
ウマ娘がほかのウマ娘のレースを応援するのは、この作品だからこそ――冬アニメ『ウマ娘 プリティーダービー Season 2』田澤茉純さん×遠野ひかるさんキャストインタビュー【連載第10回】
個性が強くても、なんだかんだ結束力の強いチーム<カノープス>
――今も話に出ましたチーム<カノープス>の印象や、その中での2人の立ち位置についてはどう感じましたか?
田澤:資料で性格の説明を読んでいる時は、イクノはすごく頭が良くてしっかりしているという印象でした。それはそうなんですけど、チーム<カノープス>ではターボと同レベルで喋っている時があって……。
遠野:ありますよね(笑)。
田澤:ターボに対して「それやりましょう!」「すごいです」みたいなことを言っているシーンとか、台本を読んだ時に新しい一面を見たなと思いました。
――ちなみに、<カノープス>の他のメンバーの資料も最初からいただいたのですか?
田澤:いえ、オーディションの段階ではイクノの資料だけだったので、チームに所属していることも知らなかったんですよ。台本をいただいたら、<カノープス>というチームでした(笑)。
――では、ツインターボがあんなにおバカキャラだと知らなかったわけですね。
田澤:知らなかったです。ただ、ターボがそっち寄りなのかなっていうのは、見た目でちょっと思っていましたけど(笑)。
遠野:私も、ちょっと察しましたね(笑)。
田澤:イクノがターボと同じレベルで喋るというのは、全く想像がつかなかったです。
――マチカネタンホイザも、さらにツインターボと同レベルな感じの時がありますよね。
遠野:そうですね。最初は常識人なところがあるのかなと思っていたんですけど、意外とターボと同じレベルで突っ走っていけそうなんですよ。ターボが先頭切って、それについていくタンホイザ、なんとなく乗ってくれるネイチャ(ナイスネイチャ)に、淡々としながらやってくるイクノ、みたいな(笑)。
田澤:イクノのようなキャラクターって、(見た目は)みんなが騒ぐ中で「やれやれ」と言っているようなイメージだと思うんです。それが、一緒にチーム<スピカ>に果たし状を出しにいっちゃうのとかを見て、ビックリしました。
遠野:みんなでスタコラ逃げていったからね(笑)。
――そんなこともありつつ、メンバーもトレーナーも本当に楽しくて雰囲気のいいチームだなと。
田澤:そう思いました。バランスがとてもいいです。
遠野:個性はめちゃめちゃ強いはずなのに、なんだかんだ一緒にいて、なんだかんだまとまっているのは結束力が強いんだなって思います。メンバーがレースに出ている時の応援もいいですよね。どこでどう噛み合っているのかわからないですけど(笑)。
田澤:ウマ娘がほかのウマ娘のレースを応援するのは、この作品だからこそだなと思います。競馬だと(競走馬は)自分が出ていないレースって普通は見ないじゃないですか。なので、こうやってチームがあって、メンバーを応援している姿が見られるのはいいですよね。
――あと、チーム<カノープス>といえば年がら年中作戦会議をしていますけど、正直どう思いましたか?
遠野:トレーニングしないんかい!ってずっと思っていました(笑)。
田澤:ちゃんと作戦を考えられる人がいないんじゃないかな?
遠野:そこはイクノがんばって〜!
――確かに。キャラクター的に、考える役はイクノディクタスじゃないですかね。
田澤:そうなんですよね。イクノは自分が出るレースは結構分析するんですけど、チームの作戦となると考えられないみたいで(笑)。ちょっとズレているところもありますし。やっぱりターボが先頭を切って、それにみんなが乗っかっていく感じになっちゃうから面白おかしいチームなんだろうなと思います。
遠野:面白おかしいチーム(笑)。
――もちろん、作戦会議だけでなく、実際のレースの様子も多数描かれています。レースシーンの演じ方で意識したことはありますか?
田澤:レースシーンのアフレコをして思ったのが、「勝ちたいという意思」と「冷静には走らない」ということです。とにかく走っている時の熱量がすごいんですよ。「鉄の女」の所以である故障しないという意識をレースでは持たずに、とにかく勝ちたい!という思いでがむしゃらに走っている姿が印象深かったです。
遠野:タンホイザも、ちゃんと勝ちたいと思っているし、ちゃんと努力している子なんですよね。自分が(トップではなく)普通だと思っているからこそ、トップを走っているウマ娘に追いつくには努力しかないという意識がすごく強く、陰でめちゃめちゃトレーニングしているみたいで。
だから、普段まとっている柔らかい雰囲気とは違う、レースでの熱い思いが見られるところは大事にしました。ゆるい感じにせず、勝ちたい気持ちを前面に出して、見ている方に伝わるといいなと思って演じています。