『どれみ』は一緒に歩いてきた道、人生――『おジャ魔女どれみ』20周年記念映画『魔女見習いをさがして』妹尾あいこ役・松岡由貴さん 声優インタビュー
20周年記念映画の主役のうわさにもやもや。絵コンテを見て余計、不安に
――20周年記念映画『魔女見習いをさがして』の制作が決まった時の感想は?
松岡:まず「劇場版なの!?」と。私にとっての劇場版は、ドラマCDやTVシリーズがヒットしたら劇場版という、最高峰の位置にあって。しかもTVシリーズと違って有料なので、ヒットした作品にしかできない劇場版を、いきなり20周年でポンとやるんだ!? とすごくビックリしたし、嬉しかったし、「その前にTVシリーズはやらないんですか?」という疑問も(笑)。
劇場版では小説で描かれた高校生になったお話の『16シリーズ』や『17シリーズ』をやるんだろうなと思っていましたが、まったく違ったことも驚きました。
――実際に台本が手元に届いて、ご覧になった時はどう思われましたか?
松岡:台本が届く前にうわさが流れてきて。どうやら主役は他の人らしいぞと(笑)。段々、不安になってきて、みんながモヤモヤしているから関(弘美プロデューサー)さんが絵コンテを見せてくれました。でも、あいこがどこにいるのか、まったくわからなくて。
「何かの間違いに違いない」ともう1回見直したらやっと発見できて。関さんは私たちを安心させるために見せてくれたと思うけど余計、不安に(笑)。収録自体も自分の出番だけ摘まんで収録するので、全体像がまだわからないですよね。
メインの3人の方とも別収録だったし。だから映像が完成して、初めて試写で見終わってから「ああ、これが描きたかったのか!」とようやく理解できたし、すべて納得しました。
完成版を見て「見てくれてたみんなを主役にしたかったんだ!」と理解。W監督それぞれの「らしさ」も
――先日、映画をご覧になったそうですが、本作の印象はいかがでしたか?
松岡:「当時、見てくれたみんなを主役にしたかったんだ!」と。そして3人の女の子たちはみんなの代表として映画にいるけど、どれみたちをいつも見てくれていた子たちがいたんだなと思いながら見ていました。
あと映像がすごくきれいで。やむを得ない事情で公開延期になった分、その時間を丁寧に使ってくれたんだなと思いました。光の輝きや背景の鮮度とか、柔らかさや温かさを画面から感じるような。最新の技術を使ったんだろうなと思いつつ、あの頃らしさも残っていて。『どれみ』を見てくれたみんなも喜んでくれるんじゃないかなと思いました。
――今作は『どれみ』シリーズの産みの親ともいえる佐藤順一さんと鎌谷 悠さんのW監督体制でしたが、佐藤さんらしさを感じたところはありましたか?
松岡:全体通してうるっと来る見せ方やちょいちょい挟まるコミカルさやおもしろいポージングなどはサト順さんらしいなと。逆に悠ちゃんのテイストも浮き彫りになっている気がします。「このセンスは若くないと出ないな」って(笑)。「画面偏差値」なんて言葉は若くないと出てこないし。
宣伝担当:佐藤監督も最初はミレさんの後輩の矢部さんは王子様的な関係にしようと思われていたそうなんですけど、鎌谷さんが「そんなに都合よく王子様は来ない」と強く言い切って、あの形に落ち着いたそうで。結果的によかったとおっしゃってました(笑)。
松岡:矢部さん、普通でしたもんね(笑)。あとレイカの彼氏が米津玄●さんみたいだった(笑)。イケメン像って時代時代によって変わっていますが、少女マンガやアニメに出てくるようなカッコいい男子じゃないところが悠ちゃんらしいなと。
こんな男はすぐに縁を切ればいいのにと、言い切れないようなほどよいカッコよさで(笑)。
――今作の見どころや注目ポイントを教えてください。
松岡:お話も素晴らしいんですけど、よく見ると私たちみたいだけど私たちではないキャラがちょこちょこ出てきます。
そこで、「ん!?」と思わせる何かや、声を聞いて「えっ!?」と気になる何かがあります。あと『どれみ』のTVシリーズでいろいろな役を演じていたキャストさんも違う役で出てきますので、宝探しだと思って、必死に見つけてほしいです。それを『どれみ』ファンのお友達や仲間と語り合ったら楽しいと思うし、コンプリート目指して頑張ってください(笑)。