。

――あの回まではスバルはウザいと感じる人がまだ感じている人もいたと思いますが、そのバックグラウンドを知ったことで、より共感された方も多かったのではないかなと。

小林：そうなってくれていたら嬉しいです。

1位は惨劇からの喜びの涙!?

――そして2nd seasonの小林さんが選ぶ印象的エピソードの第1位は？

小林：エキドナに死に戻りのことを打ち明けたシーンです(33話[2nd season 8話]「命の価値」)。ずっと抱え続けてきたものをようやく吐き出せた時の嬉しさは彼にしかわからないでしょうね。安堵なのかな？　それを受け止めてくれるエキドナも含めて、涙なしには見られませんでした。演じる側としては、その前のうさぎガブガブがあったので大変でしたけど(笑)。

あのシーンは真綾さんと2人きりで収録しましたが、うさぎガブガブをテストで録った後、「大丈夫？　これでOKにしてくれればいいのにね。言えば？」と声をかけてくださって。「アニメでも現実でも優しい！」と癒されて(笑)、何とか乗り切ることができました。皆さんにも「スバル、よかったね」と共感できるエピソードじゃないかなと思ったので1位にしました。結局、ベスト3全部泣くシーンでした(笑)。

思い返すと2nd seasonではスバルはめちゃめちゃ泣いていますね。エミリアとのシーンも挙げたかったけど、ずっと意識を失ってばかりだったから(笑)。

初めてスバルとシンクロするのに苦労したシーンとは？

――逆に一番苦しかったエピソードを挙げるとしたら？

小林：「魔女たちの茶会」で、エキドナが思っていたことを全部言い切った後に「いくらなんでも、それはねぇだろうよ…」とスバルは嘆くんですけど、そこでスバルとシンクロするのに苦労しました。のどや精神的に苦労したことは何度もありましたが、演じる上で気持ちを理解するのに苦労したのは初めてでした。

どちらかといえばエキドナの考えに賛同してしまって。「何かを与えるなら見返りを要求するのは当然じゃないか」と思ってしまったら「どうやってスバルの苦悩につなげればいいんだろう？」と。考えるのが辛くて、吐きそうになっていましたね。

テストでやった時も何か腑に落ちないし、短い時間ですり合わせして次のシーンを演じなきゃいけないし。無理矢理なこじつけを含めて演じて、結果的には何とか納得がいく形にはなったけど、久々に感情を作る苦しみを味わったシーンでした。

【後編へ続く】

＜『リゼロ』第2期後半クール連載バックナンバー＞
□Vol.01　小林裕介(スバル役)前編
□Vol.02　小林裕介(スバル役)後編
□Vol.03　高橋李依(エミリア役)前編
□Vol.04　高橋李依(エミリア役)後編
□Vol.05　岡本信彦(ガーフィール役)前編
□Vol.06　岡本信彦(ガーフィール役)後編
□Vol.07　高橋李依(エミリア役)前編
□Vol.08　高橋李依(エミリア役)後編
□Vol.09　戸松遥(フォルトナ役)前編
□Vol.10　戸松遥(フォルトナ役)後編
□Vol.11　前島麻由(OPアーティスト)
□Vol.12　小林裕介(スバル役)前編
□Vol.13　小林裕介(スバル役)後編
□Vol.14　田中あいみ(リューズ役)前編
□Vol.15　田中あいみ(リューズ役)後編
□Vol.16　村川梨衣(ラム役)
□Vol.17　新井里美(ベアトリス役)前編
□Vol.18　新井里美(ベアトリス役)後編
□Vol.19　小林裕介(スバル役)&高橋李依(エミリア役)

＜『リゼロ』第2期&第1期新編集版BD-BOX発売記念連載バックナンバー＞
□Vol.01　小林裕介(スバル役)
□Vol.02　内山夕実(パック役)
□Vol.03　水瀬いのり(レム役)
□Vol.04　村川梨衣(ラム役)
□Vol.05　高橋李依(エミリア役)

『Re:ゼロから始める異世界生活』2nd season作品情報

イントロダクション

俺が必ず、お前を救ってみせる。

コンビニからの帰り道、突如として異世界へと召喚されてしまった少年・菜月昴。頼れるものなど何一つない異世界で、無力な少年が手にした唯一の力……それは死して時間を巻き戻す《死に戻り》の力だった。

幾多の死を繰り返しながら、辛い決別を乗り越え、ようやく訪れた最愛の少女との再会も束の間、少年を襲う無慈悲な現実と想像を絶する危機。

大切な人たちを守るため、そして確かにあったかけがえのない時間を取り戻すため、少年は再び絶望に抗い、過酷な運命に立ち向かっていく。

2016年にTVアニメ化され、世界中で大ヒットを記録した『Re:ゼロから始める異世界生活』、待望のセカンドシーズンが2020年7月8日(水)よりAT-X、TOKYO MX、BS11ほかにて放送開始！
　

　

スタッフ

原作：長月達平（MF文庫J『Re:ゼロから始める異世界生活』/KADOKAWA刊）
キャラクター原案：大塚真一郎
監督：渡邊政治
シリーズ構成：横谷昌宏
キャラクターデザイン・総作画監督：坂井久太
モンスターデザイン：小柳達也
アクション監修：大田和寛
プロップデザイン：岩畑剛一、鈴木典孝
デザインワークス：加藤千恵、コレサワシゲユキ、灯夢、坂井ユウスケ
美術設定：青木薫(美峰)
美術監督：高峯義人(美峰)
色彩設計：坂本いづみ
特殊効果：川西美保
撮影監督：峰岸健太郎(T2studio)
3Dディレクター：軽部優(T2studio)
編集：須藤瞳(REAL-T)
音響監督：明田川仁
音響効果：古谷友二(スワラ・プロ)
音楽：末廣健一郎
音楽制作：KADOKAWA
アニメーション制作：WHITE FOX
製作：Re:ゼロから始める異世界生活2製作委員会
　

キャスト

ナツキ・スバル：小林裕介
エミリア：高橋李依
パック：内山夕実
レム：水瀬いのり
ラム：村川梨衣
ベアトリス：新井里美
ロズワール・L・メイザース：子安武人
ガーフィール・ティンゼル：岡本信彦
オットー・スーウェン：天﨑滉平
フレデリカ・バウマン：名塚佳織
ペトラ・レイテ：高野麻里佳
リューズ・ビルマ：田中あいみ
エルザ・グランヒルテ：能登麻美子
エキドナ：坂本真綾
　