『Fate/Grand Order』『刀剣乱舞』『陰陽師』などコスプレイヤー・繭さんの美麗な男装写真&インタビューを特集
アニメ・ゲームなど数々のコスプレ作品を送り出しているコスプレイヤー・繭さん。グローバルなコスプレ投稿サイト「WorldCosplay」では、そんな繭さんにインタビューを実施! 男装メイクのポイントなどについて語られています。
本稿では、これまで繭さんが送り出した『Fate/Grand Order』『刀剣乱舞』『陰陽師』『キルラキル』のコスプレ写真とともにインタビューを紹介します!
※「WorldCosplay」から公式転載。2020年3月9日掲載記事です。
撮影時のポイント
WorldCosplay・乾:Cure WorldCosplayやTwitterで格好よく美麗なコスプレ写真を拝見し感動しておりました。今日は、あのコスプレ写真が出来上がるまでの話をじっくりとお聞かせください。先ずは、撮影の際に気をつけている所はございますか?
繭:ある程度時間の取れるスタジオ撮影の場合はポージングにはかなり気を使っています。「体の捻り具合や角度も気にしている」と聞くと細かすぎると思われそうですが、全体で見た時のバランスの良さがかなり変わってくるので気にしています。
姿見があるスタジオではカメラマンさんの邪魔にならない所に置かせてもらい、それを見ながらポーズの微調整や着崩れの確認をしながら撮影する時もあります。撮影画像を見なくてもある程度自分で調整できるのと、折角格好良い光で撮ってくれたのに撮影後に着崩れに気づいて凹む事が減るのでお勧めです。
乾:なるほど。着崩れやボタンが外れていたりするのは、写真になってから気付く時がありますからね。その凹み具合はハンパないですけど・・・写真の中のあの綺麗な姿勢は、細かいチェックと調整から生まれるのですね。
繭:あとは画像確認する際に自分とカメラマンさんの修正したい所や拘ってる点を話しながらお互いのイメージを共有する事です。同じ写真でもカメラマンさんの注視する所とレイヤーが注視する部分は違うので、会話とテイクを重ねてイメージ合わせをします。一緒に作品を作っている感じがして良いなと思います。
ロケだとこういう事に時間が取れないので、そういう時は撮影前にイメージ画像を共有するように気をつけています。 同じく合成前提の撮影をする時もそうですね。背景によって必要機材が変わってくるので、事前打ち合わせは必ずやってます。
乾:カメラマンさんとの密な打合せは重要だと思います。お互い出来上がりのイメージが合致していると後の作業が捗りますし、出来上がりの作品にブレがなくなりますよね。自分は時折、行き当たりばったりでカメラマンに無茶なオーダーをお願いする事があるので見習いたいと思います。
男装メイクのポイント
乾:繭さんのされるコスプレはいつもスマートでクールなキャラクターが多いですよね。あとカッコいい男装キャラのメイクポイントの秘訣を教えて頂けますか?
繭:好きになるキャラクターが色白肌だったり褐色肌のキャラが多く、ファンデーションを綺麗に塗るのに最初は凄く苦労していました・・・自分の肌に合ったファンデーション選びも大切ですが、ベースメイクでなるべく肌の細かい凹凸を無くすようにするのも綺麗に見せるのにとても重要な要素だと思います。「エテュセ」のオイルブロックベースを鼻中心に使い、
「シュウウエムラ」の「ステージ パフォーマー スムースアウト」をTゾーンと鼻周りの頬に使っています。
どちらも毛穴カバーとテカリ防止に特化したもので、最近愛用しています。
男装らしさを出すメイクのコツとしてはやはり眉毛です。私の場合ですが、キリッとした印象や男性らしさが足り無いなと思うときは大概眉毛が薄いか細いかの場合が多いですね。普段のメイクの癖が出やすいパーツなので注意しながら、なるべく眉毛と目の距離を近づける感じでメイクするとよりキリッとした顔立ちになると思います。
あとメイクではありませんが撮影時は目の開き具合や、カメラの角度を確認しながらそれに合わせて黒目の見えっぷりを調整をしてキャラクターの目の印象に近づけたりする事もありますね。三白眼キャラや切れ長な目のキャラでよくやります。
乾:あの綺麗な「アルジュナ」の褐色肌のポイントはベースメイクだったのですね!涼しげな目元にもメイクを注力されていると。そこからな視線や目の開閉で目元メイクも活きてくるとは、凄いです!
