「ジョーが人のために生きる話」春アニメ『NOMAD メガロボクス2』ジョー/ノマド役・細谷佳正さん放送記念インタビュー
『あしたのジョー』連載開始50周年を記念して誕生した『メガロボクス』が帰ってくる――。
この発表を受けた時の衝撃は、まさにクロスカウンター級だった。
あれほど美しいラストの続きに触れられる高揚感。魅力的なキャラクターに再び会える感動。
新訳『あしたのジョー』として多くのファンの心を掴んだ『メガロボクス』が『NOMAD メガロボクス2』として再び動き出すのだ。
今回、アニメイトタイムズは本作で“ジョー /ノマド”役を演じる細谷佳正さんに取材の機会を得た。
一人の“メガロボクスファン”としてリング(取材場所)で細谷佳正さんを待つ。まず、僕は彼に伝えたいことがあったのだ。
取材開始のゴング(実際はそんなものはない)が鳴った瞬間、いきなりこう切り出した。
※本インタビューは2018年に放送された『メガロボクス』のネタバレを含みます。未視聴の方はお気をつけ下さい。
謎のヒゲの男の正体について
――『あしたのジョー』の原作ファンから見ると、『メガロボクス』は楽しみな反面、怖さもありました。原作が名作過ぎるので、一体どうなるのだろう……と。蓋を開けてみると、非常に原作愛に溢れたスタッフの方々が制作されていて、第一話からのめり込むように視聴したわけなのですが。個人的な意見として、細谷さんのジョーの芝居がとても素晴らしく印象に残っていました。
細谷佳正さん(以下、細谷):嬉しいです、ありがとうございます(ニッコリ)。
――特に最終回のジョーが一人でダンスをしているシーンの芝居が素晴らしすぎて。あのシーンにはもう……感服しました。
細谷:ありがとうございます。是非そのコメントも書いておいてください(笑)。
――承知しました(笑)。では、まず『メガロボクス』の続編が発表になった当時の気持ちからお聞かせ下さい。
細谷:『Anime NYC』で『NOMAD メガロボクス2』のキービジュアルが『メガロボクス』のPVの後ろにくっついて公開されたんですよ。これが2019年のことです。
Just announced at @animenyc! @MEGALOBOX_ 2 in development! pic.twitter.com/twB67yjVAD
— TMS Entertainment USA Inc. (@tmsanime) November 16, 2019
このキービジュアルを見ていただくと分かるのですが。今でこそこのヒゲが生えた男がジョーだって分かりますけど、当時は何者なのか分からなくて。PVに新しく登場していたのは全部新キャラだと思っていました。
――確かに。これだけ見たらジョーだとは思わないですよね。
細谷:監督(森山洋監督)が力石(『あしたのジョー』に登場する矢吹ジョーのライバル 力石徹)が好きだと聞いていたんですね。『メガロボクス』では勇利が力石徹の役割を担っていたと思うんです。
でも、絵柄の雰囲気もあって、原案の『あしたのジョー』に近い雰囲気を感じたので、今度は勇利ではなく、本当に力石をオマージュした新キャラクターが出てくるのかな?と思いました。
後は、このヒゲの男は森山監督なんじゃないかとも思いました。私小説に自分を投影したキャラクターが登場する事ってあるじゃないですか?次のラスボスがこのヒゲの男で……監督は自分の作品の中で自分を倒すのかな?みたいな事を考えていました。
――確かに。ヒゲの雰囲気は近いものを感じますね。ちなみに、その当時はまだ細谷さんにオファーは?
細谷:来てなかったです(笑)。でも、ジョーは出てくるだろうなと思っていました。主人公ではあるので。
――では、このヒゲの男がジョーだと知った時はいかがでしたか?
細谷:『こういう(ビジュアルの世界観)感じで、続編を作ろうとしているんだな』と思いました。