劇場上映アニメ『グリザイア:ファントムトリガー THE ANIMATION スターゲイザー』佐倉綾音さん&三森すずこさんインタビュー/トーカからグミへ受け継がれていく人生のバトン
人から人へバトンが受け継がれていくところにエモさを感じました
――第3話で特に好きなシーンや注目してもらいたいポイントはどこでしょうか?
佐倉:この作品は、本当にいろんな要素が詰め込まれていて。ミリタリー要素、無骨な戦闘シーン、可愛い女の子たちの姿……さりげないお色気もあるし、人間ドラマでの楽しさや寂しさもあります。
もちろんシリアスなシーンありきで、私はその中にある日常っぽい女の子たちの絡みや関係性に通じるシーンが印象に残っています。大事な話をしながらも、さりげなくレナとトーカの距離が近かったり、大事な作戦の狙撃の体制がすごいポーズだったり(笑)。
そういうところは、重厚な雰囲気の中での清涼剤というか、“無駄なサービスシーンじゃない感じ”がとてもいいな、一石二鳥だなと思っています。
――期待している人もいるであろう、あのポーズですね。
佐倉:そうそう。なんだこれ!?と思いましたけど、トーカ曰く理にかなっているらしくて。無理やり入れ込んだお色気シーンじゃないのがいいですよね。
――ちゃんと前半にフラグがありますからね。三森さんはいかがですか?
三森:やっぱりトーカの過去が描かれるところですね。今のトーカがいかにしてこのような子になったのかすごく納得しました。トーカが過去の自分とグミを重ね合わせて、過去に自分がしてもらったことを今度はグミに与えていく……そうやって自然とバトンが受け継がれていくところはすごくエモかったです。
――そういうのって、普段の生活にも通じるところがありますよね。
三森:そうですね。現在に至るまでにいろいろあって、それがどんどん先に続いていくのは本当に人生だなって思います。そういう意味では、キャラクターがただツルッとそこに存在するのではなく、厚みを持った人間として生きているんだなって感覚を味わえるのは、この作品の素敵なポイントですよね。
――本作の特徴といえば、ミリタリー的な造詣の深さもあると思います。以前、銃の名前など専門用語に苦労したとお話していましたが、もうだいぶ慣れましたか?
佐倉:いや、慣れるとかないです(笑)。
――今回もスラスラと専門用語を喋っていましたけど。
佐倉:だって、ゲーム収録時は特になんですけど、「覚えた!」と思った言葉が二度と出てこなくて、また新しい言葉がポンポン出てくるんですよ。だから、グリザイアの台本がドサッと来たときは、まずはちゃんと読めるようにしようと。でも、調べても読み方やアクセントがでてこないんですよね……。
三森:うんうん。
佐倉:有識者である脚本の藤崎さん(原案の藤崎竜太さん)が現場にいらっしゃるので、これはもう直接聞くしかないと思いながら毎回台本チェックしています。
――実際に調べても、どういうものかは出てきますけど、それ以上はわからなかったりしますからね。
佐倉:そうなんです。慣れている人は別の読み方をしたり、アクセントが違うこともあるじゃないですか。そのあたりは現場で全部確認してから収録に臨んでいます。
三森:私も「こうだろうな〜」ってなんとなくで練習していくと全然違うことが多いので、現場で確認作業をしていますね。
今回も出てくるのですが、スナイパーには呼吸法があるんです。「10吸って、6吐いて、構える」みたいな。台本にただ「すーー、はーー」と書かれていても、最初はそんなこと知らなくて。でも、ゲームで同じことがあったから、今回もそうだろうなと思って確認してみたら「そうです」と。そうやって段々と自分の中に知識が蓄積された実感はありました。