大先輩たちの背中をただ追いかけているのはずっと変わりません――『おジャ魔女どれみ』20周年記念映画『魔女見習いをさがして』春風ぽっぷ役・石毛佐和さん 声優インタビュー
人気の秘密は必ず自己投影できるキャラが見つかること、スタッフの細かいこだわりと愛!
――ここまで『おジャ魔女どれみ』がたくさんの方に愛されている理由や魅力とは?
石毛:スタッフさん、私たちキャスト陣、関わっている人たちみんな、『どれみ』が大好きなんです。好き過ぎて(はづき役の)智ちゃん(秋谷智子さん)はインタビューですぐ泣いてしまうし……私もそうなんですけど(笑)、それぞれの想いが積み重なって、大きなパワーになっているんだろうなと昔から感じていました。
『どれみ』のみんなで旅行したりするほど仲良しですし、楽しい気持ちをみんなで分け合おうという想いが強くて。そんな作品愛やチームワークの良さがアニメに反映されているのかなと思います。
――様々な魅力や個性を持ったおジャ魔女たちがいたので、「この子は私に似てる」と自分を重ね合わせたり、「この子になりたい」と憧れた子も多かったでしょうね。
石毛:どれみたちだけでなく、クラスメイトも個性的で、それぞれの性格や生い立ちなどもしっかり設定されているし、描かれているため、必ず自分に投影できるキャラがいることで共感を得やすくなっていると思います。
ちなみにどれみたちは影を見ただけでも誰なのか、わかるように作られているんです。今回の映画のポスターやチラシのビジュアルでも、満月をバックにおジャ魔女たちが魔法のほうきに乗って飛んでいますが、誰なのかすぐわかりますよね。
またOFFという、そのキャラがいない状態でも声だけでもわかるようにと、キャストもあまり兼ね役がないのも特長で。細部に渡って、こだわり抜いているんです。
石毛さんが一番ドキドキした『どれみ』作品とは?
――演じてきたぽっぷについて最初に演じた時の印象と、演じていく上で新たに発見した魅力や、感じた成長や変化とは?
石毛:私自身もデビュー作ということもあり、いっぱいいっぱいだったので、当初の記憶があまりないし、作品を見直すのも怖くて(笑)。
『映画 おジャ魔女どれみ♯』を見直したくらいかな。他の作品を見るのは老後の楽しみにとっておこうと(笑)。ぽっぷも成長したように私もお姉ちゃんたちに習いながら少しでも役者として成長できていたらいいなと思っています。
――TVシリーズやOVA、映画などのエピソードの中で印象に残っている、またはお気に入りのエピソードを教えてください。
石毛:この質問がいつも困るのですが(笑)、一番ドキドキした収録が『映画 おジャ魔女どれみ♯』です。ぽっぷが巻き起こす事件を中心に描いたお話だったので、非常に緊張しました。
3歩進んで2歩下がるような進み方でスタジオへ向かって。「行きたくないよ」って(笑)。デビューして1年目で大役を務めさせていただいて、当時はすごいプレッシャーだったし、無事に終わってよかったとホッとしたことも覚えています。
実は当時、両親が声優という仕事を理解していなくて、私が出演した作品も見たことがなかったんですけど、地元の映画館で上映されるということで、初めて見てくれて。その時の入場特典がお花の種で、それを私の祖母が毎年、咲かせてくれているんです。
「この花、きれいに咲いているね」と言ったら「あの時の種だよ」と聞いてビックリしました。多年草だったみたいで、とても感動しました。家族が初めて私のお芝居を認知してくれた作品であり、私にとって大切な作品です。