どのキャラソン・既存曲にもない、新たな“富田美憂らしさ”の可能性――声優・富田美憂さん 3rdシングル『Broken Sky』インタビュー
当時の富田飯は卒業!?
――今は実家を出ての一人暮らしをされているんですよね。満喫されていますか?
富田:スーパーエンジョイしてますね! 家具揃えたり、家賃とか水道代を払ったりしていく内に、自分の城ができた感がすごくあります。
実家のころは埼玉から通っていたので、生放送終わりで遅くなったときとか、行き帰りが苦痛になってしまうこともあって。それに実家と最寄り駅がすごく離れていて、歩くと30~40分かかるので、夜中に母親に車で迎えに来てもらっていましたが、それも申し訳なく思っていました。
下の弟は受験生なので「もう大人になったから迷惑をかけてはいけない!」と思って家を出たんですけど、たかが埼玉から東京、電車で数十分くらいの距離なのに、母親がもう一生会えないみたいな悲しみ方をしていて(笑)。
引っ越し当日も泣きそうになりながら玄関から送り出してくれて、「え、私海外に行くの?」みたいな気持ちになりました(笑)。
――愛されている証拠ですよ(笑)。
富田:(取材時には)一人暮らしを始めて二か月くらい経つんですけど、いまだにLINEが毎日届きます。「今日は寒いから何か羽織っていくのよ」みたいな。私のことはいいから受験生の弟たちを見てあげほしいのですが(笑)。
――富田さんとしてはホームシックのようなこともなく?
富田:男兄弟ふたりに加え、犬も二匹飼っていたので、すごく騒がしい家だったんですけど、急にひとりになったので、無音が落ち着かないですね。ホームシックとまではいきませんが、見てもいないのにとりあえずテレビを点けちゃう、みたいな。あと犬に会いたいですね。
――ちなみに、富田飯でおなじみの料理の方は……?
富田:当時の富田飯は卒業して、それなりに食べられるものは作れるようになりました。オムライスもバッチリです!
実家を出るときに母が家事ノートを作ってくれて、そこに「美憂でもできるかんたんレシピ!」みたいなものを書いてくれていて。そこにオムライスもありました。
「鶏肉だと火を通すのに時間がかかるから、ウインナーで代用するといいよ」とか、いろいろ書いてあって。毎日スーパーに行くときは母のノートを片手に材料を買っています。
ただ、洗い物とか洗濯物とか、ひとりでやるとこんなに大変なのか、と母の偉大さが身に染みていますね。
上達してないです、、!? pic.twitter.com/k7RJQ5nXTl
— 富田美憂 (@miyju_tomita) August 8, 2020
――そうですよね。しかも仕事で疲れているとなかなか気乗りしませんから。
富田:そうなんですよ。お母さんってすごいんだなあ、と思いました。
あと、うちの父親っていわゆるサラリーマンではなく、職人系で、おじいちゃんが社長なんです。いつも作業着で過ごしていて。
で、なんでもできるんですよね。エアコンが壊れても水道が壊れても直せてしまうのが当たり前の環境で育ったので、いざ自分がそういう場面に直面したらどうしようかなと。「パパ!」って呼んでも、目の前にいないので(笑)。
――実際にアクシデントはありましたか?
富田:引っ越し当日にお風呂の追い焚き機能の使い方がよく分からなくて。たかがお風呂に水を張るのに、母と父に電話をつなぎながら「どこのボタン押せばいいの……?」みたいなやりとりをしていました(笑)。
――(笑)。今はそれもバッチリ?
富田:バッチリです!
でも最近、鍵をかけ忘れて家を出ちゃったことがあって。それで「どうしよう!? 鍵かけ忘れた」と母にLINEしたら、たまたま父がその時間は空いていたので、わざわざ車で来て、部屋の戸締りを確認してくれたんですよ。結局私の気のせいで、ちゃんと閉まっていたみたいで、本当にごめんなさい……。
そのときに父親が冷蔵庫とかも勝手に確認して、「玉ねぎしか入ってないぞ!? ちゃんと食べてるのか?」みたいなことを言ってきたり、すごい心配していて(笑)。
朝急いで出たので、洋服ダンスも開きっぱなしで。「空き巣入ったみたいになっているけど大丈夫か!?」とも言われて、すごく恥ずかしかったです(笑)。
――やっぱり娘想いなご両親じゃないですか(笑)。また、一人暮らしになったことで、家で仕事に向き合う時間も増えたんじゃないでしょうか?
富田:増えましたし、移動時間が減ったので、レコーディングの練習の時間もちょっと増えた気がします。準備がゆっくりできるようになりましたね。
朝は一時間ほど余裕ができたので、「ちょっと今日はお洒落しようかな」と思えたりして、心に余裕ができた気がします。