『学芸大青春』最新ミニアルバム『Hit me !』発売記念インタビュー!『漂流兄弟 season2』の振り返りから“ガチプレゼンバトルまで!
“二次元と三次元を行き来する”ボーイズグループ「学芸大青春(ガクゲイダイジュネス)」が2021年2月24日(水)にミニアルバム『Hit me !』をリリース。
つい先日に2nd LIVE「Hit you !」の開催を発表した『学芸大青春』。さらに勢いに乗る彼らに新譜リリースのタイミングでインタビューを実施した。
僕にとって『学芸大青春』2021年初のインタビューとなる。ミニアルバム『Hit me !』や『漂流兄弟 season2』。さらには今回の特典についてまで幅広く訊いてみたので、お目通しいただきたい。
学芸大青春
相沢勇仁
星野陽介
南優輝
内田将綺
仲川蓮
どこへでも行けるけど、ここにいることにする
――『漂流兄弟 season2』全話の配信を終えて、改めて振り返ってみていかがですか?
南優輝さん(以下、南):シーズン2は豪華なキャストの皆さんも出てくださって、たくさん引っ張っていただいたな、と思います。
シーズン1を終えたときに、それぞれ「もっとこうできたらいいな」という課題があったんですけど、それを目の前で体験として、「声優」というプロの方々の演技を見ることで、よりインスピレーションが湧いたり、自分のモチベーションが上がりました。
――ご共演したのは花江夏樹さんと浅沼晋太郎さんでしたよね。
相沢勇仁さん(以下、相沢):ふふ。優輝がめっちゃ緊張してました。
南:いいじゃん! 言わなくても(笑)!
――そりゃ緊張しますよね(笑)。
南:緊張しました。でも、浅沼さんがすごく気を遣って話しかけてくださって。
相沢:優しかったです。
――相沢さんはシーズン2、いかがでしたか?
相沢:シーズン1に比べて、より遊び心を持って演技できたかな、と思います。特にアドリブの部分で、ユキ兄やヨウと絡むときに、「ユウだからこそ、こういうことをボソっと言っていたら面白いんじゃないかな」と自分なりに考えて。「面白くするためには」ということを念頭に、アドリブをみんなで考えていました。
稽古の前から、「これやったら面白そう」というものを入れていくと、実際に「それ、いいね!」と言われることもあって。そういうことを積極的にできたのかな、と思います。台本にないところにも注目して楽しんでもらえたら嬉しいです。
――例えばどんなシーンで、実際にそういったことが行われていたんでしょうか?
相沢:ユキ兄と会話するときに、よくヨウと(ユキ兄を)取り合うんです。ヨウが「ユキ兄は自分の味方だよね?」みたいに話すんですけど、自分は「ユキ兄は俺の味方だよな」とボソっと言ったりして。
ユキ兄に対して「口説く」じゃないですけど、ふざけ混じりで女性に対して言っているかのようなニュアンスを入れていく、ということをけっこうやりました。
――ユキ兄が大好きということを「女性に接するような」テンションを見せることで表現しているんですね。
相沢:マサに対する接し方とのギャップを出したい、差別化したいと思っていました。そうすることでよりマサの孤独感を際立たせたいというか。
――細かな部分もかなり工夫してキャラクターを作っていったんですね。星野さんはいかがでしたか?
星野陽介さん(以下、星野):それでいうと、ホントに自分(ヨウ)とユウは立ち位置的に似ている部分もあって、アドリブで絡むことも多かったので、勇仁が言ったように、自分もいろいろ考えて演技していきました。
あと、自分はレンと特にアドリブで絡むことが多いんですけど、芝居の前にあえて、「こういうことするね」とは言わないんですよ。
仲川蓮さん(以下、仲川):毎回違うもんね。
内田将綺(以下、内田):えー! 知らなかった!
星野:いろいろやって、蓮を困らせるのがすごく楽しかったです。シーズン2は少しずつ余裕が出てきたのもあって、思いついたことはどんどんやっていきました。蓮はすごく臨機応変に対応できるタイプですし。
仲川:いや、めちゃくちゃ困ってたよ(笑)。
星野:あはは。あえて事前にあまり言わずに、めちゃくちゃアドリブをやって、蓮がアワアワしながらも、ちゃんと対応してくれて、というように自分たちがより楽しみながら演じることができたなって思います。
それと、アドリブを入れることはもちろんいいことではあるんですけど、やっぱり元の脚本をリスペクトしたうえで、アドリブを入れていかないとダメだと思うので、そこはすごく注意しながらやりましたね。あまり元の話を変えすぎずというか。
例えば、ユキとマサが兄弟で話し合ってるときに、裏でヨウとレンがアドリブするときは、ちょっと音量を落とすようにして。メインの話はどこか、というのを意識してやるようにしました。
――なるほど~……。ちょっと話がズレるんですけど、星野さんって『じゅね生』だったり、表に出る時は明るく元気なイメージがありますが、こうして取材しているときって、すごく真面目で言葉を選ぶ印象があるので、ギャップがすごいですね。
一同:(笑)
内田:正解です!
