LiSA『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』主題歌シングル「炎」&5thアルバム『LEO-NiNE』リリース記念ロングインタビュー後編|10月になった今だからこそ皆さんに届けられるアルバムに
「cancellation」は雑音をシャットアウトして自分自身の戦いに赴くファイティングソング
――5曲目の「cancellation」は重低音が五臓六腑に響くヘビーなロックチューンです。歌詞には「noise cancellation」というフレーズも入っていますが、タイトルの意味やテーマは?
LiSA:雑音をシャットアウトして、自分自身のための戦いだと覚悟を決めて、前を向いて進んでいけるような楽曲になればいいなと思って作りました。
――曲頭の「ゴングの音が響いたら」や「knock out!」、「リング」などボクシングを連想させる言葉も多くて。
LiSA:「孤独がファイティングソング」という歌詞があるように結局、戦う時ってチーム戦であったとしても1人なんですよね。ライブでもTVで歌う時も戦っている気持ちで。だからスポーツ中継などを見るとアスリートやプレイヤーの気持ちと同調してしまって、私も競技場に立っている感覚になっちゃうんです。「晴レ舞台」とも少し似ていますが、自分自身の戦いができればいいなと。
初のドラマ主題歌「愛錠」は男女の絡み合った愛情へのLiSAさん独自の解釈で
――6曲目の「愛錠」はイギリスの人気ドラマをリメイクしたドラマ『13』の主題歌ですが、どんなイメージで歌詞を書かれたのでしょうか?
LiSA:真っすぐで純粋な愛情が絡まっていくと、いつの間にか時間が作った情に変わっていくことがあって。よく友達が「あの彼氏とは情だけで付き合っていたわ」と悪いことのように言うけど、私にはしっくりこなくて。「情って悪いことなのかな?」とずっと考えていたけど、素直な想いが長い時間を経て、カギのように固まったものは絆とも言えるんじゃないかなと思って。ドラマもいろいろな方向からの愛情がからまったものが複雑になってしまった逃れられなくなっていくというお話だったので、自分が思っていた疑問や昔から思っていた気持ちを歌詞にしました。
――サスペンスドラマのテーマ曲らしく、余韻を感じさせつつ、サビは情熱的なバラードで。実際にオンエアで流れた曲を聴いた時の感想は?
LiSA:ピッタリだなと思ったし、初めてドラマ主題歌を担当させていただきましたが、ピアノバージョンが流れた時はすごくビックリしました。また曲が流れる場所も使い方も毎回違っていて、とても感動しました。
「赤い罠(who loves it?)」はジャズとロックがクロスオーバーするオシャレかっこいい曲
――7曲目の「赤い罠(who loves it?)」は「ADAMAS」とのダブルAサイドシングルですね。ジャズっぽいイントロから激しいギターで印象がまるで変って。LiSAさんの歌い方もいろいろな表情を見せて、2番のAメロでささやく感じから激しくなったりと見せ場がたくさんある曲だなと。
LiSA:田淵智也と堀江晶太ってすごいなと改めて思いました(笑)。これを弾いてみたい、歌いたいと思う人がたくさんいればいいなと思っています。オシャレかっこいいサウンドや演奏と、田淵先輩のキャッチーな歌詞を楽しんでいただければ。
□「赤い罠(who loves it?)」についてはこちらのインタビューもごチェック!
「わがままケット・シー」は「もっとこんなLiSAが見たい」が具現化したセクシーな曲
――8曲目の「わがままケット・シー」ですが、ケット・シーは「妖精猫」とのことで。
LiSA:ゲームをやっていると登場しますよね。『ファイナルファンタジー7』とか。この曲は金井(政人)さん(BIGMAMA)にお任せしました。私のライブを見に来てくださった金井さんが「曲の振り幅が大きいけど、もっとこういうLiSAが見たい」とおっしゃってくださって、書いてくれました。
――ゆったりしたリズムでアコギとストリングス、シンセが不思議な世界観を作っていて。でもちょっと歌い方も歌詞もアダルトでちょっとエロい気がします。
LiSA:そうですよね。自分のせいにしたら歌えないので、金井さんのせいにして歌わせてもらっています(笑)。
――終盤のラップパートは印象的ですね。急に肉食系に変わったような。
LiSA:どう表現しようか、困りましたが、完成した曲を聴いてカッコいいなと思ったし、金井さんが見ていた景色ってこういうことだったんだなとわかりました。