木村昴さんの“強さの美学”に東堂はピッタリ! その稀有さに榎木淳弥さんが感じたものは? ついに“京都姉妹校交流会編”が始まったアニメ『呪術廻戦』声優インタビュー【第2クール放送記念】
激しくぶつかった虎杖と東堂。気になるアフレコの様子は?
ーーいよいよ京都姉妹校交流会が始まりましたが、死んだとされていた虎杖が実は生きていたドッキリから始まりました(笑)。
榎木:あははは(笑)。僕的には数少ないコメディシーンだったので、めちゃめちゃ楽しくやらせていただきました。どうやったら面白くなるのかなと考えたんですけど、現実的に考えると、めちゃくちゃ不謹慎なネタですよね(笑)。だから、あの反応はまっとうだったんじゃないかなと。
ーー結構引かれていましたからね……。
榎木:あと、同級生たちと久しぶりに一緒にアフレコができたんですよ! それまで、メインなのにずっと別々での収録だったので、10話くらいぶりくらいに一緒になれて、その喜びもかなりありました。
木村:同級生の2人が、虎杖が生きているのを知ったらどんな反応をするのかって、裏のテーマにもなっていたと思うんですよ。たとえば運転とか補助をしてくれている伊地知さん(CV.岩田光央)が、第9話で「虎杖くんが生きてるって知ってるの私だけですから」と言ってたりしたし。
第6話で虎杖が生き返ったあとに「みんなびっくりするかなぁ」と言ってから、それをどう伝えるのかというワクワクも並行して進んでいたと思うんです。
榎木:再会に向けての期待値は高まっていってましたね。
木村:強くなって再会したいという思いがあったらからこそ、どう伝えるのかなと思っていたら、これだけ溜めて、あんな方法?って思いました(笑)。
榎木:もっと感動的な感じだと思ったよね(笑)。
木村:釘崎なんてバク泣きして、生きてたー!ってなるのかと思っていたら……。
榎木:逆に怒られるという。ちょっと泣いてはいましたけど。
木村:虎杖が死んだあとの第5話で「会って2週間やそこらよ。そんな男が死んで泣きわめく程、チョロい女じゃないのよ…」って言ったあと、口元がピクピクしていたのとかすごく良かったですしね!
ーーそこから、京都校の楽巌寺学長が虎杖の暗殺を企てるときに、それを無視して出ていった東堂がカッコよくて。
榎木:扉をふっ飛ばして出ていきましたからね。
木村:高田ちゃんが出る散歩番組を録画しているけど、「リアタイと録画、両方観んだよ!」って言ってて、なるほどねと。あそこでまた東堂のキャラクターが、より出てきましたよね(笑)。
ーーそれで学長の命令を無視するって、面白いというか、とんでもなく強いんだなとこちらは思ったのですが、その後、虎杖と東堂でぶつかってみてどうでしたか?
榎木:同じ事務所(※)ですし、なんとなくこう来るのかな?と予想はしてアフレコに臨んだんですけど、そのどれとも違っていて。やっぱり毎回、こう来るんだ!って驚かされますね。
それと二人は会話をしているようでしていないから、その難しさはありました。しかも東堂のモノローグがすごく多かったので、見ていて大変そうだなって。しかもこの作品、登場人物みんな頭が良いんですよ。東堂も言葉使いが独特だし。
※ 榎木さんと木村さんは同じアトミックモンキーに所属
木村:硬派なしゃべり方なんですよ。
榎木:いろいろと難しそう。
木村:難しそうだと思いました? ……難しかったです!(笑)
榎木:結構文量も多かったし、モノローグの間に台詞が入ったりするから、その切り替えも大変そうだなって。
木村:あと話している内容も難しいから、台本をパッと見ても何のこっちゃなんですよ。でも何が言いたいのかを僕がちゃんと把握していないと話にならないから、台本チェックをするときは、まず漢字にふりがなを書く1ターン目、どう読もうかなと考える2ターン目、そして3ターン目で、一体何が言いたいんだろうってよく考えて、そこで初めて画(リハーサルVTR)と合わせるんです。だから、何を言おうとしているかを汲み取るのが大変でした。
