ウマ娘がほかのウマ娘のレースを応援するのは、この作品だからこそ――冬アニメ『ウマ娘 プリティーダービー Season 2』田澤茉純さん×遠野ひかるさんキャストインタビュー【連載第10回】
Cygamesが手掛けるクロスメディアコンテンツ『ウマ娘 プリティーダービー』(以下、ウマ娘)。そのTVアニメ第2期『ウマ娘 プリティーダービー Season 2』が好評放送中です。
第2期は、シンボリルドルフに憧れ無敗の三冠ウマ娘を目指すトウカイテイオーと、名家の誇りにかけて天皇賞連覇に挑むメジロマックイーンを軸にした物語。そんな2人の強い思いが激突した天皇賞(春)以降も、魅力あふれる“ウマ娘”たちによる熱いレースやドラマが繰り広げられています。
そんな第2期の放送を記念して、アニメイトタイムズでは毎週スタッフ陣やキャスト陣のインタビューを実施。
第10回は、田澤茉純さん(イクノディクタス役)と遠野ひかるさん(マチカネタンホイザ役)のインタビューをお届けします。
チーム<カノープス>のメンバーとして、時にはレースで激走し、時にはチームの作戦会議でわちゃわちゃした姿を見せてくれる両者。その個性をどのように演じたのか、チームの印象は、などたっぷりお話をうかがいました。アフレコでのエピソードも必見です。
演じる上でのポイントは「もっとオーバーに」「もっと淡々と」
――イクノディクタスもマチカネタンホイザも第2期から初登場キャラとなります。改めてオーディションや役に決まった時のことをお聞かせください。
イクノディクタス役・田澤茉純さん(以下、田澤):オーディションを受けたのは(2020年の)春頃でした。でも「決まりました」と連絡が来たのは夏頃だったので、落ちたと思っていたんです。忘れた頃に……という感じでビックリしました。
――見た目も性格もとても好みで演じたいと思ったそうですね。
田澤:はい。個人的にメガネキャラも好きですし、真面目でシャンとしたクールなタイプがすごく好きなので、ドンピシャでした。オーディションの原稿をいただいた時から、絶対に演じたいと思っていたんです。
――もともと『ウマ娘』や競馬のことはどの程度知っていたのですか?
田澤:『ウマ娘』という作品は、仲の良い子もいっぱい出ていたので知っていました。ただ、本物の競馬は小さいころに見たことはありましたが、全然詳しくなくて……。イクノ(イクノディクタス)のことは役が決まってからいろいろ調べましたね。
――遠野さんの方はいかがですか?
マチカネタンホイザ役・遠野ひかるさん(以下、遠野):競馬は私も詳しくなくて、見に行ったこともなかったです。でも、『ウマ娘』はたくさんの方に愛されている作品だと知っていたので、そこに出演させていただけると決まった時は本当に嬉しかったです。
『ウマ娘』ってみんなが絶対に1位を狙っているというか、仲間でありライバルであるのが確立していますよね。女の子がいっぱい出てくる作品の中で、そこが『ウマ娘』らしいところだと思うんです。仲間だけでは見られない青春や、ライバルだからこその絆を強く感じる作品だなって。その中に自分の演じるキャラクターがどう入っていって、どう走っていくのかすごくワクワクしました。
田澤:タンホイザ(マチカネタンホイザ)は、最初に登場したシーンが一番インパクトが大きかったです(笑)。
遠野:登場シーンが“鼻血”でしたからね。タンホイザはどんなお馬さん(競走馬)なんだろうと思って調べたんですよ。そうしたら……。
――“鼻血”が出ましたか?
遠野:出ました(笑)。検索ワードに「マチカネタンホイザ」って入れると、候補に「鼻血」って出てきて。「ええ!? どうしたの?」と思って調べたら、すごく愛らしくて健気な子でした。一気に親しみやすさが出て、魅力的に感じましたね。
――その後も、蕁麻疹など何かとエピソードが多かったですからね。
遠野:なんか惜しいんですよね。でも、そこが可愛らしいというか、応援したくなっちゃいます。
――田澤さんも競走馬のイクノディクタスのことを調べたとのことで。
田澤:はい。調べたら「鉄の女」というワードが一番上に出てきて、「鉄の女ってなんだろ?」ってなるじゃないですか。どうやら、とてもたくさん走って故障しなかったから「鉄の女」と呼ばれていたらしいんです。衣装(ウマ娘の勝負服)も足元が鉄の感じですし、騎手さんの勝負服にもそっくりで感動しました。
遠野:そういうところをキャラクターとして上手に拾ってくださっていて、外見にも中身にもこだわりを感じます。
――衣装ということでは、マチカネタンホイザはいかがですか?
遠野:可愛いですよね。地元でアイドル的存在の「おマチちゃん」として愛されている感がすごいです。キラキラしてカラーがパキッとしている感じではなく、この色合いと主張しすぎない可愛らしさがとっても好きなんですよ。
――そんな2人を演じる時に意識したことや、印象的なディレクションがあれば教えて下さい。
遠野:オーディションでのことをすごく覚えていて。1回やってみた演技に対して、「もっと大きく、オーバーにやっていいよ」とディレクションいただいたんです。それで好き放題オーバーにやったら、今度は「ちょっと行き過ぎました。戻しましょう」って。その時は、調子に乗っちゃった……と思ったんですよ(笑)。
でも、いざタンホイザ役に受かって、ターボ(ツインターボ)のぶっ飛び方とか<カノープス>みんなのバランスを見た時に、すごく納得したんですよね。ちょっと天然なところはあるけど、ターボのポジションがあるから、(ターボのような)おバカな方向ではないんだなって。なので、演じるときは常にそれを意識しています。
田澤:私はテープオーディションだったので、オーディションの段階でのディレクションはなくて、実際のアフレコで「もっと淡々と」と言われました。最初は割とがっしり喋っていたんですけど、イクノは内に秘めている感情を表に出すタイプではないですからね。でも、淡々としすぎると怖く聞こえちゃったりするので、そこが難しいなと思いながら演じています。