星野:恥ずかしい! やめましょう(笑)!
――すみません、ふと思ったもので(笑)。では話を戻して、内田さんはシーズン2いかがでしたか?
内田:シーズン1は「5人と大久保さん(くまま役・大久保ちかさん)で作り上げたもの」という意識が強くて、兄弟の設定だったり、どういう兄弟なのか、どういう作品なのか、という提示をメインにしていたんですけど。
シーズン2は花江さん、浅沼さんのふたりを加えた「8人で作り上げた」という感覚が強いです。
最前線で活躍している声優さんが加わると、こんなに世界が広がるのか、と驚きました。僕らがホントに引き上げられたというか。演技の幅もそうですし、例えばマサでいうと、人間味が出てくるというか、弱さを見せるようになって。人間性の変化や兄弟への立ち振る舞いの変化だったり、バリエーションが圧倒的に増えました。
終盤で花江さん演じるミスターPと対峙するところだったり、ボイスドラマで浅沼さん演じるマダラメ博士と掛け合いをしていったりと、絶対に自分一人ではいけないところまで、おふたりが引き上げてくださったと思います。
シーズン1を通して5人の中で演技を固めたうえで、大久保さん、花江さん、浅沼さんと掛け合いをすることで、自分たちだけでは成し遂げられなかったレベルアップができたと思います。
――途中からユキに対するマサの気持ちが、偽物の兄弟のものではない、本当の弟に対してそれになっていて、内田さんの表現力の進化を感じました。
内田:それも引き上げていただいたというか、優輝のアプローチの仕方あってこそだと思います。ユキを変えていってるのがすごく伝わってきて、僕もそれに引き込まれていったので、優輝に感謝してます。
南:いやいや。でもお互い意識した部分じゃない? ユキも最初は家族がいなくて、ずっと施設で育ってきた人だったので、感情があまり表に出ない、出せないので兄弟への接し方もぎこちない、というスタートで。
話数を重ねるにつれユキの人間味が出てきたり、より兄弟っぽい話し方になる、という雰囲気を出せるように自分なりに意識していました。お互いに意識して、いい引っ張り合いができたのかなって思います。
内田:ユキと「策があるんだろ?」と話すシーンがあるんですけど、あのエピソードの配信後に父親からラインが来たんです。「あのシーン良かったぞ」って言われました。
相沢:めっちゃいい話じゃん(笑)。
内田:「あのシーンちょっと(グッと)来たぞ」って言われて。それ聞いて「うわ~、よかった~」って思いました。
――確かに、すごくいいシーンでしたもんね。マサが初めて素直になれたというか。
内田:そうですね。なんか、ホントに「頼る」というものを覚えた感覚がありましたね。
――本当にすごくいいシーンでした。では最後に仲川さん。終盤はかなり衝撃的でした。どういったことを意識して変化を見せていったのでしょうか?
仲川:ミスターPと出会ったのは、家族を戻したいという一心で。やり方は違うんですけど、マサと同じように、レンも家族を思ってああいうことになったんだな、と思っています。
シーズン1ではパペットの演技が多かったんですけど、シーズン2ではレン自身の演技がけっこう増えて大変でした。
特に、マサと最後言い合いになるというか、自分の思いをぶつけるシーンで、それまでは中立的な立場で、読めないような行動をしていたレンが、弟として自分の思いを出すというのが大変でした。
そもそも僕自身は一人っ子なので、弟の気持ちとかがなかなか分からなくて。すごく考えて演じました。
――最終的にマサが「お前たちに任せるわ」と言ったとき、ひとりひとりのリアクションが映るわけですが、そこでのパペットを使わない、素のレンで話す姿はとても見応えがありました。
内田:半泣きでした。
南:やってるときね。
内田:熱くなっちゃうんですよ。演技中に(笑)。レンと言い合いするところで、「おう」と3回返事をするんですけど、蓮があんなに何かを訴えかける目で僕を見てくれたことがなかったので。「演技でもこれは貴重だ!」と(笑)。
仲川:あはは。
南:あんなに感情むき出しの蓮はめったに見れないもんね。
内田:そう。しかも「一人っ子だから弟の気持ちが分からない」とか言ってるんですけど、そんなことを感じさせないようなすごくいい表情で僕に訴えかけてきてくれて。あの辺からグッとくるシーンが多いですね。
――「解散!からの〜集合!」もすごくグッときました。
一同:あ~。
星野:そのあとのレンの台詞がすごくいいよね。
仲川:「どこへでも行けるけど、ここにいることにする」って。
内田:あの言葉選びは、レンしか言えないよね。