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『シン・エヴァンゲリオン劇場版』碇シンジ役・緒方恵美が贈る、すべての『エヴァ』ファンへのメッセージ

映画『シン・エヴァンゲリオン劇場版』碇シンジ役・緒方恵美さんインタビュー | それぞれの中にある『エヴァ』を大切にして欲しい

2021年3月8日から公開がスタートした映画『シン・エヴァンゲリオン劇場版』(以下、シン・エヴァ)。2007年公開の『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序』から続く、『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』シリーズの最新作にして完結編にあたる作品で、記録的なヒットを飛ばし、公開から間が経った現在もなおその興行成績を伸ばし続け、『エヴァンゲリオン』シリーズの最高記録を更新中です。

今回は、そんな『シン・エヴァ』で、主人公・碇シンジを、TVシリーズから演じ続けられている声優・緒方恵美さんにインタビューを実施。映画が公開されての心境、シンジに込めた想いなどを語っていただくことができました。

『新劇場版』シリーズでの経験すべてが、今のシンジを形作った

――ついに『シン・エヴァンゲリオン劇場版』が公開となりましたが、現在の心境をお聞かせください。

緒方恵美さん(以下、緒方):とりあえずは、公開を無事に迎えられて良かったなという気持ちです。

――完成した映像をご覧になられていかがでしたか?

緒方:今まで見たこともないようなすごい映像で、ただただ圧倒されました。アフレコの時は画に色がほぼついていない状態だったので、映像については完成版を見て初めて知ったことばかりでした。

――『新劇場版』シリーズは『:序』から『シン・エヴァ』まで14年と、非常に長いスパンでの収録だったかと思いますが、長いスパンならではの収録の難しさはありましたか?

緒方:収録に難しさがないということはありませんが、スパンが空いたことでの影響というのはあまりありませんでした。TVシリーズから数えるともっと長いですし、それぞれの作品の間には『エヴァ』に関連した収録がずっとありましたから。

 

 

――『新劇場版』シリーズが始まるにあたって、碇シンジというキャラクターについてもう一度役作りをされたことはあったのでしょうか?

緒方:それはなかったです。シンジ自身のキャラクターのベースは『新劇場版』シリーズでも変わっていませんから。

――『新劇場版』シリーズの中で、印象的な作品やシーンはありますか?

緒方:すべてですね。全部が印象深いので、どれかを選ぶということは難しいです。

 

 

――『シン・エヴァ』の前半では、言葉を発せない状態になったシンジが立ち直る過程が描かれました。緒方さんは、どんな心境であのシーンを演じられていたのでしょうか。

緒方:皆さんがシーンを見て、感じていただいたことがすべてだと思います。私が意識していたのは、とにかくシンジの気持ちでそこにいるということだけ。後は周りの皆さまから投げられるものを受け取って返すだけ。弱々しくあったとは思いますが(笑)。

――『シン・エヴァ』でのシンジは、一度立ち直ったあとは、心が完全に折れそうな出来事を経験しても前に進むことを止めず、かなり精神的に強くなっていたのが印象的でした。これはTVシリーズやその劇場版とは明確に異なる部分だと思うのですが、それぞれのシンジに違いが出た要因は何だと考えられていますか?

緒方:TVシリーズ・その劇場版と『新劇場版』シリーズでは、まず周りの大人の人たち(キャラクターたち)の在り方が違ったので。環境が変われば、物語の展開は変わります。『新劇場版』シリーズで経験したあらゆる出来事が、彼をあの場所にたどり着かせたのだと思います。

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