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声優・歌手/高野麻里佳1stSG「夢みたい、でも夢じゃない」インタビュー

アーティスト・高野麻里佳さんが紡ぐ、大切な人たちが笑顔になる“ずっとハッピーな物語” 1stシングル「夢みたい、でも夢じゃない」インタビュー

私の第一声を伝えるため、飾らない自分で爽やかに、かつ力強く歌おうと思いました

――では、収録曲についてお聞きします。表題曲の「夢みたい、でも夢じゃない」は第一印象ですぐに気に入ったそうですね。

高野:そうなんです。30曲ぐらいのデモ曲を1曲1曲プレイリストのように聴いて選んだのですが、歌始まりの冒頭のフレーズを聴いた瞬間に「これだ!!」ってビビッときました。

私って石橋を叩いて渡るタイプでありながらも、直感をすごく信じるタイプでもあるんですよ。なので、第一印象で「好きだ!」と思ったこの曲にしようと、トントン拍子に話が進みました。

――曲調はとても爽やかで、背中を押してくれるような感じですが、それ以上にインスピレーション重視だったと?

高野:どんな曲が歌いたいか聞かれて、「みんながハッピーになれるような、グッドソングを歌いたいです」と話してはいたので、もともと(デモ曲は)そのような明るい方向の曲をたくさん集めていただいたんです。

もちろん、爽やかで明るくてポップで……といったイメージが自分の中にあっても、言葉では伝えきれないものなので、ピンとくる楽曲と出会えるのか不安もありました。でも、この曲は本当に私が思い描いていたイメージ通りで、すぐにこの曲だと思わせてくれて。

私が感じた「明るい気持ちになる」「元気をもらえる」といったものを、聴いてくれた方も同じように受け取ってくれたらいいなと思ったんです。(第一印象で)そこまでのイメージを沸かせてくれる、夢のある曲でした。

 
 

――曲を決めた時に仮歌詞は入っていたとのことですが、正式な歌詞をいただいた時の印象はいかがでしたか?

高野:最終的に出来上がった歌詞をメロディにのせて口ずさんだ時に、しっくりきすぎて感動しちゃいました。でも、なぜしっくりきたのか自分では解明できなかったので、レコーディング現場で鶴﨑さん(作詞・作曲・編曲の鶴﨑輝一さん)にお聞きしたんですよ。

――鶴﨑さんは何と?

高野:声優が紡ぐ言葉って台本に載っているセリフで、セリフにはイントネーションがしっかりありますよね。この曲の歌詞は、そういったイントネーションに合わせた言葉運びになっているんです。

例えば、「愛」はしっかり頭高(頭にイントネーション)になっているとか。なので、まるでセリフを読んでいるような、言葉をそのまま誰かに伝えているような気持ちになれるんです。

鶴﨑さんからは、「そこの相性もよかったのかもしれないですね」と言っていただきました。また曲を書いていただける機会があれば、というお話もさせていただいて。自分に向いている曲と、自分が好きな曲の方向性が解明できましたね。

――声優ならではの相性だったのですね。歌詞で言えば、描かれているが高野さんにも当てはまりそうだなと思ったんです。例えば、石橋を叩いて渡る性格だから《不安に足踏みしたりね》とか、《たくさんの声と笑顔が眩しく私を照らしてく》とか。

高野:実は、2番を歌い始めたら涙が止まらなくなっちゃって歌うのを中断したぐらい、レコーディングは気持ちが入りすぎてしまったんです。2番には、人生におけるリアリティをより感じるような挫折の気持ちとかが描かれていて。また這い上がるぞ!って気持ちは、夢が尊くて大好きなことだからこそ苦しかったりするじゃないですか。まさに自分に重ね合わせてしまうような歌詞だったので、感極まる部分がたくさんありました。

もちろん、誰しも一度はそういう気持ちになったことがあるかもしれません。でも、思い出は自分だけのものだから、聴いた人が一番受け取りたい言葉に変換できるような楽曲になったらいいなと思ったんです。その人の「夢」ですからね。「夢」に向かって描いている希望や期待、ワクワクした気持ちをこの曲で伝えられたらなって。

――それがあってこそ《私だけの物語》というフレーズに繋がるわけですね。

高野:そうなんです。

――レコーディングでは、キャラクターではなく“高野麻里佳として”どのような歌い方にするか、悩むこともありましたか?

高野:めちゃくちゃありました。ただ、レコーディングは準備して持ち寄ったものを提示し合い曲を作り上げていく、クリエイティブでプロフェッショナルな現場ですから、そこで迷っちゃダメだと思って家ですごく悩みました。永遠に決着がつかないと思うぐらい、何が正解なのかわからないまま自分を客観視する作業でしたね。

とにかく私の名刺となるような第一声をこの曲で伝えることが大事だと思ったので、飾らない自分で、爽やかに、かつ力強く歌おうと決意してレコーディングに向かうことにしました。

――そうやってレコーディングしていった中で、苦労した部分や印象的なディレクションがあればお聞かせください。

高野:立ち上がりのテンションはいいんですけど、どうやってこの曲を終わらせるかに苦労しました。夢ってずっと続いていくものですし、終わり方次第では、曲自体がぼやけてしまうと思ったんです。

最後の《物語〜》の伸ばし方やニュアンスは、どうやったらメリハリがつくのか。より魅力を磨き上げるために、自分のイメージを伝えてディスカッションをしながらレコーディングしました。

――そういったところも、キャラクターソングのディレクションとは違ったのですね。

高野:全然違いましたね。ディレクターさんやプロデューサーさんは、私が歌ったもの、表現したものを素直に受け取ってOKだと言ってくださるんです。でも、そこでまた慎重な私が出てきてしまって……。もっとできるかもしれないという可能性を突き詰めて、満足するまで録っていただきました。

――今後はさらに上を目指していくことになるわけですが、今回に関しては満足のいくものとなりましたか?

高野:自分の落としどころとして、この曲の正解はこれです!と提示できるものになったと思います。

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