【連載】TVアニメ『WAVE!!~サーフィンやっぺ!!~』陽岡マサキ役・前野智昭さんインタビュー vol.1|茨城弁、干し芋が大好物という共通点が多いキャラクター
『WAVE!!』を通してサーフィンの気持ち良さを感じてほしい
——アニメではサーフィンをしているシーンも多いと思いますが、演技の面でディレクション等や心がけていることがあれば教えてください。
前野:演技面で難しいポイントは多々ありますが、それ以上にアニメでの波の描写がすごく難しいと伺っていたので、そこをあえて『WAVE!!』という作品で挑戦するという心意気に感銘を受けました。
絵のほうもすごく頑張っていただいているので、僕ら役者もしっかりお芝居を頑張ろうという気持ちで現場は締まっています。
正直、サーフィンはやられたことがない方が多いスポーツだと思うので、皆さんの想像で補う部分も多いのですが、『WAVE!!』のメインキャラクターを演じるメンバーみんな、一度はサーフィンを経験させていただいて、乗っているときの気持ちやパドリングしているときの息づかいを何となく理解した上で演じることができました。
そういう意味では、サーフィンをやらせていただいた経験がすごく生きているなと思います。
——サーフィンを実際に経験してみて、いかがでしたか?
前野:正直、すごく怖かったです(笑)。沖に向かってパドリングしていくときは、足がつかないようなところまでどんどん進んでいく怖さがありましたし、極力落ちたくないので限界まで長くサーフボードに乗っていたいという気持ちもありました。
でも、いざやらせていただくと、すごく達成感を得られるスポーツだな、と。確かに怖い部分はありましたが、何より気持ち良かったという部分がすごく大きかったので、そういうところを『WAVE!!』を通して皆さんにも知っていただければと思います。
——東京オリンピックでも初めて競技種目として採用され話題になっていますしね。
前野:東京オリンピックで日本人選手のどなたかが歴史に残るような活躍をしてくだされば、いろいろなメディアの皆さんが取り上げてくださる機会が増えますし、一緒に『WAVE!!』も盛り上げていけたら良いなと思います。
サーフィンはすごく奥深いところがたくさんありますが、普段あまり目にすることのないスポーツでもあるので、敷居が高いイメージを持っている方も多いと思うんです。
もちろん、難しいところはありますが、実際にやってみると想像しているほど難しいわけではありませんし、特別何かを持っていなければならないということもありません。
——ちなみに、前野さんがサーフィンをやられて1番難しいなと感じたところはありましたか?
前野:やっぱり“良い波”が来るかどうかだと思います。乗れそうな波がその時に来るのかどうか、そこは運や相性があると思います。
——良い波、見極められましたか?
前野:正直、僕は分かりませんでした(笑)。「この波、乗れそう!」と思った波は乗らないほうが良い波だったり……波の見極めが最初全然できなかったです。乗れる波か乗れない波か、一瞬の判断が難しくて全然できませんでした。
共通点が多い“陽岡マサキ”というキャラクター
——ご自身が演じる陽岡マサキの印象をお聞かせください。
前野:僕のキャリアの中でも若く明るい、本当にピュアな子です。周りのキャラクターたちと絡んでいろんなものを吸収して成長していく、打算や計算が全くないんだな、と感じます。
底抜けに明るい子なので、もし自分に子供がいた場合はマサキのように育ってほしいです。
——本当にまっすぐで天真爛漫な子ですよね。
前野:はい。それでいて茨城県の特産品である干し芋が好物という一面も取り入れてくださっています。
——干し芋、前野さんも食べられるんですか?
前野:僕も大好きで家にストックしています。茨城の実家から大量に送ってもらっているんです。
——おぉ!また、前野さんとマサキの共通点が見つかりました。
前野:実はマサキはカナヅチなんですけど、僕もそんなに泳ぎは得意なほうではありません。サーフィンをやらせていただいたときに「落ちて溺れたらどうしよう」という恐怖心がありましたし、その気持ちは分かります。
でも、マサキは“天性のバランス感覚の持ち主”なので、今後はそこがキーポイントになってくるんじゃないかな、と思います。
——確かに!
前野:お父さんが鳶職をやっていて、その影響でマサキも常人離れをしたバランス感覚を持っているんです。
——天性のバランス感覚を持っていると、スポーツが得意そうな感じがします。
前野:そうですね。バランス感覚といえば、僕、昔に一輪車が流行っていたとき、すごく頑張って練習したことがありました。頑張って練習して乗れるようになりましたけど、もう乗れないでしょうね(笑)。