グリザイアシリーズの魅力のひとつは声優の技量! 劇場上映アニメ『グリザイア:ファントムトリガー THE ANIMATION スターゲイザー』井澤美香子さん 声優インタビュー
意図的に面白くするのではなく、一生懸命な姿が結果的に面白くなるように
――有坂先生的な見どころについてはいかがですか?
井澤:有坂先生は、今回初めて任務のために遠征するA組のみんなを引率します。本来なら命の危険にさらされることのない子たちが“任務”にあたるのを見て、信念や理念に直接触れることで、心を痛めつつも変わるきっかけになるんです。
前回は戸惑ってばかりいた有坂先生が、ふと立ち止まって生徒たちのことを改めて考えたりして。
一方で、有坂先生なりの日常というか、ギャグっぽいシーンも増えているので、“有坂先生らしさ”もすごく出ていると感じました。そのどちらも見どころですね。
――公式サイトのキャラクター説明にも書いてある「一服の清涼剤」というのを、見ていて感じました。ニワトリのシーンもそうですし。
井澤:カエルのシーンとかもですね(笑)。
――そういうちょっとほっこりするシーンでは、なにか意識したことはあるのですか?
井澤:「和ませてやるぞ!」とか「面白くしてやろう」といった気持ちで演じたというよりは、有坂先生が“常に一生懸命にいる”というスタンスで演じました。
例えば、ニワトリに名前をつけて可愛がるところも、彼女の中で「任務だ、任務だ」と一生懸命やっている姿が、傍から見て結果的に面白かったり、ズレている感じになると思うので。意図的に「面白くしよう」ではなく、「やらなきゃ!」 っていう使命感で動いているんですよ。
――ずっと演じてきたからこそ、彼女の一生懸命さが素直に出せたのでしょうね。
井澤:そう言っていただけると嬉しいです。でも、パラシュートで飛び降りるシーンやカエルを見て倒れちゃうシーンは、何度かリテイクをいただきました。
音響監督さんも、もっといける、もっと追い込まれるといろんな表情が出せるんじゃないかと思ってくださって。有坂先生ならではの表情を引き出そうといっぱいトライしてくださいました。
――戦闘シーンはともかく、高所やカエルは現実に体験しようと思えばできますけど、井澤さんは得意・不得意で言ったらどちらですか?
井澤:え〜! どっちも駄目ですね。
――チャレンジしてみようと思ったことは?
井澤:高所はチャレンジしてみようと思ったことが何度かありました。私、ひとりで遊園地にいくぐらい“ひとり行動”ができる人なので、以前ひとりでユニバーサル・スタジオ・ジャパンに行って、足が宙ぶらりんになるコースターに乗ってみたことがあるんです。
でも、超怖かったのにひとりだから怖さを分かち合えず、ただ悶々としながら乗っていて。そこで「あ、私は高所恐怖症かも」って気づきました(笑)。
カエルも、上野動物園で「ちょっと気持ち悪いけど見てみよう……やっぱ怖い!」ってなったことがあります。怖いもの見たさというか、やってみなきゃわからないから試してみるんですけど、やっぱりどっちも怖いですね。