映画『トムとジェリー』木村昴さんインタビュー|台詞量の多さはラッキー! 木村さんの人気の秘訣はやんちゃなイメージだから!?
1940年に誕生してから世代を超えて愛され続ける『トムとジェリー』。2020年に80周年を迎えた「トムとジェリー」が実写映像とアニメーションを組み合わせた映画となって2021年3月19日より全国公開となります!
「世紀のウェディングパーティー」が行われるニューヨークの一流ホテルを舞台に、トムとジェリーの追いかけっこが繰り広げられる本作。新人ホテルスタッフのケイラをはじめとした人間たちをも巻き込んだ、トムとジェリーの新たな物語が展開します!
今回、アニメイトタイムズでは、ケイラの少し意地悪な上司・テレンスの日本語吹き替えを担当する木村昴さんにインタビューを実施! 幼少期をドイツで過ごした木村さんが明かす『トムとジェリー』の魅力に加えて、演じられるテレンスの魅力といったお話を伺いました。
あの“トムジェリ”が実写映画化! ギリギリを攻めたコメディシーンも健在
――最近はアニメやバラエティ番組などで木村さんのお名前を見ない日はありません。
木村:最近はありがたいことに『おはスタ』のMCも担当させていただいたり、ありがたいかぎりです。
――今や子供たちの間では「スバにぃ」ですからね。
木村:そうなんですよ。子どもたちのお手本にならないと! と思って日々務めています。
――では作品について伺っていきたいのですが、そもそも『トムとジェリー』という作品についてどんなイメージがありましたか?
木村:それはもう、不朽の名作ですよ。歴史が長いじゃないですか。
アメリカやヨーロッパの子供たちはこの作品を見て育ってきたといっても過言ではなく、僕もそのひとりなんですよ。僕がドイツで暮らしていた頃は、同じく子供向けアニメの『ドラえもん』より先に見ていましたし、周りの子供たちの間でも『スマーフ』か『トムとジェリー』か、といったくらい親しまれていました。
DVD BOXを持っていて、未だに見ているんですが、1話完結ながらも長編があったり短編があったりして飽きずに見ていられますね。それこそ海外版の『ドラえもん』みたいな作品です。
――大人になってから見ても楽しめる作品ですよね。
木村:今見ても面白い作品ですし、何十年も前からあるアニメとは思えないほどとにかくよく動くので、見ごたえがあると思います。
――リアクションひとつひとつが大きくて笑ってしまいます。
木村:個人的には鉄アレイが落ちてきて目がビヨーンって出る、みたいなコミカル要素がすごく好みです。
――そんなアニメが実写化を果たしましたが、現代の感覚では少々過激かと思うくらいギリギリを攻めていて新鮮に感じました。
木村:たしかに、現代ではコンプライアンス的に再現が難しかったシーンもたくさんあったかと思います。でも、仰る通り現代でも面白いと思えるギリギリのラインを攻めていて。個人的に、大人たちには懐かしいと感じてもらえるし、子供たちには逆に新鮮に感じてもらえるんじゃないかと思いました。
――出演が決まったときはどうでしたか?
木村:慣れ親しんだあの『トムとジェリー』が実写化するなんて、と驚いていたらまさかオファーをいただいて。日本版アニメの吹き替えは、『ドラえもん』の先代のスネ夫役の肝付兼太さんもやられていたので、その流れで「自分もトム役なのか!?」と思ったんですが、マネージャーさんから「いえ人間です」なんて言われて(笑)。
――(笑)。
木村:アニメ版に登場する人間って顔が映らないじゃないですか。だからどんな役柄なのか気になっていたんですが、しっかり顔が映っていてラッキーでした(笑)。
――演じられるテレンスは「ちょっぴり意地悪なケイラの上司」と紹介されています。
木村:全体を通して見ると意外と意地悪というほどではなく、不運な上司というような人物なんです。最初はごきげんな人なんですけど、トムとジェリーと出会うことで徐々に歯車が狂っていき、ちょっと意地悪な面が出てくるんですが……。
――演じられていかがでしたか?
木村:彼はこの映画における悪役的なポジションで、本編でも徐々に闇落ちしていくんですけど、自分としてはこういうキャラクターは演じがいがあって。最初の印象と後半の印象、そしてエンディングの印象がどんどん変わっていって楽しかったです。
――本編を拝見しましたがテレンスのセリフ量が多くてびっくりしました。
木村:先ほどお話したように、テレンスはキャラクター性の変化が目まぐるしくて、すごく演じがいがあって。セリフ量は多かったですが、飽きることなく演じることができて大変とは感じませんでしたね。あと、なにより声優にとってセリフがたくさんあるって嬉しいことなので、台本を読んだときは「ラッキー!」と感じました。