【連載】TVアニメ『WAVE!!~サーフィンやっぺ!!~』厳名コウスケ役・佐藤拓也さんインタビュー vol.1|コウスケを通して伝わるサーフィンの魅力
ストイックさを感じた第一印象
——ご自身が演じる厳名コウスケの第一印象をお聞かせください。
佐藤:周りが結構軽いというか、軽やかにサーフィンを楽しんでいる中で自分をハードに鍛えているストイックな印象を抱きました。
もうちょっと大洗組(マサキ・ナル・ショウの3人)と仲良くなるのに時間がかかるのかな、と収録前に思っていましたが、何か共通の好きなものがあると男の子は仲良くなるのが早いなぁと『WAVE!!』で感じて。
もっと大洗組と湘南組(コウスケ・ユータの2人)はバチバチするのかなと思っていたので、安心しました。バチバチ競い合うというよりもお互いに切磋琢磨しながらという感じでしたので、爽やかな距離の詰め方が嬉しかったです。
——コウスケを演じる際、“こうしてほしい”といったディレクションはあったのでしょうか?
佐藤:特になかったような気がします。仲間との関係性よりも自分に対してストイック過ぎる面が、収録が始まった頃はピックアップされがちだったので、“もうちょっと年相応で大丈夫だよ”と言っていただいたことはありました。
——具体的に、自分でこのように演じようと決めていた部分もなく収録に挑んだ感じでしょうか?
佐藤:そうですね。逆に、自分でああしようこうしようというよりも、収録が始まってからコウスケの立ち位置というか、仲間になってどういう風になるのか、むしろ収録現場で作ったほうが早いだろうと思っていました。
なので、コウスケの好きなことややりたいことだけ決めて、前野さんをはじめとした共演者の方々とのお芝居の中で作っていけたら良いな、と思っていたので、そこまでガチガチに自分で固めることはしなかったです。
みんな優しい『WAVE!!』の世界
——第6話では、湘南にやってきたマサキと相容れなかったり、いわゆるコウスケのメイン回でもありました。収録してみていかがでしたか?
佐藤:コウスケがどうしてサーフィンを始めることになったのか、そのシーンも描かれています。『WAVE!!』ですごく良いなと思うのは、この世界の人たちがみんな優しいところなんです。
ユータにしても泣いているコウスケに声をかけてくれて、コウスケがすごく救われるシーンがあったり、居心地の良い世界だと感じます。
生易しい世界というわけではなくて、目指すものをまっすぐに目指させてくれるというか。受け入れてくれる土壌がある世界だなと感じるので、コウスケも変に頑なにならずに、野球からサーフィンへ切り替えができたかな、と。
ただ、時間に厳しいところがあるので、そこはやっぱり体育系なんだなと感じます。
——自分にないものを持っていたり、うまくできていたりすると、つい妬みや嫉妬心が湧き出てきますが、『WAVE!!』では純粋に相手のことをすごいと思えるところが素敵だな、と思います。
佐藤:サーフィンを含めたマリンスポーツをやっている人たちのマインドが、比較的オープンな人が多いので、その部分も関係していると思います。
『WAVE!!』でも描かれていますけど、大会後にみんなでゴミ拾いをしたり、海や自然を本当に大切にされているんです。
もしかしたら、サーフィンを知らない人たちからすると、“チャラチャラしていて近づきたがい”というイメージがあるかもしれませんが、必ずしもそうではないので、この作品をきっかけにサーフィンに興味を持ってくれる人たちが増えたら嬉しいです。
——前野さんや中島さんなど、ほかのキャストの皆さんもそのようにおっしゃっていました。
佐藤:サーフィンをしている人はみんな浅黒くてアロハシャツを着てウェーイ!みたいな感じかと思われがちですが、やっぱりみなさん海が大好きなんです。
楽しいことだけじゃなくて波にまかれてやばい!と思うこともありますし、そこから“自分の思い通りにならないな”と海から学ぶこともたくさんあります。
そういう意味では、サーフィンはすごく良いスポーツだと思うんです。個人競技なので、自分と向き合えることがたくさんあると思います。