衣装制作のこだわりポイント
乾:衣装の方も手作りだそうですが、衣装制作時に注意したり、こだわっているポイントなどございますか?
繭:布選びの時に質感バランスは特に気を使っています。とくに無地の領域が多いキャラクターは、選択する布や組み合わせによって安っぽい印象になってしまうので布屋で色んな布を見比べながら選別しています。場合によってはイメージを崩さない程度にさり気なく柄があったり布地が際立つ布をわざと選んで情報量のバランス調整をする場合もあります。
「Fate/Grand Order」の「アルジュナ」を例に出すと、彼はイラストだとマントも上着もズボンもベースは全て白で描かれていますが、この3パーツは全て布の種類を分けました。王子感や気品のあるキャラクターなので、安っぽくならないように上着は光沢があり白ベースのものにわざとさりげなく柄が入っているサテンを選びました。ライティングによって部分的に柄がさり気なく際立ち写真の情報量がアップしてくれるので気に入っています。 他のパーツにも柄があるとうるさい絵になってしまうので、他のパーツは無地のものを選び質感でバランス調整しました。マントは重厚感とやんわりとした光沢が綺麗なマットサテン、ズボンはシンプルな質感のポリエステルツイルを選び全体のぎらつきを抑えました。
乾:布選びの段階からすでにこだわりがスタートしていると!!確かに、布屋さんでの布選びには時間をかけてしまいますが、ついつい安さと品揃えの部分で妥協してしまうことがあるのですよね? 見習いたいと思います!!
繭:制作道具のオススメは「pebeo」のチューブ型の塗料です。立体的で細かい模様が描けるのでいつも重宝しています。布用ですが造形物の模様描きでいつも使っています。
乾:この画材知っています!! 便利ですよね♪ 以前はアクリル絵の具を使っていたのですが、こちらの方が便利なので愛用しています。
ウィッグについて
乾:撮影、メイク、衣装と続いて、最期はウィッグについてのこだわりポイントを教えてください。
繭:最近は「スワローテイル」さんを愛用して、ナチュラルな癖付けがしやすいのと輪郭まわりの毛の流れが気に入っています。熱処理で癖付けが作りやすく、洗っても大まかな癖が形崩れしないので再セットもしやすいですね。ロングウィッグはメンテナンスが大変ですが、「スワローテイル」さんのウイッグは長持ちしやすい印象を受けます。
他のメーカーさんだと、ツンツンヘアーのウィッグは「エアリー」さんのウィッグを使用しています。ワックスを付けなくてもある程度束感を出せてとてもセットしやすく、初めて使ったときはセットのしやすさに感動しました。
乾:「エアリー」さんはよく使っているので、馴染みがあるのですが、「スワローテイル」さんのはあまり使った事がないので、ロング系やシャギー系が必要なキャラをする機会に買ってみます♪
繭:セットのコツとしては、イラストだけだと三面図があっても再現が難しい場合があるので、3D作品以外は、フィギュアなど立体物として発売されている場合はそちらもチェックしています。とくにねんどろいどはオススメです! デフォルメされて情報量が削減されつつキャラクターの特徴的な部分が反映されているのでとても参考になりますよ。それを参考にしつつ、毛束を足してボリューム調整する事もあります。
乾:1枚絵で一方向からの再現度を高めると、他の角度から見た時に変になる事もありますからね。フィギュアやねんどろいどは確かに参考になります。
宣伝・告知
乾:色々とお話しを聞いて、すごく勉強になりました。最後に、なにか告知があれば、どうぞ。
繭:現在は通販受付はしていませんが、今後頒布物があればBoothをメインに通販する予定なのでよろしくお願いします。
コスプレイヤーの活動意外にも合成やレタッチを請け負ったりする事もあります。もし興味ある方はTwitterのDMでご依頼ください!
乾:あのレタッチもご自身なのですね! 今度機会があれば、レタッチテクニックについてもお聞きしたいです。本日は、ありがとうございました。
◆繭さんのWorldCosplay
◆コスプレイヤーズインタビューvol.41 -繭-
◆コスプレイヤーズインタビューまとめ
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・Twitter:@Mayu_bsr