『劇場版 Fate/Grand Order -神聖円卓領域キャメロット-前編Wandering; Agateram』坂本真綾さん&川澄綾子さんインタビュー|『独白』誕生の裏側から、サーヴァントを演じ分ける苦労話も
2020年12月5日(土)より劇場公開がスタートする『劇場版 Fate/Grand Order -神聖円卓領域キャメロット-前編Wandering; Agateram』。
スマートフォン向けRPG『Fate/Grand Order』(以下、FGO)の中でも、とくに人気の高いエピソードである第1部第六章「神聖円卓領域キャメロット」の待望の映像化を実現した作品である本作。コロナウィルスの影響で一度は公開が延期となり、多くの『FGO』プレイヤーが、この時を待ちに待ったことかと思います。
今回は、その中でレオナルド・ダ・ヴィンチを演じ、主題歌も担当する坂本真綾さんと、獅子王を演じる川澄綾子さんにお話を伺う機会を得ましたので、そのインタビューの模様をお届けしていきます。
宮野真守さんとベディヴィエールには共通点も
――第六章『神聖円卓領域キャメロット』への印象を教えてください。
川澄綾子(以下、川澄):最初にゲームをプレイした時は、『Fate/stay night』の『Fate』ルートから繋がるもう一つのストーリーに、また新たに触れる事が出来て、とても感動しました。
今回の劇場版の方では、ベディヴィエールの視点から描かれた物語になっていて、よりベディヴィエールに共感できる物語になっていると思います。もちろん、藤丸くんとマシュや他のサーヴァントの物語も丁寧に描かれますが、視点が定まる事で新たな物語になったという印象です。
坂本真綾(以下、坂本):私はダ・ヴィンチとしての視点から見てしまうので、第七章(『絶対魔獣戦線バビロニア』)のアニメの時は、藤丸くんたちと一緒に現地に行っていたわけではないのもあって、離れたところにいる寂しさのような感情もあったんです。
第六章では、藤丸くんたちと一緒にレイシフトして、現地でいろいろなキャラクターたちと会話できるというのは楽しみでしたね。
ダ・ヴィンチって、普段は少しおちゃらけているというか、場を和ませるタイプの存在なのですが、第六章ではシリアスな場面や見せ場もあるので嬉しかったです。
――第六章の鍵を握る存在である、ベディヴィエールというキャラクターについてはどう感じられましたか?
川澄:円卓の騎士は「強さ」も魅力の1つだと思うのですが、ベディヴィエールはその「強さ」の質が違うような気がして……。穏やかに静かに「強い」という感じがします。だからアーサー王からもとくに信頼されて、その最期も看取ることができたのかなと思います。
まっすぐで王に忠実で、決して驕り高ぶることがなく、静かに王の支えになる。この物語はそんなベディヴィエールだから成し遂げられたのかな、と思います。
――『Fate』シリーズの円卓の騎士はアクの強いキャラクターが多いですが、ベディヴィエールはまさに騎士らしい性格をしていますよね。
川澄:そうですね。圧倒的なスキルを持っていたり、強さに自信をもっているのもとても騎士らしいといえるかもしれませんが、常に一歩控えたような位置にいるのが、彼の魅力かなと思います。
坂本:私は実際に宮野くんがアフレコで声を入れているのを聞いて、ゲームをプレイした時に受けていたベディヴィエールの印象から、感情の奥に隠された表情であったり、人間らしさのようなものをより感じられるようになりました。宮野くんがもつ声の力によって、よりベディが生き生きとしているなと。
――ゲームでは想像で補っていたものが描写されることで、より深くキャラクターを理解しやすくなったと。
坂本:そうですね。宮野くんはすごく華やかな方なんですけど、どこか「憂い」みたいなものも秘めていて、それはベディにも通じている部分ではないかと感じています。ミステリアスな雰囲気もあって、何を考えているのか、もっともっと知りたくなるキャラクターだと思いましたね。
――アフレコはどのように進んだのでしょうか? コロナ禍の影響もあったのでしょうか。
坂本:アフレコはコロナ禍になる前だったんです。だから皆で一緒に収録ができて。
川澄:ワイワイと楽しかったですね。すごく豪華なお弁当を用意していただいて、それを皆で食べたり。宮野くんがすごくわんぱくな食べっぷりで、私のお弁当のうなぎをあげたりもしました(笑)。
坂本:楽しかったですよね。今の情勢だったらお弁当の中身を交換しあうとかは、ちょっとできないことですから。
――そうなると、後編の収録は前編とは雰囲気が変わってきそうですね。
川澄:そうなるかもしれませんね……。後編は他のキャラクターと絡むシーンも多いと思うので、寂しいのですが……。
坂本:ただ、きっと大事なシーンは一緒に収録できるようにして下さると思いますから。
川澄:今も完全に1人で収録しているわけではないので、対策はとりつつ、大事なシーンは少人数で一緒に収録するという形になるのではないかなと思います。