エッチに見せない絶妙なタッチとかわいさのバランス――秋アニメ『おちこぼれフルーツタルト』チコ役・佐倉薫さん、ぬあ役・篠原侑さん、るあ役・田中貴子さん 声優インタビュー【連載第5回】
かわいいけどドキドキさせる原作。田中さんとあのキャラとの意外な共通点とは?
――恥ずかしくなっていただく企画はここまでとして(笑)、『おちこぼれフルーツタルト』の原作を読んで感じた印象や魅力を教えてください。
佐倉:女の子がかわいく描かれていますが、ドキドキするエピソードやシーンもエッチに見せない、いいラインとタッチで描かれている作品だなと思いました。キャラクターたちが何をやっても結局、かわいくなるところが魅力じゃないでしょうか。
篠原:かわいいのに、ちょっとそういう雰囲気を出してきますよね。あと予想外の展開やとんでもないことが結構あったりしておもしろいなと。読んでいる途中で、「これってアイドルものじゃなかったっけ?」と気付くことも。そこが好きです(笑)。
田中:絵を見た時、浜弓場(双)先生の特徴かもしれませんが、太ももの肉付きが良くて。
佐倉:わかる! リアルな感じだよね。
田中:こんなデフォルメされた、かわいい世界なのに、体つきはリアルで。そのかわいらしさとちょっとエッチな部分のバランスがマッチしていて。
そしてギャグのスピード感も息をつく間もないくらいなので、何も考えずに読める作品だなと。そして読んだ後にはすっきりとした爽快感もあって。ちなみに私は、コミックは紙派なんですけど、(紙の書籍には)エッチな作品独特の香りがして。
(一同爆笑)
田中:私だけ?
――まさか田中さんが仁菜と同じ匂いフェチだとは(笑)。
田中:一緒かもしれない! まさかの自分が演じていないキャラクターと同じとは。発見です(笑)。
3人共、最初にオーディションで受けた役とは別役で決定。篠原さんと田中さんは自身の属性を発見!?
――オーディションを受けた時の想い出と出演が決まった時の感想をお聞かせください。
佐倉:最初はチコではなく、ロコ役でオーディションを受けました。ロコを一通り演じた後に、「チコ役も受けてくれませんか」とその場で言われて。ちょっとお時間をいただいて原稿を読んで臨んだら、あとで「チコ役で受かりました」とマネージャーさんから教えてもらいました。
私はアイドルが好きで、プライベートでもアイドルのライブに行っているし、侑ちゃんやTTにも現場でアイドルについて熱く語っているくらいで(笑)。だからアイドルを題材にした作品に関われることになってすごく嬉しかったです。
篠原:最初に受けたのは衣乃とはゆで、その後でぬあと、るあ両方受けてくださいと言われて。2キャラとも同じ原稿だったので、「どうしたらいいんですか?」と尋ねたら「自分のタイミングでどっちも言ってみてください」と。「双子だから声が似ていてもいいのかな?」と戸惑いながらも、自分なりにそれぞれのキャラクターを想像して演じて。1人2役みたいなのは初めてだったので楽しむことができました。
結局、ぬあちゃんに決まりまして、私も演じていてぬあのほうが合っているかなと思っていました。誤解されないように言うのが難しいんですけど、「Mのほうが自分に近いのかな。ドSよりは演じやすいかもしれない」と思ったし、ドM声なのかもしれないなって(笑)。
普段はそうではないのに、垣間見えるところは自分なりにうまくやれたのかなと思っています。また、るあを一度演じたことで、「どうなるのかな」と楽しみにしていた部分もありました。
田中:ささちゃんと同じく、衣乃とはゆで受けた後に2役演じるように言われて。(篠原さんと)まったく同じ気持ちでした(笑)。「双子だから同じような声だろうな」と考えながら1人で2役を演じる楽しさを感じていました。
自分はどちらかというとイジられることが多いので、ぬあ寄りなのかなと思っていましたが、よくよく考えてみるとマンガなどを読んでいる時、イジられているキャラクターが「やめてよ!」と言っている顔が好きだと気付いたんです。
るあで決まった時、「もしかしたら自分の中にSの部分があるのかもしれない。それを掘り起こして磨けば……」と。自分自身知らなかった面に気付けた気がします(笑)。あと、るあ役で決まった連絡をもらう前に、同じ事務所で同期の久保田梨沙ちゃん(ロコ役)から「一緒の作品に出られるらしいよ」と聞かされて、その時点で嬉しさがありました。