でも東堂も突飛なキャラクターだけど、虎杖も両面宿儺の器だけあって、器がデカいんです。他者を拒絶しないところがあって、突飛な東堂の言うことすら、ちゃんと聞こうとする。相手を見ているし汲み取ろうとするから、数少ない言葉でも意思疎通ができるんですよね。だから東堂は虎杖に生かされているのかなと。
ーー最初に好きな女のタイプを聞くのは印象的です。
木村:この質問にどう答えるかで相手をジャッジしようみたいな考え方って、なんか良いですよね。そういうのが一個あると、自分がぶれないというか。
榎木:基準があると良いよね。
木村:だから伏黒が第8話で「好みとかありませんよ」と答えたときは、あちゃ~~って思ったんですよ(笑)。
榎木:一応「その人に揺るがない人間性があれば」みたいなことは答えていたけど、それじゃダメだったみたいね(笑)。
木村:だから最近自分自身も、「木村くんはどういう子がタイプなの?」って聞かれたら、これまでみたいに「優しければ……」みたいに曖昧なことを言うのをやめたんです。具体的に言えたら、それが強さの証なのかなと思うようになって(笑)。
ーーそこにも影響を受けやすいところが出たんですね(笑)。では最後に、今後、この戦いを見てほしいというポイントを教えてください。
榎木:それはもう、次に(パンダ役の)関智一さんの戦いが待っているので。またこれまでの呪術の戦いとは違った、メカ戦みたいになるので楽しみにしていてほしいです。
木村:僕たちの事務所の先輩でもあるので、ここは自分も関 智一さんのシーンを推したいですね。関さんのカッコ良さをその目に焼き付けていただけたら幸いです。
[取材・文/塚越淳一]
《第2クール:インタビュー記事バックナンバー》□01 虎杖悠仁役・榎木淳弥×東堂葵役・木村昴
□02 パンダ役・関智一×究極メカ丸役・松岡禎丞
□03 釘崎野薔薇役・瀬戸麻沙美×禪院真希役・小松未可子×禪院真依役・井上麻里奈
《第1クール:インタビュー記事バックナンバー》
□01 虎杖悠仁役・榎木淳弥
□02 両面宿儺役・諏訪部順一
□03 五条 悟役・中村悠一
□04 釘崎野薔薇役・瀬戸麻沙美
TVアニメ『呪術廻戦』作品情報
放送情報
毎週金曜日深夜1時25分からMBS/TBS系全国28局ネット“スーパーアニメイズム”枠にて好評放送中!
イントロダクション
少年は戦う――「正しい死」を求めて
辛酸・後悔・恥辱
人間が生む負の感情は呪いと化し日常に潜む
呪いは世に蔓延る禍源であり、最悪の場合、人間を死へと導く
そして、呪いは呪いでしか祓えない
驚異的な身体能力を持つ、少年・虎杖悠仁はごく普通の高校生活を送っていたが、ある日“呪い”に襲われた仲間を救うため、特級呪物“両面宿儺の指”を喰らい、己の魂に呪いを宿してしまう
呪いである“両面宿儺”と肉体を共有することとなった虎杖は、最強の呪術師である五条悟の案内で、対呪い専門機関である「東京都立呪術高等専門学校」へと編入することになり……
呪いを祓うべく呪いとなった少年の後戻りのできない、壮絶な物語が廻りだす―
スタッフ
原作:芥見下々(集英社「週刊少年ジャンプ」連載)
監督:朴性厚
シリーズ構成・脚本:瀬古浩司
キャラクターデザイン:平松禎史
副監督:梅本唯
美術監督:金廷連
色彩設計:鎌田千賀子
CGIプロデューサー:淡輪雄介
3DCGディレクター:兼田美希・木村謙太郎
撮影監督:伊藤哲平
編集:柳圭介
音楽:堤博明・照井順政・桶狭間ありさ
音響監督:藤田亜紀子
音響制作:dugout
制作:MAPPA
オープニングテーマ:Eve「廻廻奇譚」(TOY'S FACTORY)
エンディングテーマ:ALI「LOST IN PARADISE feat. AKLO」(MASTERSIX FOUNDATION)
キャスト
虎杖悠仁:榎木淳弥
伏黒恵:内田雄馬
釘崎野薔薇:瀬戸麻沙美
禪院真希:小松未可子
狗巻棘:内山昂輝
パンダ:関智一
七海建人:津田健次郎
伊地知潔高:岩田光央
家入硝子:遠藤綾
夜蛾正道:黒田崇矢
五条悟:中村悠一
東堂葵:木村昴
禪院真依:井上麻里奈
三輪霞:赤﨑千夏
楽巌寺嘉伸:麦人
吉野順平:山谷祥生
夏油傑:櫻井孝宏
漏瑚:千葉繁
花御:田中敦子
真人:島﨑信長
両面宿儺:諏訪部順一