「アニソン界のレジェンド」が歩んできた軌跡と今、そして未来を語る! ささきいさおさんデビュー60周年記念スペシャルインタビュー【第1回】
「宇宙戦艦ヤマト」や「銀河鉄道999」などアニソンの名曲や特撮ソングを数多く歌ってきたアニソン界のレジェンド、ささきいさおさんが2021年、デビュー60周年を迎えました。そんなアニバーサリーイヤーに、『ささきいさお デビュー60 周年記念スペシャルライブ』開催をはじめ、3月からスタートした『機界戦隊ゼンカイジャー』の挿入歌「全界合体!ジュラガオーン」を、「アニソン界の女王」こと堀江美都子さんとデユエットするなど精力的に活動されています。
ささきさんのデビュー60周年を祝して、アニメイトタイムズでは約100分に及ぶロングインタビューの模様を3回に亘ってお送りします。
Part.1となる今回は60周年を迎えた感想と印象深い出来事、今話題の『機界戦隊ゼンカイジャー』の挿入歌「全界合体!ジュラガオーン」について、そして4月9日の開催を控えるオンラインライブへの意気込みなど語っていただきました。
体感30年くらいあっという間だった60周年。「宇宙戦艦ヤマト」のヒットで芸能生活が激変!
――デビュー60周年おめでとうございます。振り返ってみた感想をお聞かせください。
ささきいさおさん(以下、ささき):こういうご時世なので、あまり実感が湧かなかったんですよね。でも60周年記念のライブが決まったことで、「ああ、もう60年も経ったんだな」と。芸能界に入った時は目まぐるしい毎日で、あわただしく3~4年が過ぎて。そこからしばらく下積み生活が続いて、「歌手としての勉強をしっかりやらなきゃいけない」と思い、発声や芝居を基礎から学んだりして、その期間は長く感じました。
でも縁があってアニメソングを歌うようになって、「宇宙戦艦ヤマト」がヒットするとまためちゃめちゃ忙しくなり、そこからの延長でありがたいことに今も歌わせていただいて。
今は時間が経つのが早くて、気が付くと3~4年経っているから60年と言われても、自分では30年くらいしか経っていない感覚なんですよね。この年まで歌えるということは幸せなことだと思っていますが、そのためにはジムに行って鍛えたり、健康を維持していく大変さもあって。まあ、楽しいこともあったし、大変なこともあった60年でしたね。
――今でも新曲を歌われていますし、ずっと現役として長い期間、歌われていると、ささきさんの歌に触れてきた方もたくさんいるでしょうし、コンサートでは親から孫まで一家で聞いて育ったような方もいらっしゃるのでは?
ささき:幅広い年齢層の方に来ていただけるのはありがたいことですが、コンサートではすべての層の方を楽しませるのは難しいんですよね(笑)。アニメや特撮ファンの方はそれらの曲を期待されるでしょうし、僕と同世代の方ならポップスやプレスリーの曲を聞きたいとか、それだけ選曲の幅も広げなければいけないので。難しいけど、こんなふうに悩めるのは幸せなことです。
――この60年の活動の中で印象深い出来事をお聞かせください。
ささき:1960年にロカビリー歌手としてデビューした時のレコーディングもそうですし、大島渚監督の映画『太陽の墓場』で初主演させていただいてから7本の映画で主演を務めさせていただいたことなどはもちろん思い出深いですね。
そして「宇宙戦艦ヤマト」を歌わせていただけたことも大きいです。アニメの枠にとどまらず、時代に刻まれるヒット曲になったので、いまだに忘れられません。
「宇宙戦艦ヤマト」のおかげで、芸能生活も一変して、歌手の仕事だけではなく、ドラマや声優の仕事も増えてすごく忙しくなって。「1つの作品が当たるということは、これほどいろいろなところに影響を及ぼすものなのか」と実感しました。
――「宇宙戦艦ヤマト」は1974年に発売され、後に大ヒットを果たし今も歌い継がれる国民的なアニメソングになりました。
ささき:この曲を聞いたり、アニメを見ていた人たちが今、アニメやアニソンを作る立場にいますからね。それはすごいことですよね。
――「宇宙戦艦ヤマト」をはじめ、ささきさんの曲は日本にとどまらず、世界でも愛されている印象があります。
ささき:ありがたいことです。いろいろな国でライブをさせていただく機会も増えて。最近、印象深かったのはサウジアラビアに行ったことで、「グレンダイザー」を歌うとすごく熱狂して。宿泊したホテルにもたくさんの人が来て、「ササキサン!」とか「グレンダイザー!」とか叫んでくれました(笑)。
中東では『グレンダイザー』がすごい人気だったみたいで、今もなおファンが多いみたいです。現地放送でカバーした歌手と一緒にステージをやったこともあるけど、国によって同じ曲でもこんなに歌い方が違うんだなと。「民族によって、こんなに歌の解釈が違うのか」とか「こういう歌い方があるんだな」という発見もあって、おもしろかったです。